花粉症のときによく聞くアレグラ®︎ってどんな薬?

2020/2/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

くしゃみや鼻水など花粉症の辛いアレルギー症状は薬で緩和させることがあります。薬を服用するときは、患者さん本人が薬のことをきちんと理解することが大切です。この記事では「アレグラ®︎」という抗ヒスタミン薬について、効果や副作用、服用時の注意などを紹介します。

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アレグラ®︎ってどんな薬?

アレグラ®︎はアレルギーの症状を抑える抗ヒスタミン薬です。アレルギー発症にはヒスタミンという体内物質が関わっており、アレグラ®︎はヒスタミン受容体の働きを抑えてアレルギー症状を緩和します。ただしアレグラ®︎は対症療法薬ですので、アレルギーそのものを治す薬ではありません。

アレグラ®︎は下記のようなアレルギー症状に効果を持ちます。

  • 花粉症などで発生する季節性アレルギー性鼻炎
  • ダニやハウスダストで発生する通年性アレルギー性鼻炎
  • じんましん
  • 発疹、かゆみ

第1世代と比較したアレグラ®︎の特徴

アレルギー症状に処方される薬はさまざまですが、アレグラ®︎は第2世代の抗ヒスタミン薬に分類されます。第1世代薬と比較するといくつかの特徴が挙げられます。

  • 抗コリン作用が弱くなり、口の渇きや排尿障害などの副作用がほとんどみられない
  • 非鎮静性のため、眠気の副作用がほとんどみられない
  • 旧来品のテルフェナジン(トリルダン)を改良し、心臓への負担がなくなった
  • 効き目は比較的速く、持続時間が長い

アレグラ®︎服用中に起こり得る副作用は?

アレグラ®︎は従来のヒスタミン薬に比べると、眠気などの副作用が起こりにくい薬です。しかし副作用の可能性がまったくないわけではありません。服用後は眠気が出る可能性を考慮し、車の運転などを避けましょう。

また、まれに重い副作用がが出る場合もあります。服用後に異変を感じたときは、医師または薬剤師に相談してください。

主な副作用
頭痛、眠気、吐き気など
重い副作用
  • アナフィラキシーショック(息苦しさ、めまい、冷や汗、顔面蒼白、手足の冷え、しびれ、じんましん、全身発赤、顔や喉の腫れ、血圧低下)
  • 肝臓の症状(黄疸、茶褐色の尿、だるさ、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ)
  • 無顆粒症状
  • 白血球減少

アレグラ®︎服用時に気をつけるべきポイントは?

アレグラ®︎は治療中の病気、体の状態などによって使用に注意が必要です。医師と薬剤師に相談のうえ、用法用量を守りましょう。持病やアレルギー、服用中の薬がある人は必ず医師と薬剤師に伝えてください。

使用可能な人でも飲み合わせや食べ合わせによっては体に悪影響を及ぼす可能性があります。特に抗生物質のエリスロマイシン(エリスロシン)との併用には注意してください。服用中の薬の名前を正確に覚えることは大変ですので、おくすり手帳やアプリなどご自身の負担が軽い方法で管理しておくと安心です。小さな子供や介護が必要な人の薬の服用については、周囲の人が適切に管理することをおすすめします。

花粉症への効果が出るまで

アレグラ®︎は比較的即効性が高く、短時間で効き目を感じやすい薬といえます。しかし十分な効果があらわれるまでには数日かかると考えておきましょう。

花粉症の治療では花粉が飛び始める前から服用を開始することもありますので、医師の指示に従って服用を始め、服用期間は医師と相談しながら決めましょう。

おわりに:アレグラ®︎は効き目が速く副作用が小さめ。用法用量を守って上手に付き合いましょう

アレグラ®︎は従来の抗ヒスタミン薬と比較して、効き目の速さ、副作用の小ささなどメリットがある薬です。ただし副作用がないわけではありませんので、服用時に体に異変が現れた場合は医療機関に相談しましょう。

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