記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/10/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
怪我をした、感染症になった、骨折したなど、痛みや腫れが出る原因はさまざまです。もちろん、怪我の傷口や感染したウイルスなど、根本的な原因を治すことは大切ですが、そもそも今出ている痛みや腫れそのものが辛いという場合、鎮痛薬を使うことがあります。
セレコックス®︎は、そうした鎮痛薬の1つです。この記事では、セレコックス®︎がどう作用するのか、副作用はあるのか、飲むときの注意、などをご紹介します。
セレコックス®︎は、炎症や痛みを引き起こす「プロスタグランジン」という物質の合成を抑えることで、炎症をしずめ、腫れ・発赤・痛みなどの症状を軽減します。あくまでも症状に対する対症療法薬であり、症状を引き起こした原因そのものを治療するための薬ではありません。
セレコックス®︎が適応となる疾患や症状には、以下のようなものがあります。
従来の痛み止めと比べ、胃や腎臓などの調整に関わる物質にはあまり影響しないことから、胃腸障害や腎障害などの副作用は軽減すると期待されますが、一方で、長期間続けて使用すると心筋梗塞や脳卒中の発現リスクが高まる可能性があることから、心血管系への悪影響があるのではないかと懸念されています。
セレコックス®︎は、前述のように胃腸障害系の副作用は他の鎮痛薬と比べて少ないと言えます。しかし、あくまでも他の鎮痛薬よりも少ないというだけで、全く影響がないわけではありませんから注意は必要です。人によっては胃潰瘍・胃出血など、重い胃腸障害を引き起こす危険性が全くないとは言いきれません。
そのほか、軽い副作用には以下のようなものがあります。
これらの副作用はそれほど多くはありませんが、もともとアレルギー体質の人や、喘息に罹患している人は気をつけましょう。腎機能障害・肝機能障害も少ないものの、全くないわけではありませんので、高齢者などでこれらの臓器の機能がもともと低下傾向にあるという人は、とくに注意が必要です。
重い副作用はめったにありませんが、以下のような疾患が懸念されます。初期症状かもしれないと思われることがあれば、注意して観察しましょう。
また、長期間服用していると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるとされているため、もともと心血管系に持病のある人や高齢者では、念のためこれらの副作用によく注意しておきましょう。
セレコックス®︎は前述の通り、他の鎮痛薬と比べて胃腸系の副作用が少ないとはいえ、全くないわけではありません。また、食べ合わせや飲み合わせにもある程度注意する必要があります。主に気をつけるべきなのは、以下のようなポイントです。
心血管系や腎機能・肝機能に何らかの障害がある場合は、セレコックス®︎の服用に適さない場合があります。しかし、胃腸など消化管障害の場合は疾患・症状にもよりますが、胃薬と併用することもありますので、医師とよく相談しましょう。また、高齢で全身の臓器の機能が低下している人も副作用が出やすいと推測されるため、慎重に使われます。
他の薬剤との飲み合わせにも十分注意が必要なため、服用中の薬があれば痛みや腫れと直接関係がなくても必ず医師に伝えましょう。生活上では、副作用として眠気やぼんやりするなどの作用が出やすいため、自動車の運転や機械の操作などは慎重に行う必要があります。また、薬の飲み忘れに気づいたときは、すぐに1回分を飲みます。ただし、2回分の服用を避けるため、服用間隔が短くなった場合は1回飛ばして飲むようにしましょう。
セレコックス®︎は、怪我や疾患の原因そのものを治療するわけではなく、炎症や痛みを引き起こす「プロスタグランジン」という物質の合成を抑え、一時的に症状を軽減するための対症療法薬です。
他の鎮痛薬と比べ、胃腸に作用しにくいことから悪影響も少ないと期待されていますが、長期間服用すると心血管系疾患のリスクが高まることが懸念されています。これらの臓器の機能がもともと低下している人などは、とくに注意しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。