記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/12/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
生後間もない赤ちゃんにおりもののようなものがみられることがあります。病院の受診や治療が必要なのかと心配になるかもしれませんが、これは「新生児帯下」と呼ばれるものです。この記事では新生児帯下が発生するメカニズム、病気の可能性がある場合との見分け方について紹介します。
生まれたばかりの女の子の赤ちゃんの外陰部(大陰唇、小陰唇、会陰)に、新生児帯下と呼ばれるおりものがよく見られます。これは、母親の女性ホルモンが胎盤を通過して赤ちゃんの体内に移行することで、新生児帯下が発生すると考えられています。新生児帯下が発生するのは正常な反応で、治療の必要はありません。
子宮頸管内膜や腟の上皮細胞から分泌される粘液と剥離した上皮細胞が新生児帯下です。最初は透明で、生後2~3日経つと次第に乳白色に変化します。生後1週間くらい経つと、子宮内膜から出る血液が混じります。生後2~4週間を過ぎたころにはなくなってきます。新生児帯下が乾くと固まって白くて細かくなりますが、きれいにふき取って洗ってあげれば問題ありません。
赤ちゃんの体は自浄作用が発達していませんので、刺激に弱く細菌感染しやすいのが特徴です。もしも赤ちゃんが細菌感染している場合、新生児帯下は黄色あるいは緑色になります。細菌感染している場合は抗生物質による治療が必要になりますので、医療機関を受診してください。ただし乳児で腟炎を発症することはあまりみられません。おりものに異常がみられた場合に考えられる症状を紹介します。
外陰部に異常があらわれたときの対処法を紹介します。自宅でのケアで改善することもありますが、症状の程度によって病院を受診して医師に相談してください。
新生児帯下は生後間もない女の子の赤ちゃんにみられる正常な反応ですので、ほとんど心配がありません。ただし細菌感染している場合は要注意です。細菌感染している新生児帯下の色には異常がみられますので、病院を受診して治療を行ってください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。