肥満の人は必見! 膝の痛みから解放されるための対策

2017/2/17

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

体重が重い人、肥満の人は膝を痛めることが多いですよね。相撲の世界でも、膝のケガで休場する力士はたくさんいます。体重が重いと、どうしても下半身にかかる負荷が大きくなってしまいます。
この記事では、膝の痛みを軽減するためのポイントを紹介していきます。

膝にかかる負担の大きさ

体重の重さはそのまま膝への負担の大きさに比例するものです。そして、負担が大きければ膝を痛める確率も高まるということです。すなわち、肥満ということはその可能性が非常に高まります。ただ、肥満の人の全員が膝を痛めるというわけではありません。

体重≠膝の負担?

膝へかかる負担は、階段を下りるときには、体重の約7倍の重さが膝にかかります。50kgの人であれば350kg、100kgの人であれば700kgの重さが膝にのしかかってきます。
また、普通に歩くだけのときでも、膝には体重の3倍の重さがかかってきます。
体重50Kgの人であれば150kg、100kgの人だったら300kgです。この重さ分の負担が膝にかかっていることを考えると、歩いたりするのが嫌になってしまいそうですね。やはり体重を落とすことが必要になってきます。

肥満で膝が痛い人のためのトレーニング

膝の痛みを訴えて病院に行くと必ず体重を落とすように指示をうけるでしょう。でも痩せようと思っても、膝を痛めてしまっている状態では、運動することもままならないはずです。

運動ができないことで、さらに体重が増えてしまう…。これは悪循環でしかありません。
しかし、何もできないわけではありません。膝の痛みがでない運動をすればいいのです。膝の痛みが少ないものとして、以下の運動を参考にしてみてください。

1.ストレッチ
足を伸ばして床に座り、膝のお皿を上下左右に5秒ずつ動かしましょう(×3~5回)。足が伸ばせない人は膝の下にクッションなどを置いて下さい。その後、ゆっくりと前屈をして、ももの裏の筋肉を伸ばして下さい。痛いと思う寸前で止めて10秒数えます(×3回)。この運動は、お風呂で膝を温めてから行うと効果的です。

2.関節運動
椅子に座って、足を前後左右に動かします。
もうひとつの方法は、お風呂の中で、浴槽につかまってゆっくり足でお湯をかき回すように動かしていくものです。

3.筋力トレーニング
椅子に腰かけるか足を伸ばして床に座り、膝の間にボール(バレーボールやビーチボール)を挟みます。足に力を入れてボールを5秒間つぶしてから、ゆっくりと緩めます(×10回)。
次に、立った姿勢でテーブルなどにつかまって、膝にボールを挟んだ状態で軽く膝を曲げ伸ばしします(×10回)。

4.ウォーキング( 痛みが出ない程度に20~30分)
1~3を数日間行ったあと、痛みが強くならない程度に少しずつ歩きます。個人差があるので、最初は無理なく続けられる程度の時間や距離から始めて下さい。靴はウォーキングシューズを履くことで膝への負担が少し軽減されます。
これは、20~30分歩けることを目標に取り組みましょう。
この時間が歩けるようになることで有酸素運動による脂肪の燃焼効果が期待できます。

5.水中ウォーキング
膝への負担も軽く、さまざまな部分の筋肉を均等に鍛えることができるため、最も効率的かつ効果的な運動です。前歩き、うしろ歩き、横歩きなどを行って下さい。最初はムリない程度ではじめていき、少しずつ増やして20分~30分行えるようになることを目標にして下さい。

普段から気をつけることは?

あぐらをかく、正座する、しゃがむといった動作は、膝を深く曲げる動作になるので、関節に大きな負担がかかります。動作に応じて、正座補助具や椅子、洋式トイレ、ベッドを使用してみてください。負担を軽減することができるでしょう。また、階段の上り下りは1段ずつ行うようにしてください。その際、上りでは痛みの少ない方の足から、下りは痛みの強い方の足から先に下りましょう。
外出の際には、荷物は、できるだけカートなどのキャスターつきバックを使用することで、負担は軽減できます。

将来的には減量も計画しましょう!

膝が痛くて歩けなくなると、減量も難しくなります。ムリのないトレーニングからはじめて、膝を動かしやすくなるように鍛えてください。でも、やはり体重が重いと膝の痛みは繰り返してしまう可能性があるので、膝の痛みが治ったら減量も検討してみてください。

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