赤ちゃんも切れ痔になることがある?なったときのケア方法と予防のポイントは?

2023/11/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

切れ痔は、便の硬さや勢いが原因で肛門付近の皮膚が切れてしまう疾患ですが、赤ちゃんが発症するケースもあることをご存知でしょうか。今回は赤ちゃんが切れ痔を発症する原因と適切なケア方法、再発予防のための「便を柔らかくする方法」まで、赤ちゃんの切れ痔について解説していきます。

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おむつに血のようなものが…切れ痔が原因かも?

離乳食が始まると、赤ちゃんの便はだんだん大人とおなじような硬さになっていきます。ただ、赤ちゃんの肛門の皮膚は大人に比べてまだまだ薄く、切れやすい状態のため、大人のような硬い便に肛門の皮膚や粘膜が耐えられず、切れ痔になってしまうことがあります。おむつや排便時の赤ちゃんに以下のような変化が見られたら、切れ痔になっている可能性があります。

  • おむつ替えのとき、おむつに血が付いている
  • うんちのときにいつも嫌がる、痛がる様子が見られる
  • うんちの度に、痛みで赤ちゃんが泣いている
  • おむつ替えやうんちのときにお尻を見ると、赤ちゃんの肛門が腫れている

赤ちゃんの切れ痔はどうやってケアすればいいの?

赤ちゃんが切れ痔になってしまった場合は、まずはうんちをした後のおしりの拭き方を変えましょう。おしりふきやトイレットペーパーでお尻を拭くと摩擦で痛がることが多いので、洗面器に張ったぬるま湯や石けん水で、うんちをやさしく洗い流すようにしてください。

うんちが残らないようお尻をきれいにしたら、肛門を少し広げ、切れているところにワセリンを塗って保護してあげます。ワセリンの代わりに、痔の治療薬として使われている痛み止め入りの軟膏薬を、小児科の医師に処方してもらって使うのも良いでしょう。

上記の通り適切にケアしても、切れ痔の症状と痛みはしばらく続きます。痛がるのをみるのは辛いものですが、少しずつよくなりますので、地道にケアをしてあげましょう。

赤ちゃんの切れ痔予防 ― 便を柔らかくする対策は?

切れ痔の悪化や再発防止のために、便を柔らかくすることが大切です。便秘になり、便が固く切れ痔を起こしやすい状態にならないよう、普段から食物繊維を多く摂らせて便秘解消を促しましょう。

食物繊維は野菜や果物のほか、海藻類やキノコ類、穀類に多く含まれています。野菜やキノコ類はスープやひじき煮に、海藻類はみそ汁やサラダ以外にも寒天にするなどして、赤ちゃんが食べやすいように工夫しましょう。また、麦芽糖から作られる水あめのような甘さのある液体「マルツエキス」も、赤ちゃんの便秘解消によく利用されます。本人の好き嫌いにあわせて食事を工夫し、赤ちゃんの便を柔らかくして便秘と切れ痔を解消・予防しましょう。

おわりに:皮膚と粘膜が柔らかい赤ちゃんは切れ痔になりやすい。肛門の保護と便秘解消のための対策をしよう

離乳食が始まって大人の便に近づく一方で、まだまだ皮膚や粘膜が柔らかく傷つきやすい赤ちゃんは、切れ痔になりやすいです。おむつに血が付いていたり、排便時に痛がったり泣いたりするようなら、切れ痔が原因かもしれません。うんちの後は水洗いでお尻をきれいにし、切れているところにワセリンなどを塗って保護してあげましょう。あわせて便が固くならないよう、本人の好みを考慮した食事内容の工夫もしてあげてください。

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