高血糖はなぜ体に悪い?危険度をチェックしてみよう!

2019/8/1

工藤 孝文 先生

記事監修医師

工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来

工藤 孝文 先生

糖尿病や高血糖が体に良くないということは知っていると思いますが、体にどんな悪影響があるか知っていますか?
この記事では高血糖が及ぼす体への悪影響について解説していきます。
糖尿病リスクのセルフチェックリストも紹介していくので、リスクが高めの人は早めに対処をはじめられるようにしてください。

高血糖は体にどんな悪影響があるの?

高血糖をそのままにしておくと体に良くないのは「血管をダメにしてしまう」からです。これはメイラード反応(糖化反応)という反応によって、血管の壁が焦げてしまうことで起こります。

「血管が焦げる」と言われてもピンとこないかもしれませんが、砂糖をたくさん入れた卵焼きが焦げてしまうのと同じことが「糖が多すぎる血管=血糖値が高い血管」でも起こることがわかっています。

高血糖状態を放置すると「血管のお焦げ」がどんどん増えていき、血管の内部もどんどん狭くなっていきます

高血糖の症状とリスク

高血糖であっても、少しお焦げができている程度でははっきりとした症状は出ません。
しかし、お焦げが増えていくにつれ血管の傷みが進み、血管は詰まりやすくなっていきます。
この状態がさらに続くと血管が詰まって血液が流れなくなり、以下のような糖尿病三大合併症を引き起こしてしまうのです。

糖尿病神経障害
手足のしびれや痛み、細胞の壊疽など
糖尿病網膜症
目のかすみや視力低下、飛蚊症、失明など
糖尿病性腎臓病
たんぱく尿、むくみ、尿が出なくなるなど

また、お焦げが増えると脳や心臓の血管も狭くしてしまいます。高血糖は糖尿病三大合併症だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす原因にもなります。

このような深刻な病気にならないようにするためにも、血糖値を下げて血管の健康を保つことが大切なのです。

糖尿病になりやすいかどうか危険度をチェックしてみよう!

高血糖の状態が続いて「常に高血糖」と認められるようになると「2型糖尿病」と診断されます。

糖尿病になると

  • のどが渇く
  • 手足がしびれる
  • 目がかすむ
  • トイレの回数が増える
  • 傷が治りにくくなる

などの症状が現れるようになり、厳しい食事管理と生活管理をしなければいけなくなってしまいます。

大切なのは糖尿病になってしまわないうちに事前に対策をとることです。

糖尿病危険度チェックを紹介するので、危険度が高い人は早めに血糖値コントロールの対策を始めましょう。

年齢
  • 40歳未満(0点)
  • 40歳〜49歳(1点)

年齢が高いほうが糖尿病リスクが高いです。

性別
  • 男性(1点)
  • 女性(0点)

女性より男性のほうが糖尿病になりやすいといわれています。

妊娠時の糖尿病歴(※女性のみ)
  • あり(1点)
  • なし(0点)

妊娠糖尿病になったことがある人は、糖尿病のリスクが高いといわれています。

親や兄弟に糖尿病がいる
  • はい(1点)
  • いいえ(0点)

糖尿病には遺伝的な要因があり、両親や兄弟が糖尿病の人はリスクが高くなります。

高血圧
  • はい(1点)
  • いいえ(0点)

血圧が高いと血管にお焦げができやすいので注意が必要です。

体をよく動かす
  • はい(1点)
  • いいえ(0点)

運動習慣がある人や活動的な人のほうがリスクが低いです。

BMI :体重(kg) ÷ [身長(m) × 身長(m)
  • 標準22以下(0点)
  • 23以上(1点)

肥満の人は糖尿病のリスクも高血圧のリスクも高くなります。

チェックの結果が5点以上になった人は糖尿病のリスクが高めということになりますので、早めに対処を始めましょう。

太っているとなぜ高血糖になりやすいの?

  1. 食事をする
  2. 血液中のブドウ糖が増える
  3. 膵臓のβ細胞がインスリンを分泌する
  4. ブドウ糖が利用されるのをインスリンが助ける
  5. ブドウ糖が使われて血液中のブドウ糖が減り、血糖値が下がる

血糖値はインスリンの働きにより、上のような流れで調節されていきます。
インスリンは各細胞のドアをたたき「糖がありますよ。いかがですか?」と売り込むサラリーマンのような存在です。

脂肪(とくに内蔵脂肪)がつきすぎると、せっかくインスリンが「糖がありますよ」と売り込みきても、受けとらない細胞が増えてきます
しだいに肝臓(ブドウ糖をグリコーゲンに変え蓄える働きがある)もインスリンの売り込みを無視して糖を受けとらなくなるので、血液中のブドウ糖はさらに増え続け高血糖になってしまうのです。

このようにインスリンが無視される(インスリン作用が弱まる)ことを、医学的にはインスリン抵抗性と呼びます。
内蔵脂肪のつき過ぎがなぜインスリン抵抗性を高めるかははっきりわかっていませんが、内臓脂肪を減らせばインスリンが作用しやすくなり、血糖値が下がりやすくなることがわかっています。

つまり、高血糖を防ぐためには「糖のとりすぎを避ける」だけでなく、太りすぎないように気をつける必要があるのです。

おわりに:血管の若さを保つためにも高血糖には注意しよう!

医学の格言に「人は血管ともに老いる」というものがあります。
若さを保ち健康を保つためには血管の健康に気をつかう必要があり、そのためには高血糖にならないための対策が必要です。
糖尿病のリスクが高めの人は意識して糖分を減らすように心がけ、内臓脂肪を増やさないように生活習慣を見直しましょう。

※この記事は工藤孝文先生の著書「リバウンドしない血糖値の下げ方」を一部編集し、工藤先生の監修のもと発表しています。

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