慢性疼痛

2017/3/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

概要

痛みには、急性と慢性の2種類があります。 急性の痛みは、体が傷ついていることを知らせ、通常、長く続くことはないため、体が回復するにつれて消えるはずです。
しかし、「慢性疼痛」は長く続きます。 慢性疼痛は、数カ月または数年続くことがあります。 慢性疼痛は、毎日の活動を妨げることがあります。 そして、痛みが長続きするので自尊心がなくなり、怒りっぽくなったりうつ病になるリスクがあります。

原因

慢性疼痛は、過去に生じた傷や感染、または疾患によって引き起こされますが、 痛みの原因がわからないこともあります。
慢性疼痛の原因には、以下のものがあります。
・感染症
・頭痛または片頭痛
・腰痛
・癌
・関節炎
・線維筋痛
・神経損傷
・過去に受けた手術
うつ病とストレスは、慢性疼痛を含む痛みをひどくさせる傾向があります。

診断

痛みについて医師に話すことは、適切な治療法を見つけるのに役立ちます。 どこが痛むか、どのくらい痛いか、そして、痛みが生じる頻度を伝えてください。 また、何が痛みを良くしたり悪くしたりするかについても話してください。
医師はおそらく病歴について尋ね、身体検査を行い、痛みの原因を特定するための検査を行います。同時に、他の健康問題(呼吸の問題や心臓の状態など)の可能性についても見直します。 睡眠、気分の問題がないか、または心配事がないかどうかを聞かれることもあります。

治療

慢性疼痛の治療には、医薬品および理学療法等が含まれます。慢性疼痛の治療は、痛みをすべて取り除くものではなく、痛みの程度と発生頻度を減らすことを目的としています。痛みを抑える方法については医師に相談してください。
慢性疼痛に使用される医薬品には、鎮痛剤、抗うつ剤、抗けいれん剤があり、痛みのタイプに応じた薬があります。医師は通常、持続的な痛みのために長時間作用型の医薬品を勧めます。一方、短時間作用型の薬は、出たり消えたりする痛みを治療します。医師が市販されている鎮痛剤をすすめる場合は、説明書の指示に従ってください。
医師が処方薬鎮痛薬を勧める場合は、服用方法について医師の指示に従ってください。特定の処方薬鎮痛薬を不適切に使用すると、副作用や中毒のリスクが高くなる可能性があります。

治療方法は薬だけ?

いいえ、痛みを和らげるために他にも多くの治療があります。リラックスしたり、悩み事から気をそらすことは、痛みを抑えることに役立ちます。すでに痛みのために薬を飲んでいても、日常生活でリラックスできる時間を作ることが重要です。リラクゼーションは、実際に痛みを引き起こす身体の化学物質を変えることができます。数週間ストレス軽減法を実施すれば、痛みの減少に気づくでしょう。医師は、ストレスの軽減とリラクゼーション方法についてアドバイスしてくれます。
物理療法(ストレッチや強化活動など)や負担が少ない運動(ウォーキング、水泳、サイクリングなど)は、痛みを軽減するのに役立ちます。しかし、過度の運動あるいは全く運動しないことは、慢性疼痛の患者を悪化させることがあります。
一部の場合、オステオパシー操作療法(OMT)または鍼治療が有効なことがあります。作業療法は、痛みを軽減したり、損傷を増やさないようにどう調整するのか、日常の動作を違ったかたちで行う方法を教えます。
行動療法は、瞑想、太極拳、ヨガなど、リラックスするのに役立つ方法で、痛みを軽減することができます。ストレスを軽減するのにも役立ちます。
生活習慣の変化は慢性疼痛の治療にとって重要です。夜間に規則正しい睡眠を取り、昼間に睡眠を取らないことが有効なことがあります。また、たばこのニコチンは、薬の効果を低下させる場合があるため、禁煙も効果があります。喫煙者は、非喫煙者よりも痛みが多い傾向があります。

医師に相談するための質問

・痛みの原因は何でしょうか?
・なぜそれは消えないのですか?
・よい治療法は何ですか? 薬が必要ですか?
・理学療法、作業療法、行動療法は痛みに効果がありますか?
・ヨガ、マッサージ、鍼などの代替療法は効果がありますか?
・運動するのは安全ですか? どのような運動をすればいいですか?
・ライフスタイルを変える必要がありますか?

この記事に含まれるキーワード

理学療法 慢性疼痛 オステオパシー 身体検査 OMT