子供の血圧ってどのくらいが正常なの?

2020/2/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

大人と同じように、子供にも正常・適切とされる血圧の範囲があります。
今回は子供の正常な血圧の範囲について、基準となる値や子供の血圧が低すぎる、または高すぎる場合に現れ得る症状などと一緒に解説していきます。

子供の血圧の基準値は?

年齢別に、子供の血圧の基準値をまとめると以下のようになります。

新生児
75~90mmHg
※ただし、生後7日目までは上記よりやや低い値となるのが普通です。
乳児
60~90mmHg
幼児
65~100mmHg
学童
70~110mmHg
12歳頃
75~115mmHg

子供の血圧が低い場合にみられる症状は?

子供の血圧が前項で述べた基準値よりも低い場合に見られる代表的な症状として、起立性調節障害があります。起立性調節障害は立ち上がったとき、または立っている間に気分が悪くなってしゃがみこんだり、冷や汗が出たり、意識消失を生じる障害です。

このうち、低血圧が関係している代表的なものとしては「起立直後性低血圧」が挙げられ、起立直後の血圧が最高でも40~50mmHgにまで落ち込みます。発症すると立ち上がった直後に強い立ち眩みを感じる他、立ち上がって30秒以上経過しても血圧が上昇せず、不快な症状が続くのが特徴です。

そのほか、身体的・心理的な要因から低血圧や脳貧血、意識消失を起こす血管瞑想神経性発作もあります。いずれも、朝礼や通学など日常生活に支障をきたすようなら、周囲へ配慮を求めたり、治療する必要が出てくるでしょう。

子供の血圧が高い場合は?

極端な低血圧だけでなく、高血圧も子供に十分に起こり得る疾患です。子供の血圧が高くなる原因としては、以下いずれかが考えられます。

本態性(ほんたいせい)高血圧

はっきりとした原因疾患のない高血圧のこと。大人の高血圧原因として、最も多いものです。子供の場合、両親・祖父母・親戚のなかに高血圧の人がいたり、本人が肥満である場合に特に起こりやすいとされています。

腎臓病による高血圧

以下のような腎臓や周辺組織の機能低下や異常・疾患が、子供の高血圧を引き起こしているケースもあります。

  • 急性糸球体腎炎(細菌やウイルスへの感染が原因で起こる)
  • 慢性糸球体腎炎(何らかの原因で腎内に慢性的な炎症が起こる)
  • 先天性腎尿路異常(腎尿路と呼ばれる部位に異常や奇形が起こる)
  • 腎盂腎炎(細菌感染により、腎臓内で尿を溜める部位に炎症が起こる)
  • 腎動脈狭窄症(腎臓に血液を送る血管が狭くなってしまう)
  • 多発性膿疱腎(左右両方の腎臓にたくさんの嚢胞ができてしまう)
  • その他尿細管の異常、腎臓腫瘍など

内分泌系の病気による高血圧

甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、褐色細胞腫などによるホルモンの過剰分泌が原因の高血圧です。

神経の病気・異常による高血圧

自律神経の病気、または神経線維腫症による臓器の異常から起こる、高血圧のことです。

心臓や血管の異常による高血圧

大動脈縮窄症と呼ばれる先天性の血管疾患、または後天的に大動脈が侵食されてしまう大動脈症候群などによって起こる高血圧です。

呼吸器の異常による高血圧

子供であっても、いびきや睡眠時無呼吸症候群により、高血圧を起こす可能性があります。

薬の影響による高血圧

他の疾患を治療するための薬の副作用などにより、子供の高血圧が起こる場合があります。

新生児期の病気による高血圧

2,500g未満の低出生体重児、または新生児期に腎動脈血栓、先天性腎尿路異常、先天性心疾患、慢性肺疾患があると高血圧を発症するリスクが高くなります。

おわりに:年齢によるが、子供の血圧はおよそ60~115くらいまでが正常の範囲内です

正常とされる子供の血圧の基準値は、子供の年齢によって変わります。体の成長速度による個人差もあるので注意が必要ですが、おおよそ60~115mmHgくらいであれば、正常の範囲内と理解しておけば良いでしょう。逆に子供の血圧が、この範囲より極端に低いまたは高い場合には、低血圧・高血圧の状態だと考えられます。日常生活への配慮や、原因疾患の治療が必要になる可能性もあるので、医師に相談のうえ対処してください

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