記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2023/11/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
片頭痛は一般的な慢性頭痛であり、命に関わる頭痛ではありませんが、症状がひどい場合は日常生活や仕事に支障をきたすこともあります。定期的に脈打つような頭痛を感じることがある人は片頭痛かもしれません。この記事では、片頭痛を引き起こす「きっかけ」や痛みが出たときの対処法、予防対策について解説していきます。
片頭痛とは、病気を原因としない慢性的な頭痛のことで、脈打つようにズキンズキンと発生し、動くと悪化する痛みが特徴です。
痛みの発生場所は、頭の片側の人が約6割、両側の人が約4割とされていて、男性よりも女性に多くみられるといわれています。これは片頭痛を引き起こすきっかけに、月経や出産など女性特有の状態が含まれていることが関係しているかもしれません。
片頭痛の原因ははっきりとは解明されていませんが、痛みを誘発するきっかけとして以下が挙げられます。
このような何らかのきっかけによって脳の視床下部が刺激されて血管が拡張することで、片頭痛が引き起こされると考えられています。視床下部とは、女性ホルモンの分泌や自律神経、睡眠、食欲などを司っている部位です。
片頭痛が出たときは、冷やすことで痛みを緩和できます。なお、片頭痛は温めると血管がさらに拡張することで、痛みが悪化する可能性があります。片頭痛の痛みが出ているときに入浴、運動、マッサージなどをすると、悪化することがあるのでおすすめしません。片頭痛が出たときは、以下のように対処しましょう。
片頭痛があらわれたらまず安静にしましょう。まぶしさや強いにおいが気にならない場所で休息をとってください。できれば短時間でもいいので睡眠をとるのがおすすめです。睡眠することで拡張した血管が元に戻り、片頭痛が和らぎます。横になるのが難しい場合は、椅子に座って安静にするだけでも症状が軽くなることがあります。
片頭痛は、冷やすと痛みが緩和されます。保冷パックや氷枕を敷いて安静にしたり、濡れタオルを額に当てましょう。保冷パックや氷枕はタオルで巻くなどして、冷えすぎないようにしてください。
トリプタン系薬剤は脳の血管に作用し、拡張した血管を元に戻します。顔の感覚を脳に伝える三叉神経は神経ペプチドを放出しますが、トリプタン系薬剤は神経ペプチドの放出を抑え、三叉神経が受けた刺激の情報が脳に伝達されるのを防ぎます。
片頭痛を予防するには、痛みを引き起こすきっかけを避けたり、生活習慣を見直したりすることが役立ちます。
光や音によって片頭痛が引き起こされる場合、そういった環境を避けるようにしてみてください。避けるのが難しいときはサングラスや耳栓を使用するなど、刺激を和らげるのがおすすめです。
片頭痛はホルモンや自律神経と関連があると考えられています。バランスを崩すような「生活習慣の乱れ」を見直しましょう。過労、過度のストレス、アルコールの摂り過ぎ、同じ姿勢を長時間続けるなども原因になる可能性があるため注意してください。
寝不足や寝過ぎは片頭痛を引き起こす可能性があります。質の高い睡眠をとれるように睡眠環境を見直し、十分に休息をとることを習慣にしましょう。
血管を収縮させる特定の食べものを摂ることで、片頭痛が引き起こされる場合があります。チーズやチョコレートなどはチラミンやポリフェノールを含みます。これらの物質は血管を収縮させる作用があり、その作用が切れたときに血管が急に拡張して片頭痛を引き起こす可能性があります。
片頭痛を予防する薬が複数あります。ただし、予防薬には医師の処方が必要であり、効果があらわれたかどうかを判断するには少なくとも2か月かかります。
片頭痛は原因が判明していませんが、光や音などの環境要因、寝不足などをきっかけに発生すると考えられています。痛みを予防するためには、自分の片頭痛を引き起こすきっかけを避け、生活習慣などを見直すことをおすすめします。痛みが発生したらまずは安静にして休息をとり、温めるのではなく冷やすようにしましょう。