記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/9/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
一般的に頭痛は短期間で収まる症状だと考えられていますよね。しかし人によっては頭痛が慢性化し、数か月以上にわたって長引くケースも見られます。
今回は長引く頭痛の原因について、頭痛の種類による持続時間の違いや、原因となり得る病気の例などとあわせて、解説していきます。
長引く頭痛の原因としてまず考えられるのが、慢性緊張型頭痛です。慢性緊張型頭痛は、以下のような特徴を持つ頭痛が日常的に続く状態を言います。
慢性緊張型頭痛は、うつ病など心の病を併発しているケースも多いと言われています。
頭痛の持続時間が72時間以内と比較的短い場合は、慢性緊張型頭痛ではなく、片頭痛の可能性が高いと考えられます。
頭痛症状が長引く慢性緊張型頭痛は、「心身のストレス」と「トリガーポイントによる痛みの誘発」が原因で引き起こされると考えられています。
上記のような心身へのストレスは、頭部や肩・首の筋肉を緊張させて血流を悪くし、周辺の神経を圧迫して慢性的な頭痛を引き起こすことがあります。
人間の体は、通常なら痛みを感じない程度の圧力であっても、継続的に圧迫され続けることで関連する場所に痛みを感じるようになるケースがあります。このように、弱い力で圧迫され続けることで痛みを誘発するポイントのことを「トリガーポイント」と呼びます。
近年、頭の周囲の筋肉にはいくつかのトリガーポイントがあることが確認されました。このため、何らかの理由でこれらのトリガーポイントが刺激されることで、慢性的な頭痛が誘発される可能性もあると考えられているのです。
長引く頭痛のうち、以下のような症状の場合は緊張型頭痛ではなく、命にかくぁる脳疾患が原因の可能性が考えられます。
上記のような頭痛は脳動脈瘤が破裂して起こるくも膜下出血など、脳や脳内の血管に何らかの異常が起きたために生じている可能性が非常に高いです。放っておくと後遺症のリスクが増したり、最悪の場合には命を落とす可能性もある危険な状態だと考えられるので、すぐに救急車を呼びましょう。
また上記の症状に当てはまらなくても、頭痛が長引いて辛い場合は無理をせず、念のために病院で一度診てもらってください。脳に問題がなくても、症状を和らげる治療法・アドバイスを聞けるかもしれません。
通常、頭痛症状は一時的なものであるため早ければ数時間、長くても数日で治まります。頭痛症状が数カ月~1年以上にわたって続き、かつ、少しずつその頻度・痛みの程度が増しているなら、慢性緊張型頭痛の可能性が高いと考えられます。慢性緊張型頭痛は、心身へのストレスと頭部のトリガーポイントが痛みを誘発することで起こる頭痛症状です。ただし他の脳疾患の場合もありますので、気になる痛みのときは病院で診てもらってください。