結節性硬化症

2017/3/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

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概要

結節性硬化症は、皮膚、脳、腎臓、眼、心臓または肺に腫瘍ができる疾患です。 こうした腫瘍は、通常、良性(非癌性)です。 初めは、発作や皮膚斑といった症状がみられます。結節性硬化症患者の中には、発達障害を抱えたり、発作が出ることがあります。
結節性硬化症はどの様な民族、人種にもみられます。日本や外国でのこれまでの調査では、結節性硬化症と診断された患者は人口1万~数万人に1人の割合です。日本人全体で1万人くらいはいると考えられます。症状が軽いので病院を訪れていない、あるいは訪れても診断されていない患者さんまで含めると、人口6千人に1人くらいいるのではないかと推定されています。

症状

赤ちゃんが出生時に心臓横紋筋腫(良性の心臓腫瘍)と呼ばれる病気を抱えている場合や、特に小児けいれんと呼ばれる発作を起こす場合、結節硬化症の疑いがあります。
結節性硬化症の兆候は、幼児期の後半に現れ始めます。 これらの症状には、以下のものがあります。
・白斑
・にきびのような発疹が顔にできる(顔面血管線維腫と呼ばれる)
・腎臓の機能に問題がある(腎臓に腫瘍があるため)
・肌が極端に厚いところがある
・爪の下やその周囲に腫瘍ができる
・咳や息切れを起こす
・精神障害または発達障害

原因

結節性硬化症は親から子に遺伝することが多いです。親のどちらか一方が結節性硬化症にかかっている場合、その子どもが発症する確率は50%です。
しかし、結節性硬化症の子どもの約半数は、どちらの親にもその兆候がありません。この場合、正常な遺伝子が、結節性硬化症を引き起こす異常な形態に変化(突然変異)すると考えられています。
現時点で結節性硬化症の兆候や症状がない場合、結節性硬化症遺伝子があるかどうかを確認できる検査はありません。
結節性硬化症の子どもを持つ親が再び子どもを持つことを望む場合は、主治医と相談してください。遺伝カウンセラーや医学遺伝学者を紹介してもらえるかもしれません。

治療

現在、結節性硬化症を完治させることは難しいですが、症状を改善させることは可能です。薬によって発作を抑えることもできますし、手術によって腫瘍を取り除くことができます。子どもが発達障害を抱えている場合は、作業療法が効果的です。結節性硬化症のほとんどの人は健康な人と変わらない寿命を持っています。

医師に相談するための質問

・子どもが発作を起こすことがあります。結節性硬化症でしょうか?
・結節性硬化症は手術で治りますか?
・子どもの症状を改善する薬はありますか?
・結節性硬化症の子どもが1人います。 今後また子どもを望む場合、その子も結節性硬化症になりますか?
・子どもに結節性硬化症に関連する発作があります。 他によくある症状は何ですか?
・私の子どもは発達障害になりますか?

この記事に含まれるキーワード

結節性硬化症(3) 腫瘍(16) 心臓横紋筋腫(1) 小児けいれん(1) 皮膚斑(1)