痰がからんだときに処方されるムコダイン®ってどんな薬?

2019/10/9

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

のどに痰がからみ、発声や声に問題が出るような症状には「ムコダイン®」というお薬が処方されるのが一般的です。今回はムコダイン®というお薬について、その作用や特徴、よく使われている薬のタイプや、使用上の注意点・副作用のことまで解説していきます。

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ムコダイン®ってどんな薬?

ムコダイン®は、カルボシステインを主成分として作られている薬です。具体的な製品名としては「ムコダイン®錠」「ムコダイン®DS」などがあり、粘膜・粘液の細胞を修復したり、鼻やのどの粘膜についた粘りや膿を取り除く作用があるため、主に去痰薬としてのどの病気の治療薬として処方されます。

耳鼻咽喉科・内科・小児科などで、風邪や上気道炎、気管支炎、喘息などののど・気管支の病気や、膿を伴う中耳炎などの治療に使われることが多いです。

薬の形状としては、錠剤の他にシロップ、粉薬状の細粒などもあります。
このため、用途や患者の年齢・状態などによって、形状を使い分けるのが一般的です。

ムコダイン®服用時の注意点は?

以下に、ムコダイン®を服用・使用する上での注意点をご紹介します。

  • 症状や薬のタイプによって適切な用法・用量が異なる
  • 肝臓病のある人、肝臓の弱い人へは検査のもと慎重に用いるべきとされる
  • 持病によっては使用が難しい場合もあるため、持病の有無は必ず医師に申告する
  • 薬の服用だけで痰の切れが良くならない場合は、水分を摂取する

ムコダイン®で副作用が起こることは?

ムコダイン®は比較的副作用のリスクの少ない、安全なお薬だと言われています。しかし、人によっては使用・服用により以下のような副作用を起こすリスクがあります。

ムコダイン®によって起こる可能性がある一般的な副作用
  • 食欲不振・下痢などの消化器症状や、皮膚の発疹
ムコダイン®によってまれに起こり得る重篤な副作用
  • 発疹や水膨れ、膿、ただれ、かゆみ、発熱、赤みなどを伴う皮膚症状
  • 唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、全身の倦怠感などを伴う粘膜障害
  • 倦怠感、食欲不振、発熱、吐き気、発疹、かゆみ、黄疸などを伴う肝機能障害
  • めまいいや冷や汗、呼吸困難、しびれや意識の混濁などを伴うアナフィラキシー様のアレルギー症状

アナフィラキシーショックなど、仮に重篤な副作用に見舞われた場合、最悪の場合は死に至る可能性も考えられます。ムコダイン®の使用後に副作用を疑うような症状が現れたら、できるだけ早く医師または薬剤師に連絡してください。

おわりに:ムコダイン®は膿の除去や粘膜修復の作用がある、去痰剤の一種です

カルボシステインを主成分とするムコダイン®は、風邪や気管支炎、中耳炎などによる粘膜の炎症を抑え、膿や痰を除去する作用のある薬です。錠剤を中心にシロップ、粉薬とさまざまな形状のものがあり、患者の年齢や状態、嚥下能力などによって医師の判断で使い分けられています。持病の有無についてあらかじめ報告し、医師に指示された用法・用量を守って使用する分には、重篤な副作用が現れることはほとんどありません。

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