記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/12/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
湿度が高くなる梅雨から夏の時期を中心に、家のあちこちに通年繁殖するカビ。きちんと掃除していても生えてしまう掃除の大敵として、悩む人も多いですよね。今回はカビが生える湿度の目安について、カビが繁殖してしまう原因とカビを予防するための湿度対策とあわせて、具体的にご紹介していきます。
家具や家の中でカビが生え、目に見える状態にまで繁殖するのに必要な条件は、以下の4つです。
特に湿度はカビの繁殖・成長にとって重要で、そのスピードを多く左右する条件です。
具体的には湿度65%以上になるとカビの繁殖に適した環境となり、その後は湿度が上がっていくごとに、以下のようにカビの成長スピードも高まることがわかっています。
カビの繁殖を防ぐために家庭で日常的に行える湿度対策として、以下のようなものがあります。
お風呂や料理など、蒸気が発生したときに窓を開けて湿気を逃がすのは、湿度上昇とカビへの対策として非常に効果的です。
複数の窓や扉を開けて空気の通り道をつくると、より良い換気効果が期待できます。キッチンの換気扇や、24時間換気の機能を活用するのもおすすめです。なお、換気するときは、空気がこもりがちな靴箱やクローゼット、普段は締め切っている部屋の扉なども一緒に開けて、空気ごと湿度を動かしましょう。
サーキュレーターや扇風機などは、空気そのものと一緒に湿度も動かしてくれます。エアコンをつけていないときを中心に利用し、部屋の中の空気を循環させることで、特定の場所だけ湿度が高くなることを防ぎましょう。
除湿器や除湿剤など、湿度を下げることに特化した製品はいくつもあります。何度も同じ場所にカビが発生しているようなら、その場所の近くに除湿剤や除湿器を置き、部屋の湿度がカビ繁殖に適した65%以上にならないよう調整してください。
窓の結露やお風呂・水回りの水分は、部屋全体の湿度を上昇させカビの原因となります。目についときにこまめに水滴を拭き取って着実に家のなかの湿度を下げ、カビが繁殖するリスクを減らしましょう。
家具や壁などが設置する部分は、空気が湿気と一緒に滞留しやすく、どうしてもカビが繁殖しやすくなります。空気の流れを良くするために、壁と家具同士のすき間は5cm以上、床にもすのこを敷くなどして3cm程度のすき間を作りましょう。
部屋干しは室内に大量の水分をもたらし、湿度を上げます。できるだけ部屋干しは避け、どうしても部屋干しが必要なときは除湿器や扇風機を使いましょう。
湿気の多い梅雨や夏に増えるイメージの強いカビですが、冬でも繁殖することがあります。空気が乾燥する冬には室外のカビ菌の数は減りますが、気密性が高く常に水回りや呼気・加湿器から水分を得られる室内のカビ菌はあまり減少しません。
冬を快適に過ごすために私たち人間が室内に作り出す環境は、カビにとっても好まれます。とくに「クラドスポリウム」と呼ばれる黒カビは、浴室や台所を中心に、冬の室内で多く繁殖するといわれているのです。またクラドスポリウム以外にも、冬に使用頻度の増えるエアコンのフィルターには多種類のカビが生息しています。
冬でも室内では多種類のカビが繁殖する可能性が十分にあります。風邪のようなのどの痛みや、アレルギー症状を起こす可能性もあるので、冬もしっかり対策することが大切です。
冬は外気温との温度差から、夏に比べ結露が発生しやすくなります。エアコンや加湿器の過度な使用を控え、こたつなど人のいる部屋を部分的に温めるなどして結露を防ぐことが、カビの予防につながります。窓や玄関の扉、押し入れの結露もこまめに拭き取りましょう。
カビは湿度65%以上になると繁殖しやすくなり、その後湿度が上昇するにつれて、そのスピードが早くなります。また、高温多湿な夏に増えやすいイメージがありますが、気密性の高い現代の住宅では、季節に関係なく室内にカビが大量に繁殖してします可能性があります。
カビは、普段から室内を適当な湿度に保つことで予防できます。換気などで空気を動かし、結露を拭き取って除湿に努めましょう。