記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/10/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
薬局などで茶色いうがい薬を見かけたり、実際に使用している人もいるのではないでしょうか。今回はその成分であるポピドンヨードの使い方や注意点などをご紹介します。
ポピドンヨードは、ヨウ素のアルコール溶液で毒性のあるヨードチンキなどよりも使いやすいように改良された製剤です。ヨードチンキの毒性を下げて水に溶けやすくする「ポリビニルピロリドン」と、ミネラルの一種であるヨードからつくられています。日常的に傷の殺菌や消毒、手洗いやうがいなどに使うことができ、病院などでは手術時の傷口の消毒や医師の手洗い、分娩時などにも広く使われています。
ポピドンヨードはヨードチンキなどよりも刺激が少ないため、その使いやすさから広く普及しています。また、ヨウ素を徐々に遊離する酸化作用によって微生物に直接はたらきかけ、微生物の殺菌や増殖を抑えるといわれています。ポピドンヨードが茶色なのは、ヨードが水に溶けていることによるもので、消毒作用が活発になっていることを示しています。
コップにポピドンヨードを約2~4mL入れ、水を注いで約60mLに薄めて使いましょう。特に、うがい薬として使う場合は適切な用量を守り、正しい濃度に薄めて使うことで殺菌効果が期待できます。
ポピドンヨードは新生児の皮膚、また粘膜や熱傷部位などから吸収されやすいため、広い範囲または高頻度で使用することは避けましょう。血中のヨウ素濃度が上がり、腎不全、代謝やホルモンなどに異常がみられる代謝性アシドーシスや甲状腺機能異常などを引き起こす恐れがあります。そのため、新生児や未熟児には高頻度または広い範囲での使用をしない、妊婦の膣に使用する際は、週1回までとしましょう。また他にもポピドンヨードはその種類によって、主に以下のような注意点が考えられます。
熱傷などのない正常な皮膚においても、皮膚が適度に潤っている湿潤状態にある場合には化学熱傷を生じることがあります。また胸膜腔の洗浄にポピドンヨードを使用するとアレルギーによるショック死などの可能性があるため、腹膜や胸膜への使用は避けてください。
首より上の部位の消毒、傷口や粘膜などに使用しないようにしましょう。眼や耳にポピドンヨードが入ってしまった場合、また傷口や粘膜に使用した場合にはアルコールや洗浄剤の毒性があらわれることがあります。
手洗いやうがい、傷口の消毒などに使えるポピドンヨードは、家庭や病院など、さまざまな場所で使われています。使用する際は注意点を考慮し、正しい方法で使うようにしましょう。