記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/1/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康的に生きるうえで「QQL(クオリティオブライフ)」はとても大切です。高齢者は病気や怪我をきっかけに要介護の状態になることがあり、ご自身が望む自立した生き方に影響を与える場合があります。治療方法などについてどのような選択をするかは、QQLに深く関わります。この記事では、高齢者のQQLについて紹介します。
高齢者の方は若い世代と比較して、病気や怪我になる可能性が高いといえます。回復まで時間がかかったり、元通りに回復しない場合も多くみられるようになります。
従来の臓器疾患治療では、救命、延命を第一義的に考えた高齢者治療が行われてきました。命を救うという重要な目的をもって臓器の回復を試みますが、手術や入院の長期化は筋力低下、生活機能低下、心身機能障害をもたらす側面も持ちます。その結果、高齢者が自立した生活をすることができなくなり要介護の状態になる可能性もあります。
つまり、患者である高齢者自身が自立した生活を望む場合、今後の人生をどのように過ごしたいかを考慮した上で治療の選択をすることが重要になるということです。
上記の疾患や怪我は、高齢者が要介護状態となるときの原因として多いものです。これらを予防し、また発症した場合にどのように治療するかがポイントとなります。そのため高齢者にとって治療後のリハビリテーションはとても重要になります。
病気は完治するものばかりではありません。特に高齢者に多い多臓器疾患は症状が非定型的で慢性化しやすい傾向がみられ、心身機能障害、合併症につながりやすいと考えられています。完治が難しい状態のとき、疾患をコントロールしながら自立した生活を維持するためにもリハビリテーションが必要です。
高齢者の健康上の問題では、心と体が大きな問題となるほか、さまざまな要因が関連してきます。
上記のような問題が高齢者には発生しやすいことをまず理解しましょう。問題を認識し、改善するために日常的にリハビリテーションに取り組み、問題が大きくなるのを防ぐことをおすすめします。
歩行は日常生活の基礎的な動作となります。高齢者は筋力、持久力、柔軟性、バランス能力が低下し、若年層に比較して歩行能力に下記のような変化がみられます。
歩行能力の改善としてウォーキングをしてみましょう。ウォーキングは肥満防止や高血圧改善、認知症予防など疾患予防にもつながりますので、歩行能力の向上は健康維持におすすめです。ウォーキングのポイントを抑えて筋力を刺激したり、歩くことを楽しむようにすると継続しやすいです。
廃用症候群とは病気や怪我のために体を動かせない状態が続き、著しい運動量の低下や寝たきりになり、心身機能の低下、老化の助長、新たな疾患の発症を招くことをいいます。廃用症候群の予防は体と心の両方にアプローチしてください。
転倒よる怪我や骨折は寝たきりの状態や運動機能の低下を招きやすく、予防が重要です。歩く力や下半身の筋力を維持向上させるために、日頃からウォーキングに取り組むことをおすすめします。そのほか下記のポイントに気をつけましょう。
いつまでも元気に人生を楽しみたいものですが、加齢によって心身機能は低下しがちです。リハビリテーションを日常生活に取り入れて病気や怪我の予防をしましょう。ご自身の体の状態に合わせて、無理のない範囲で取り組んでください。