記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/2/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちが何かの病気にかかったとき、例えばおたふく風邪や水ぼうそうのように、非常に特徴的な症状が肉眼で見てわかれば、すぐに診断しやすいでしょう。しかし、外見に大きな変化がない場合や、検診を行う場合、目で見てすぐに異常はわかりません。
そんなとき、病理検査を行い、病気の確定診断をしたり、体の中に異常がないかどうか調べたりします。この記事では、病理検査の詳しい内容や、その手順についてご紹介します。
病理検査は、手術や内視鏡検査などの際に患者さんから採取された臓器・痰・尿などに含まれる細胞を調べ、病気を診断したり、原因を究明したりするために行う検査のことです。採取された組織や細胞の標本は臨床検査技師(細胞検査士)によって作製され、病理医がその標本を観察して病気を診断したり、症状の原因を明らかにしたりします。
病理検査には、大きく分けて以下の2種類があります。
では、組織学的検査のやり方を詳しく見ていきましょう。
直接患者さんを診察するお医者さんは「臨床医」と呼ばれますが、ここで検査を行うお医者さんは「病理医」と呼ばれ、病理医が組織検査や細胞診検査によって行う診断を病理診断と言います。一般的に、組織検査は疾患の確定診断のために行われ、病変の一部を採取することを「生検」と言い、治療のために切り出された病変部分の組織のことを「手術検体」と言います。
たとえば、胃カメラで病変の一部を採取することは「生検」ですが、その結果、胃を切除することは「手術」で、切除された胃の一部は「手術検体」と呼ばれます。もし、胃がんのために組織を採取したのであれば、手術後に切除した検体をもう一度組織検査し、がんの広がりや進行具合、悪性度合いなどを調べます。
すると、検査では初期の胃がんと予想されていたものの、病理診断の結果、もう少し進んだがんだったことがわかる、などということがあり得るわけです。こうした結果は臨床医に報告され、以降の経過の予測や今後の治療方針などに反映されます。もし、上記のように患者さんに話していた予想と結果が異なっていたなどの場合は、患者さんにも説明されます。
細胞診検査の場合、組織検査よりもプレパラートの作り方が簡単です。
最初にもご紹介したように、細胞診検査はがんの検査に使われることが多いですが、その他にも疾患の原因を突き止めたり、抗がん剤や放射線治療などを行った後、悪性腫瘍の治療効果を判定したりするためにも使われることがあります。
通常、尿・喀痰・胸・腹水などの液状検体に含まれる細胞や、病巣を擦ったり穿刺したりして得られた細胞からプレパラートを作製します。異常な細胞や病原体微生物があればそれを見つけ出す細胞レベルの検査で、組織検査が行えないような液状の検体はもちろん、子宮がん検診、乳腺や甲状腺など皮膚から近い腫瘤の穿刺にも使われます。
病理検査とは、病気を診断したり、その原因を突き止めたりするために行われる検査です。組織検査と細胞診検査の2種類に分類され、組織検査は病気の確定診断のため、細胞診検査はがん検診などのために使われることが多いです。
組織検査では、標本を顕微鏡で観察できるようにするために一晩かかりますが、細胞診検査では比較的短時間でプレパラートを作成できます。細胞診検査は、組織検査ができない液状検体などにも使われます。