HIVとAIDS

2017/4/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

概要

HIVとは

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は身体の免疫系を攻撃します。正常な免疫系は、人を病気にならないようにするものです。
HIVは免疫系を傷つけるため、細菌やウイルスに感染する可能性が高まります。体が細菌やウイルスと戦うことが困難となるので、治癒が難しくなります。HIVは、後天性免疫不全症候群(AIDS;エイズ)につながる状態を指します。

AIDSとは

AIDSはHIVによる免疫不全が進行し、通常の免疫力では感染しないような病原体に感染した状態を指します。HIVによる免疫不全が最終段階に入ると、AIDSを発症します。

AIDSにかかると感染症や悪性腫瘍による致死率が非常に高くなるため速やかな治療が必要です。

HIVに感染した後

HIVに感染した後、体はウイルスと懸命に闘うため、ウイルスはそれほど増加しません。HIVには感染していても、徐々に回復するため正常に見えます。血液検査でも異常は見られません。
しかし、ウイルスはリンパ球を攻撃し続けます。リンパ球は、体の免疫系の中心となるものです。
10年から15年間で、HIVは多くのCD4リンパ球といわれる細胞を死滅させ、体は感染症と戦うことができなくなります。CD4細胞数が1mLあたり200以下であれば、AIDSを発症する可能性が高いです(通常の数は600〜1000です)。そして、一度AIDSに感染すれば、多くの重度の感染症に簡単に感染してしまいます。

症状

HIVの初期症状

HIVに感染しても、はじめは自覚症状がほとんどありません。しかし、その間、インフルエンザに似た症状が数週間続くことがしばしばあります。HIVをうつしたと思われる人も、症状が出ていないことがあります。HIVに感染した場合の徴候や症状は、伝染性単核球症、扁桃炎やインフルエンザのような病気に似ています。初期症状としては以下のようなものがみられます。
・発熱
・頭痛
・疲労
・腫れたリンパ節
・喉の痛み
・発疹

HIVの進行した症状

病気が進行するにつれ症状が悪化することがあります。これには時間がかかることがあります。HIVにかかっている人の中には、最大10年間症状が現れない人もいます。症状には、以下のようなものが見られます。
・腫れたリンパ節
・下痢
・発熱
・咳
・息切れ
・身に覚えのない体重減少

HIV感染の女性と男性での差異

症状は男性と女性でほとんど同じです。
感染した後長期は、一見健康に見えますが、その後長い時間をかけて、その人の免疫系は他の感染症と戦うことができなくなるまでに弱まります。
なお、HIVに感染した女性は、免疫系が弱くなるにつれて腟内の酵母感染なども生じます。骨盤内炎症性疾患(女性の内部生殖器の感染)などの深刻な感染症は、治療が難しい場合があります。

原因

HIVは、血液、精液、腟液などの体液を通して、人から人へと感染することがあります。感染した母親から生まれた子供は、妊娠中に感染している可能性があります。
HIVに感染している女性の半数以上が性的パートナーから感染しています。HIVに感染した男女が性交渉をした場合、コンドームが適切に使用されていないと、女性がHIVに感染するリスクが高まります。
感染者と無防備な性交渉をした場合や薬物を注射するための針と注射器を感染者と共有した場合も一因となり得ます。

HIVに感染にかかりやすい人とは

AIDSが流行し始めたころ、HIV感染は、静脈注射をする薬物使用者、他の男性と性行為を有する男性、血友病(頻繁な輸血を伴う治療を必要とする血液凝固疾患)患者といった、特定のグループに限定されていると考えられていました。当時の血友病患者は、HIV感染者の血液から輸血されることがありました。しかし現在では、献血の際にHIV検査をしており、HIV感染者による献血はなくなっています。
HIV感染のリスクが高い人は以下の通りです。
・男性間でセックスしている人
・複数の性交渉相手を持つ人
・違法注射薬などで針を共有する人
・性感染症がある人
上記のリスク要因のいずれかを持つパートナーが過去にいたか、現在いる人は高いといわれています。

接触の安全性

HIVは体外では長く生きることができないので、他人の手に触れたり、握手をしたり、抱擁したり、公共のプールで泳いだり、温泉に入ったり、公衆トイレ・電話・ドアノブ・水のみ場の共有など少しの接触でウイルスが感染することはありません。また、蚊や他の昆虫を通じて感染することもありません。

赤ちゃんの母親からのHIV感染経緯

赤ちゃんは、妊娠中、出産中、授乳中に母親からHIV感染することがあります。
妊娠中の母親と新生児に投薬することで、子どものHIVの多くを予防することが可能になりましたが、妊娠している女性が自分の感染を知らない場合、この予防はできません。HIV感染者の多くは、最初は健康だと感じています。感染しているかどうかを知る唯一の方法は、HIV検査を受けることです。妊娠している場合は、妊婦のケアの一環としてHIV検査について医師に相談してください。また、妊娠を望んでいる場合も、あなたとパートナーのHIV検査について医師に相談するようにしましょう。

診断

HIVに感染していると思われる場合は、すぐに医師に相談してください。この病気の治療法はありませんが、早期診断と治療は、病気の進行を遅らせるのに有効です。医師は、HIVに感染していることが検査で分かった場合、多くの対処法を伝えることができます。
HIVに感染したほとんどの人が健康に見えるので、感染しているか調べるためには、血液検査が必要です。血液検査がHIV陽性であれば医師にHIVの精密検査を受ける方法を指示してもらいましょう。

HIV検査を受ける必要性

各公的機関はHIV検査を受けるよう呼びかけています。18歳未満の子供と65歳以上の大人でも、ウイルスの蔓延のリスクが高い場合検査の必要があります。また、妊婦も検査を受けることを推奨しています。ほとんどのHIV抗体検査は、感染していると思われてから2〜3か月以上経つと正確です。血液中に抗体が現れるまでに時間がかかるためです。

HIVの診断

HIVが体に入ると、”CD4リンパ球”と呼ばれる白血球の中に潜伏します。HIVはCD4細胞を利用して増殖し、毎日何十億ものコピーを作ります。それらの新しいウイルスが体に広がっていきます。
したがって、HIVに感染し始めた時には、測定する血液中に十分なHIV抗体がないので、この検査では診断ができません。
しかし、HIVの症状が出現しはじめる時期では、血液中に高レベルのHIV RNAが存在しています。「HIVウイルス量定量」の検査で測定します。この検査で、症状がHIV感染によるものであるかどうかがわかります。
医師は、はじめに血液をELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)法検査で調べます。この検査がHIV陽性であれば、血液をウエスタンブロット検査という検査で再度検査します。両方の検査が陽性であれば、HIV感染と診断されます。

AIDS指標疾患

進行したHIV感染者に起こる25種類あるエイズ指標疾患をどれか1つでも発症したら、その時点で医師によりAIDSと認定されます。 それらはニューモシスチス肺炎、カポジ肉腫などを含んでおり、HIVに感染した人がAIDS指標疾患に罹った場合、その人にはAIDSがあるとみなされます。

自宅でできるHIV検査

AIDSの検査は保健所や病院で受けるケースが通常ですが、簡単に自分で採取した血液サンプルを郵送して検査できる市販キットなどもあります。このテストは匿名で受けられ、結果は数日で知ることができます。

自宅で検査をするか、医師の診察を受けるべきか

HIV検査医師は、患者の健康とプライバシーを重要視しています。HIV検査を受けたい場合は、病院や保健所に相談してください。医師は、検査を受けるべきかどうかのアドバイスをくれたり、検査の前後に必要なケアもしてくれます。自宅での検査を選んだ場合、家庭でこのようなサポートを受けることはできません。
もし、HIVに関する検査を受けるべきか医師に相談したくないならば、自宅での検査が良いかもしれません。検査結果が陽性の場合は、すぐに医師に相談してください。
検査結果が陰性結果でも、HIVを持っていない、または将来的にそれに感染しない保証があるわけではないことを忘れないでください。感染から身を守る方法について学ぶ必要があります。

治療

治療薬は、しばしば数種類を組み合わせて服用することで、体内のHIV量を減らします。この治療は、高活性抗レトロウイルス療法(HAART)と呼ばれています。これらの薬の治療において、医師は、体内のウイルス量をどれくらい抑えられているかを経過観察し、吐き気、嘔吐、疲労、貧血、末梢神経障害(手足の麻痺感)などの副作用がないことを確認します。HAARTの療法中に通常使用される医薬品には以下が含まれます。

ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤

HIVが健康な細胞に感染すると、自身のコピーを作成するために、細胞のDNA、または遺伝子の命令を必要とします。この薬は、細胞のDNAをコピーするHIVの能力をブロックします。完全なDNAがなければ、HIVは新しいウイルスコピーを作ることができません。

非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤

やや異なる方法で、健康な細胞のDNAを使用して自分自身のコピーを作成し、HIVを防ぎます。

プロテアーゼ阻害剤

体内にHIVを放出する感染細胞を防止します。

融合阻害剤

体の健康な細胞へのHIVウイルスの侵入を防止します。医師によって注射されます。

インテグラーゼ阻害剤

インテグラーゼという有害酵素を無効に作用します。

薬を服用するのに最適な時期

ほとんどの専門家は、CD4細胞数が200/mLを下回る前にHIV治療薬を開始することに同意しており、CD4細胞数が200〜500/mLの間で、早期に薬を服用したいと考えています。どの薬を飲むべきか、いつ飲むかについては、医師と相談してください。

血液中のウイルスの量を調べる方法

血液中のウイルスの量を調べる方法は3つあります。医師はこれにより、体が薬にどのように反応しているかを調べます。

CD4細胞数

CD4細胞は血液中の(時にはTリンパ球、またはT細胞と呼ばれる)白血球の一種です。CD4細胞は体が感染症と戦うのを助ける重要な細胞です。残念なことに、この細胞は、HIV感染を引き起こすウイルスの主な標的でもあります。HIVは、CD4細胞を無能にします。HIVに感染していない人では、CD4レベルは500〜1200/mLです。医師はおそらく、CD4細胞数が一定のレベルを下回ったときにHIVと戦う薬を投与するでしょう。HIV感染の治療の一つの目標は、CD4細胞数を可能な限り高く保つことです。

ウイルス量

ウイルス量は、血液中のHIVのコピー数です。HIVに感染していない人のウイルス量は0です。体内のHIV量を低下させる薬は通常、ウイルス量が1 mLあたり1万〜3万のウイルス量が測定されたときに投与されます。治療の第2の目標は、ウィルス性負荷を可能な限り低くすることです。

CBC

全血球数(また、CBCと呼ばれる)では、血液中の赤血球と白血球の細胞の数を測定します。赤血球は肺から体のすべての組織に酸素を運びます。白血球は感染と戦い、体の免疫系を強く保ちます。HIV感染が悪化すると、赤血球が大きく減少し、白血球も大きく減少する可能性があります。この低下は、HIVと戦うための薬によっても引き起こされる可能性があります。医師はCBCを使用して、いつ薬を変更するかを決定します。そして赤血球と白血球を健康に保つのに十分な数に保つことを望んでいます。

通常の受診

医師は、HIV感染がどの程度強くなっているかを調べるためにいくつかのことをチェックします。医師は症状について尋ね、HIV感染が悪化した徴候ないかチェックします。CD4細胞数とウイルス量を確認するために血液検査も行います。受診以降に、HIV感染が悪化していると判断する要素は以下の通りです。
・吐き気、嘔吐、疲労、発熱、頭痛、悪寒、寝汗、咳、息切れ、下痢が新たにみられた場合
・体重減少、口内炎(鵞口瘡、カンジタ感染症など)、リンパ節の腫大
・血液中のCD4細胞数の低下
・血中のウイルス量の増加

診察の頻度

医師はおそらく、CD4細胞数が500を上回っている限り、6ヶ月ごとに診察します。CD4細胞数が500未満であれば医師は約3ヶ月ごとに診察するでしょう。新たに薬を処方した場合、より頻繁に診察して、薬の効果をチェックしたり、HIV感染が悪化しているかどうかを確認します。

治癒の可能性

HIVが体の抵抗を下げる(免疫系を弱くする)ときに起こる他の感染症や合併症を防ぐのに役立つ方法がいくつかあります。

毎年のインフルエンザワクチン接種

インフルエンザを防ぎます。

肺炎球菌の予防注射

1回の注射で細菌による肺炎を5〜7年防ぐことができます。HIVを持っている人にとっては、容易に肺炎を起こしがちです。

結核に感染しているかの検査

結核は非常に重篤な病気であるため毎年検査することを勧めます。

異形成(前癌状態)および子宮頸部癌を確認するための検査

HIV感染した女性にとって、定期的な検査が必要となります。

B型肝炎の検査

薬物を注射すると、感染の危険があります。感染を防ぐためにB型肝炎ワクチンが必要になることがあります。

TMP-SMZと呼ばれる薬

CD4細胞数が200未満だった場合は、この抗生物質は、ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis jiroveciiによる肺炎)の防止に効果があり、トキソプラズマ症と呼ばれる他の感染症を防ぐことができます。

その他

CD4細胞数が、75〜50よりも低い場合には、アジスロマイシン、クラリスロマイシン及びリファブチンが役立ちます。これは、Mycobacterium aviumと呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症からあなたを守ります。

将来的な見込み

併用薬物療法によって、HIV疾患は、若年成人の主要な死亡原因から、何十年にもわたって制御できる慢性疾患へと改善変化しました。しかし、HIV薬を服用して症状が出なくても、危険な性行為や血液交換によって他人にウイルスを感染させる恐れがあります。薬はウイルスを殺すことはありません。AIDSを予防したり、発症をおくらせたり、免疫システムを強く保つためのものです。
ウイルスを抑えるほど高頻度ではないが、新しい医薬品が開発され、試験されています。しかし、これらの新薬が発売されるまでには数年かかるかもしれません。

合併症

HIV陽性の場合、自身の健康に十分気をつけてください。バランスのとれた食事をし、定期的に運動し、たくさん休息を取るようにしてください。医師の指示に従って、すべての薬を指示どおりに服用してください。また、HIV感染者に一般的な感染症や病気から身を守るための措置を講じることもできます。

予防

見た目では誰がHIVに感染しているのかを知ることはできません。HIVに感染してからエイズの症状が出るまでには、平均8年かかります。そのため、体調が悪くない人でさえ他人に感染させてしまうことがあります。
エイズウイルス感染から守る唯一の確実な方法は、セックスを全くしないことまたはHIVに感染していないパートナーとのセックスしかしないことです。また、人間の血液や他人の身体との接触を避けることも重要です。
なお注射針と注射器は共有しないでください。

関連知識

仕事や余暇活動

ホームレス、病院、診療所、老人ホームや刑務所での作業などの仕事が、結核(TB)および他の感染症にかかるリスクを高めることがあります。働く場所について医師に相談してください。医師は、結核検査を受けるべきかどうか、またどのくらいの頻度で検査すべきかを判断します。
保育所で働く人や子育てにかかわる人は、子供からサイトメガロウイルス(CMV)感染症、クリプトスポリジウム症、A型肝炎とジアルジアに感染するリスクが高くなります。おむつを交換した後、尿や唾液に触れた後、浴室に行った後、食事の前にいつも手を洗うなどの衛生管理を行うことで、リスクを減らすことができます。子どもにHIVがある場合は、子供の世話をする人に事前に知らせましょう。
動物(またはペット店、農場や屠殺場で例えば、獣医の仕事)に触れる作業をする場合、クリプトスポリジウム、トキソプラズマ症、サルモネラ症、カンピロバクター症またはバルトネラ感染症などの感染症により高い危険にさらされる可能性があるります。これらに感染する危険性があるからといって、仕事をやめることが難しい場合は、以下の特別な予防措置を講じる必要があります。
・若い家畜、特に下痢を患っている家畜との接触を避ける
・ガーデニングや土壌を触った後に手を洗う
・ヒストプラズマ症を避けるため、鶏小屋を掃除したり、洞窟に入ったりしたり、土壌をかき回すような行動を避ける
・コクシジオイデス症を避けるため、掘削場所や砂嵐などの混乱した土壌に触れるのを避けるようにする

ペットの安全性

ペットを所有している人にはHIV感染者のリスクがあるかもしれませんが、多くのリスクは回避することができます。ペットを飼うことは精神的なメリットをもたらします。
あなたとペットを健康に保つための方法は次のとおりです。

ペットが下痢を起こしたら、すぐに獣医に連れて行く

獣医は、下痢の原因となっている細菌がHIV患者に有害なものであるかどうかを教えてくれるはずです。

食事前にペットを触ったら、必ず手を洗う

子どもがHIVを持っているなら、ペットと一緒に遊んだ後に子供が手を洗ったかどうかを確認してください。
新しく犬や猫を飼いたい場合は、少なくとも生後6ヶ月以降でなければなりません。また、ペットの糞には触れないようにしてください。

ペットをどこで購入するか注意する

清潔な衛生設備を備えているブリーダーやペットショップを選んでください。
野良犬や野良猫に触れないでください。もしもそのような動物飼うことを決めた場合、ペットが有害な細菌をもっていないことを獣医に確認してもらう必要があります。

猫のトイレ掃除

HIVに感染しておらず妊娠もしていない人がしてください。これでトキソプラズマ症を防ぐことができます。猫は屋内で飼い、他の動物(マウスやラットなど)を捕まえさせてはいけません。生肉や十分に加熱調理されていない肉は与えないでください。猫に引っかかれるような遊びを避けてください。噛んだり引っ掻いたりしたら、すぐに傷の部位を洗い流してください。そして、猫があなたの傷に触れることのないようにさせましょう。なお、ノミ予防は、猫や犬を健康に保つのに役立つ効果的な方法です。

サルモネラ症のリスクを減らすために

爬虫類(ヘビ、トカゲ、イグアナ、カメなど)との接触を制限してください。水槽や鳥かごをきれいにする必要がある場合は、ゴム手袋を着用してください。サルなどの外来のペットとの接触を避けてください。

安全な旅行

HIV感染者にとって、特に免疫抑制が厳しい場合は旅行すること自体が危険な可能性があります。発展途上国への旅行は、国内を旅行するよりも、食品媒介疾患や水媒介疾患のリスクが高くなる可能性があります。旅行する前に医師に相談しましょう。
いくつかの研究では、旅行者の下痢を予防する薬がリスクを減少させる可能性があることが示されていますが、HIV陽性患者を含む研究はありません。
一般的に、旅行前に胃や下痢を予防するために薬を服用することは推奨されませんが、これについては医師と相談してください。また、下痢がひどい場合も相談しましょう。脱水症状を起こした場合または熱がある場合(悪寒の有無にかかわらず)、便に血液がある場合は、薬では良くなりません。
動物の糞便で汚染されている可能性が高い場合は特に、土壌や砂との直接の皮膚接触を避けてください。
また、ビーチに行く場合は、靴と保護服を着用し砂浜に座る際はタオルを敷きましょう。

旅行前には必要な予防接種について医師に相談してください。多くのワクチン接種はHIV感染者にとって問題ありませんが、HIV感染者には予防接種をしないでください。特定の予防接種を受けることができない場合、医師は特別な指示をする必要があります。医師はまた、旅行する場所に応じて、真菌感染症および原生動物感染症への接触を避けることについて話すでしょう。
食べ物や飲み物には特に注意しましょう。氷、生野菜や果物、水道水、生鮮で弱った魚介類や肉、乳製品、野菜などを食べないようにしましょう。
一般的に安全なものとは、非常に熱い(75℃以上加熱1分以上)食べ物、自分で皮を剥むいた果物、ボトル入り(特に炭酸入り)の飲み物、ホットコーヒーや紅茶、ビールや水を1分間沸かしたものなどがあります。

食べ物や水からの病気を避ける方法

生や加熱調理が不十分な卵(クッキー生地、オランデーズソース、シーザーサラダドレッシング、マヨネーズなど生の卵を含む食品を含む)家禽、肉、魚介類は避けてください。また、低温殺菌されていない乳製品も避けてください。肉は、よく加熱調理するか芯のピンク色がなくなるまで加熱しましょう。調理済みの牛肉の内部温度は最低80°C弱(中身までよく火が通った状態)にする必要があります。家禽の場合、80°C強にする必要があります。
なお、調理されていない食品、特に肉と接触した後は、手、刃物、まな板、ナイフを石鹸と水で洗ってください。
リステリア症(リステリア菌に汚染された食物を通って伝播する稀な疾患)のリスクを低減したい場合は、調理済み惣菜などに注意してください。これらを食べる前に、加熱して、病原菌を殺すようにしてください。
野菜や果物は、食べる前に丁寧に洗ってください。
また、湖や川から水を直接飲むことは避け、人や動物の糞便が含まれている可能性のある水中での水泳も避けてください。
何らかの事情で地域で汚染水が発生した場合は、歯を磨く前にうがい用の水を1分間沸かすか、販売されている水を使用しましょう。
汚染水の勧告がない場合には、水道水を沸騰させる必要はありませんが、感染のリスクを低減するためには沸騰は効果的です。水道水を完全に避けることは不便で費用がかかるため、医師とよく相談しましょう。
水道水を避けても、汚染された水から作られた氷や、公共の水飲み場の水が感染を引き起こす可能性があることを忘れないでください。

医師に相談するための質問

・HIV感染を避けるための確実な方法はありますか?
・最適な治療法は何ですか?
・どのようにして感染を避けることができますか?
・コミュニティのサポートグループを見つけるにはどうすればよいですか?
・どの診断検査を実施しますか?
・どのくらいの頻度で医師の診察を受ける必要がありますか?
・治療に副作用はありますか?
・赤ちゃんに母乳を与えるのは安全ですか?
・コンドームを使用することで、パートナーがHIVに感染するのを防ぐことができますか?
・食事で気をつけなければならないことはありますか?

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