記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/12/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
年齢を重ねると脳が老化するため、どうしても忘れっぽくなります。でも徐々に進行し、日常生活に支障をきたすような物忘れには、病気が潜んでいるかもしれません。今回は、物忘れについて検査・治療対応してくれる「物忘れ外来」がどんなところか、受診の流れや注意点と合わせ解説します。
物忘れには、大きく「加齢によるもの」と「病気によるもの」の2種類があります。加齢による年齢相応の物忘れと、認知症などの病気が疑われる物忘れの特徴は、それぞれ以下の通りです。
上記のうち、病気が原因と疑われる物忘れの症状に複数当てはまる場合は、認知症や脳疾患の可能性も考えられます。
物忘れ外来は、認知症や脳疾患など病気による物忘れ・記憶障害のための専門外来です。主に総合病院などの大規模な医療機関に併設されており、認知症を専門分野とする神経内科や精神科の医師、または臨床心理士が診察対応してくれます。
物忘れ外来は、日常生活に支障をきたすほどの物忘れが見られ、認知症発症が疑われる家族のために、まず相談・受診すべき外来機関です。なお、物忘れ外来は、認知症が疑われる本人や家族のかかりつけ医、またはお住まいの地域の福祉科、地域包括センターなどの窓口で紹介してもらうとスムーズに受診できます。
物忘れ外来を受診した場合の一般的な検査の流れをご紹介します。
まずは応対してくれる医師、または臨床心理士から本人と家族に対し以下内容の質問をして、患者の状態や認知症の疑いの程度を探っていきます。
なお、問診時には本人が答えられないことや客観的に見た状態を知るため、必ず家族の同伴が必要になります。
次に患者本人、そして臨床心理士の2人のみで個室に移り、1時間ほどかけて知的機能・認知機能・記憶力・実行機能を確認するためのテストを実施します。認知症かどうかを確認するためのこのようなテストを、神経心理学検査と言います。
最後にMRIで脳を撮影し、脳に萎縮や出血がないかどうかを確認していきます。このとき、MRIと一緒に胸部レントゲンや脳波測定、血液検査なども一緒に行うのが一般的です。
上記問診・検査を一通り終えたら、当日または後日に医師から結果の説明を受け、今後の治療方針を決めていく流れになります。なお検査結果が不明瞭だった場合は、時間を空けて再検査になるケースもあります。
認知症の疑いのある家族を物忘れ外来に連れて行くときは、本人の普段の言動をよく観察して、以下の内容を説明できるようにしておきましょう。
また、本人が慣れない医師や医療機関に緊張してしまうと、正しい検査結果が得られない可能性が高くなります。本人がリラックスした状態で臨めるよう、性格に合わせて連れ出し方や検査中の声掛けも工夫してください。
物忘れ外来は、認知症や脳疾患など病気が原因で起こる物忘れ、記憶障害を診察・治療してくれる専門外来です。主に総合病院などの大きな医療機関に併設されていて、かかりつけ医や地域の福祉窓口からの紹介を受けることで、スムーズに受診できます。受診時には、客観的に見た症状や状態を知るため、本人だけでなく家族の同伴も必須となります。日常生活に支障をきたすほどの物忘れ症状が見られたら、物忘れ外来を受診しましょう。