高齢者が生きがいを感じるときって?生きがいの見つけ方は?

2020/1/13

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

人生100年時代に突入し、「第二の人生」「いきいきとしたシニアライフ」など高齢者の活力への関心が高まっています。人生にハリと刺激を与えてくれるもののひとつが「生きがい」です。生きがいがない場合の心身への影響や、高齢者の方の生きがいの例などを紹介します。

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高齢者が生きがいを感じるのはどんなとき?

人は生きがいを持つと、日々の活力がみなぎったり人生を楽しむ意欲が湧いてきたりします。生きがいの内容は人それぞれで、年齢や性別、性格などによってさまざまに広がります。高齢者の方のうち、どんなときに生きがいを感じるかを調査した結果を紹介します。

男性
1位:趣味やスポーツに熱中している時(49.0%)
2位:孫など家族との団らんの時(40.7%)
3位:旅行に行っている時(36.4%)
女性
1位:孫など家族との団らんの時(55.4%)
2位:友人や知人と食事、雑談をしている時(50.9%)
3位:おいしい物を食べている時(44.4%)

引用)内閣府「平成25年度 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査結果」

生きがいを失ってしまうとどうなる?

高齢者の生きがいに関する調査結果を見てみると、趣味や運動、家族や友人との時間などが多いようでした。それではこういった生きがいを持たずに過ごしている場合、どのような影響が発生するのでしょう。

まずなぜ高齢者の生きがいに関心が高まっているかというと、50歳~60歳あたりにさしかかったときにそれまで持っていた生きがいを見失うことが多くみられるためです。

生きがいを見失う例

男性
定年退職を迎えて日常から仕事がなくなる
女性
子供が独立して子育てから手が離れる

仕事や子育てなど今までの生活の軸となっていた生きがいがなくなり、自由な時間が増える一方で何をすればいいかわからないという状態に陥ることがあります。寂しさや虚無感などに包まれ、気分が落ち込む人もいます。

気をつけたいのは家にこもりがちになって人との交流が減ってしまうことです。運動量の低下、会話が減ることによって脳への刺激が少なくなるなど心と体の健康面への悪影響が懸念されます。

そのため生活を大きく変えるようなライフイベントの前後は、生きがい喪失に気をつけるのがおすすめです。何か新しい生きがいを見つけ、気分を切り替えていきましょう。

生きがいを見つけるには?

生きがいがあることで、時間が有意義に感じられて人生の充実感が向上します。ただし生きがいを見つけることが難しく感じられる人もいるでしょう。高齢者が自分に合う生きがいを探す方法を紹介します。

時間をフル活用
高齢者の方は時間に余裕を持っている場合がありますので、その時間を生きがい探しに充ててみましょう。外出や人との交流を増やすなど時間をかけて行動範囲を広げるのがおすすめです。自分では予想していなかった素敵な生きがいと出会う可能性が期待できます。
未経験の趣味にチャレンジ
若い頃に興味があったけれど諦めたものごとがあるならば再挑戦するいい機会です。もちろんこれから新しい趣味を探してみるのもおすすめです。未経験や初心者向けの習い事や、地域が開催している講座やイベントなどに参加してみましょう。
シルバー人材として活躍する
シニアの方向けの仕事の紹介制度を使い、培ってきた経験や知識をもとに活躍することでやりがいを感じられます。人とのつながりを得る機会も増えます。
ボランティアに参加する
社会貢献に積極的になると人の役に立っているという充実感を得られます。ボランティアはさまざまな活動がありますので、気軽に始められるものから特技を活かせるものなどご自身が楽しく取り組めるものから始めてみましょう。

おわりに:生きがい探しは時間を惜しまず!楽しくチャレンジするのがおすすめ

現代のシニア世代は十分若々しく、まだまだ元気な人がたくさんいます。ライフイベントによって今までの生活が一変したときこそ新しい生きがいを見つけるチャンスです。ご自身に合った生きがいを発見し、楽しい人生を送りましょう。

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