サインバルタ®︎が処方されるのはどんなとき?副作用や注意点は?

2019/11/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

なんだか憂うつで気分がふさぎこむことが続いたら、うつ病を発症している可能性があります。うつ病には薬物治療を行うこともありますが、薬の種類はさまざま。この記事ではサインバルタ®︎とはどんな薬なのか効果や副作用、用法用量などを紹介します。

サインバルタ®︎ってどんな薬?

サインバルタ®︎はうつ病やうつ状態の治療で処方される薬で、憂うつな気分を和らげる効果を持ちます。うつに対する効果のほか特定の痛みにも有効です。うつ病の第一選択薬、またはほかの抗うつ薬を使用したあとの第二選択薬として処方されます。

うつ病またはうつ状態への効果
気分が落ち込む、悲観的になる、意欲低下、集中力低下、不眠、不安、緊張などの精神面の不調を和らげ、気分を前向きにしたり意欲を高める作用が期待されます。
特定の痛みへの効果
糖尿病性神経障害でみられる慢性疼痛に対して、国内外で第一選択薬として処方されています。高血糖のために神経細胞の働きに異常が発生すると、手足のしびれや痛みがあらわれます。サインバルタ®︎を服用することで、疼痛の軽減が期待されます。

上記のほか、慢性腰痛症、変形性膝関節症、線維筋痛症への効果が追加承認されています。

従来の抗うつ薬との比較

効果
効き目が比較的穏やかで、代謝と排泄がゆっくりなされます。1日1回の服用で効果が期待されます。サインバルタ®︎は、国内2番目であるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)で、セロトニン系とノルアドレナリン系の神経のみに働きかけます。
副作用
口の渇きや便秘などの副作用が従来と比較して軽減されています。ただし治療効果には大きな差はみられません。
類似薬
ミルナシプラン(トレドミン)、ベンラファキシン(イフェクサー)

サインバルタ®︎にはどんな副作用があるの?

サインバルタ®︎の服用を始めたら、服用時期ごとに注意が必要です。異常を感じたらすぐに医療機関を受診してください。
サインバルタ®︎を服用中に副作用があらわれた場合、経過観察が基本的な対処法となります。なぜなら薬物治療を続けるとともに症状が治まる傾向が高く、様子をみることが大切だからです。副作用がひどく感じられる場合は、医師に相談しましょう。

飲み始めの時期
サインバルタ®︎の服用によって中枢神経系が刺激されると賦活症候群(アクチベーションシンドローム)を引き起こし、下記の精神状態を招くことがあります。

  • 気分が高揚し、躁状態になる
  • 不安や焦りが高まり、衝動的になる
  • 自殺企図をする
服用中にあらわれやすい副作用
  • 下痢、吐き気など胃腸障害
  • 眠気、頭痛、浮動性めまいなどの中枢神経系症状
  • 性欲減退、ED、排尿障害など性機能障害
  • そのほか(悪性症候群、セロトニン症候群、けいれん、SIADH、重症薬疹、、肝臓機能低下、腎臓機能低下、出血傾向、緑内障、不整脈)
減薬中
サインバルタ®︎は状態によって薬を減量していきますが減薬期間は離脱症状に気をつけてください。離脱症状ではめまい、発汗、ふるえ、吐き気、耳鳴り、手足のしびれなどがあらわれます。体がサインバルタ®︎に慣れたときに急激な減量を行うと心と体に不調を招いてしまいますので、医師の指示を守って少しずつ減量していきましょう。

サインバルタ®︎を服用する際の注意点は?

サインバルタ®︎は既往歴や体の状態、服用中の薬の有無によって用法用量を正しく見極めることが大切です。

医師に必ず伝えること

  • 持病やアレルギーを持っている
  • 2週間前から現時点までに服用している薬の種類
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある

服用中も下記に当てはまる人は症状の悪化に注意を払いながら、医師と相談のうえ服用量を決めてください。

  • 肝臓に疾患がある
  • 腎臓に疾患がある
  • 心臓に疾患がある
  • 前立腺肥大などで尿が出にくい
  • 緑内障
  • 躁うつ病
  • てんかん
  • 高血圧
  • 子供または24歳以下の成人

注意する薬の飲み合わせ

パーキンソン病治療薬のセレギリン(エフピー)とラサギリン(アジレクト)は、サインバルタ®︎との併用が禁止されています。作用が重なり、セロトニン症候群を発症するおそれがあります。
服用する場合でも一定期間の間隔を空けることが必要です。危険な状態を招くリスクを避けるためにも、服用中の薬の種類はすべて医師に伝えてください。

おわりに:サインバルタ®︎で心の不調を軽減。ただし飲み合わせには要注意!

サインバルタ®︎は従来の抗うつ薬と比較して副作用のリスクが低い薬です。ただし、病院を受診したときは現在服用中の薬の種類をすべて医師に伝え、危険な副作用があらわれないように気をつけましょう。

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