塩化ベンザルコニウムってどうやって使うの?使用上の注意点は?

2019/9/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

塩化ベンザルコニウムは病院などで消毒や洗浄をするために使われています。今回は塩化ベンザルコニウムの使い方や注意点などをご紹介します。

塩化ベンザルコニウムってどんなもの?

塩化ベンザルコニウムは、病院などで手や指の消毒、壁や床、家具などの拭き掃除など、さまざまな場面で使われています。無色でほとんど臭いがなく、低刺激であることが特徴のひとつです。また、低価格で、布や金属などを腐食させる心配があまりないといわれています。ただし、細菌の種類によっては効果に差があり、黄色ブドウ球菌やMRSAなどの一般細菌には有効ですが、ウイルスや結核菌などには効果が得られないとされています。

塩化ベンザルコニウムは、主に以下のような場面で使われます。

  • 皮膚や手指の消毒
  • 手術が行われる部位の皮膚や粘膜、傷口などの消毒
  • 感染している皮膚部分の消毒
  • 医療機器の消毒
  • 病室、器具、物品、家具などの消毒
  • 腟の洗浄
  • 結膜全体の洗浄消毒

塩化ベンザルコニウムの使い方は?

塩化ベンザルコニウムの使い方として、主に以下のようなものが考えられます。

皮膚や手指の消毒

まず石鹸で手を十分に洗った後、流水で石鹸をきれいに流しましょう。その後、塩化ベンザルコニウムの0.05~0.1%液(100~200倍希釈液)に浸し、洗った後に布や滅菌ガーゼなどで拭き取ります。

手術が行われる部位の皮膚や粘膜、傷口などの消毒

手術前には5分程度、塩化ベンザルコニウムの0.1%液(100倍希釈液)で皮膚を洗い、塩化ベンザルコニウムの0.2%液(50倍希釈液)を塗りましょう。また、皮膚や粘膜の傷口の消毒や手術部位の粘膜を消毒する際には、塩化ベンザルコニウムの0.01~0.025%液(400〜1000倍希釈液)を使用します。

感染している皮膚部分の消毒

感染している皮膚を消毒する場合には、塩化ベンザルコニウムの0.01%液(1000倍希釈液)が使われます。

医療機器の消毒

10分程度、塩化ベンザルコニウムの0.1%液(100倍希釈液)に浸しましょう。より消毒の効果を得たい場合には、事前に2%炭酸ナトリウム水溶液で洗った後、塩化ベンザルコニウムの0.1%(100倍希釈液)に浸けて15分間煮沸消毒します。

病室、器具、物品、家具などの消毒

塩化ベンザルコニウムの0.05~0.2%液(50〜200倍希釈液)を布につけて拭き取る、または吹きかけて消毒しましょう。

腟の洗浄、膜全体の洗浄消毒

腟洗浄では塩化ベンザルコニウムの0.02~0.05%液(200~500倍希釈液)、結膜嚢の洗浄消毒では0.01~0.05%液(200~1000倍希釈液)が使われます。

塩化ベンザルコニウムを使う際の注意点は?

塩化ベンザルコニウムを使用する際の注意点として、以下のような点が挙げられます。

適用濃度

塩化ベンザルコニウムは、必ず用法・用量で決められた適用濃度を守りましょう。また炎症を起こしている部分や粘膜などに使う場合には、より低濃度に薄めて使用する方がよいと考えられます。腟洗浄など、性器粘膜への使用は濃度を誤って使用したために化学熱傷を起こした事例もあります。誤った濃度で使用した場合には、直ちにシャワーで洗い流してください。ただしこのようなことを防ぐため、希釈済みの製品を買うことが望ましいです。

誤飲

塩化ベンザルコニウムの誤飲によって死亡した事例があります。塩化ベンザルコニウムの10%製品の場合、成人致死量は10~30mLといわれています。ペットボトルなどに移し替えて使うことなどは避けましょう。

皮膚や粘膜への付着

塩化ベンザルコニウムの原液や高濃度の塩化ベンザルコニウムは皮膚や粘膜を刺激する原因になります。原液が皮膚や粘膜に触れた場合には直ちに流水で十分に洗い、適切な処置を行ってください。

希釈液

眼や深い傷口などに使用する場合には、精製水や水道水を使うことは避けましょう。滅菌精製水、または注射用水を使用してください。また主な副作用として、発疹やかゆみなどが挙げられます。このような症状がみられたら、すぐに使用を止めて医療機関を受診しましょう。

おわりに:塩化ベンザルコニウムは適用濃度を守り、注意して使おう

塩化ベンザルコニウムは用法・用量の適用濃度を守らない場合、皮膚や粘膜が必要以上に刺激される恐れがあります。また皮膚や粘膜に原液を付着させないなど、注意しながら使用しましょう。

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