記事監修医師
工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来
工藤 孝文 先生
毎日の残業や夜更かしの習慣で、ついつい寝不足になりがちだったり、深夜のおやつタイムがやめられなかったりしませんか?
でも、この習慣を続けていると、今以上に太りやすくなってしまうかもしれません。
「上手に寝て上手に食べる」コツを紹介していきますので、この機会に太りにくい習慣を身につけてください。
「寝不足だと太りやすくなる」という話を聞いたことはありませんか?この話、実はその通りなんです。寝不足は肥満の原因の一つと考えられています。これには、体内の下記の2種類の食欲関連ホルモンが関係しています。
睡眠が不足すると、食欲を抑えてくれる「レプチン」の分泌量が減少し、食欲を増進する「グレリン」の分泌量が増えます。すると食欲が増すことで食事量が増えしまい、その結果として太ってしまうことがあるのです。
どのくらいの時間寝たほうがいいかについては年齢などで個人差はありますが、7時間前後の睡眠を毎日とることが理想とされています。
晩ご飯をちゃんと食べても、寝る前に「なんか小腹が減ったな~。おやつを食べちゃおう!」ってなること、ありますよね?
これもよく聞く話だと思いますが、夜遅い時間の間食も太る原因です。とくに夜10時~深夜2時は、食べ物の吸収効率がアップする「魔の時間帯」と呼ばれていますが、この背景には「時計遺伝子」が関係しているといわれています。
時計遺伝子は睡眠のタイミングをコントロールする働きがあり、「BMAL1(ビーマルワン)」というタンパク質を作る働きもあると考えられています。
BMAL1には、以下の働きがあります。
BMAL1には体の脂肪を溜め込みやすくする作用があるとされていて、BMAL1の量は夜10時以降~深夜2時にかけてピークを迎えます。この考え方からみても、夜10時以降~深夜2時は吸収効率が高く、太りやすい時間帯といえるでしょう。
上記で説明してきたように、寝不足や夜遅くのおやつはダイエットの天敵です。ダイエットを成功させるためは、寝るときのコツと食事を摂るときのコツがあるので、以下で紹介していきましょう。
先ほどご紹介したBMAL1のメカニズムから、夜10時以降のおやつや夜食は太る原因になります。夕食は、遅くとも午後9時までに済ませましょう。
BMAL1の量が最も少ない時間帯はお昼の2~4時です。「どうしてもおやつが食べたい!」「夕食にドカ食いしてしまう」という人は、この時間帯に食べるようにしましょう。
夜に小腹が減るのは、本能が関係しているという説があります。これは、まだ人間が自然の中で暮らしていた大昔では「夜は天敵に襲われる危険な時間帯」であり、不安やストレスを感じやすかったということが関係しているといわれています。
その名残からか、今も人間は夜遅くになるとリラックスするために何かを食べたくなってしまうと考えられています。小腹が減りやすい夜10時より前に、早めに寝てしまえばお腹がすくこともありません。就寝時間を早められるようなら、夜10時前に寝るようにしましょう。
カフェインには覚醒作用があるので、ある意味「カフェインは睡眠の天敵」ともいえます。
緑茶はお湯よりも、水出し緑茶の方がカフェインの抽出量を抑えることができます。
また、緑茶に含まれるテアニンやカテキンには、それぞれ以下の作用があるため、ダイエットの助けになるかもしれません。
「寝不足だと太りやすくなる」「深夜のおやつはNG」という話には、ご紹介したような理由があります。
以上の対策で生活習慣を見直し、太りやすい習慣を改善を目指しましょう。
※この記事は工藤孝文先生の著書「疲れない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える – (美人開花シリーズ)」を一部編集し、工藤先生の監修のもと発表しています。