オフィスで体が冷える原因とおすすめの対策とは?

2023/12/13

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

寒い季節は仕事中に体が冷えてしまうことがよくあります。オフィスで過ごす時間が長い人にとって、このような仕事中の冷えはとてもつらいものです。また、冷えはさまざまな不調を引き起こす原因になることもあります。この記事では、オフィスで冷えを感じる原因とオフィスでできる冷え対策について解説していきます。

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オフィスで体が冷えてしまうのはどうして?

冷え性の症状は、体温が低くなることだけではありません。手指や足先は冷えているのに上半身は熱さを感じる場合、上半身が熱くておなかや下半身をさわってみると冷えている場合も冷え性の可能性が考えられます。また、血行不良からくる上半身や顔ののぼせ、ほてりのほか、更年期のような動悸やイライラがみられることもあります。冷えの原因はさまざまありますが、オフィスでは以下が原因で冷えを感じやすいとされ、デスクワークで同じ姿勢でいる時間が長い人は冷え性になりやすいといわれています。

デスクワーク

座りっぱなしの仕事は体が冷えやすくなる傾向があります。長時間同じ姿勢でいると、血管が圧迫されて血行不良を招きます。とくに、足のつけ根のリンパ節や動脈が圧迫されると、血流が悪くなりやすいといわれています。

あまり歩かない、運動不足

体温の多くは筋肉から産生されています。運動習慣が少なく筋肉量が低い場合は熱産生が小さくなるので、冷えやすい体になります。一般的に、通勤中や職場でエレベーターやエスカレーターばかり使用している人や座りっぱなしの人などは運動不足になりやすく、冷え性になりやすいといわれています。対して、階段を使うように心がけている人や歩く機会が多い人など運動量が多い人は、比較的筋肉量が多くなるため、冷え性になりにくいといわれています。

体を冷やす食生活

サラダやフルーツには体を冷やす作用を持つものがあります。夏が旬の農産物も体の熱をとる作用があるといわれています。生野菜は体を冷やす作用があることも押さえておきましょう。

水を飲みすぎている

脱水予防のためこまめな水分補給は大切ですが、水の飲み過ぎは胃腸を冷やすことがあります。また、運動不足の人など、汗をかく機会が少ない人が水を飲み過ぎると、むくみの原因になります。

シャワーのみで湯船に浸からない

湯船に浸かると体が温まって血行がよくなり、発汗作用も期待できます。シャワーだけで済ませると体が温まりにくいといわれています。

体の冷えを放置するとどうなる?

冷えをそのままにしておくと、以下のような不調を引き起こすことがあります。

便秘や下痢

内臓が冷えると胃腸の働きが低下し、便秘や下痢が起こりやすくなります。

肩こり

冷えによって血行が悪くなると、肩こりや痛みなどを引き起こすことがあります。

生理痛、生理不順

冷えの影響によりホルモンのバランスが乱れ、生理不順や血行不良、生理痛などを引き起こすことがあります。

オフィスでできる冷え対策

仕事中にできる冷え取りを紹介します。放置せずにできる対処から取組み、体を温めるようにしてください。

飲みものはアイスよりホット

飲みものを飲むときは、アイスよりホットを飲むようにしましょう。たとえば。ショウガ紅茶のホットティーは、体が温まります。紅茶にすりおろしたショウガ(チューブでもかまいません)を小さじ1,2杯加え、甘さが欲しい人は黒砂糖やハチミツを加えてみてください。

体を温める食材を選ぶ

ショウガ、ニンニク、ネギ、唐辛子、黒ゴマは体を温める食材といわれています。また、玄米、そば、ライ麦などは体を温める食材、白米、うどん、小麦、白砂糖、牛乳などは体を冷やす食材といわれています。朝食やランチに体を温める食材をプラスすることが、冷え対策に役立つ場合があります。

体を動かす

通勤中や仕事の合間など、スキマ時間を利用して体を動かしてください。デスクワークが続くときは、腹筋に力を込める、意識的に足を動かすなどしましょう。イスに座りながらできるエクササイズやストレッチもおすすめです。

オフィスで使える冷え対策グッズ

以下のグッズはオフィスでも使いやすく持ち運びもしやすいので、オフィスの冷え対策におすすめです。

腹巻

お腹周りを冷やさないように、腹巻で寒さから守りましょう。薄手で着ぶくれしないもの、上から重ね着のように着用できるものなど、いろいろな腹巻きがあるので、自分にあうものを選んで使うようにしてください。

ひざ掛け、ブランケット

ひざ掛けやブランケットは、下半身の冷え対策として気軽に取り入れられます。お腹から下半身までを包むようにして使うと、冬特有の下半身の底冷え感を防ぎやすいです。

ハンドウォーマー、ウォームバンド

ハンドウォーマー、ウォームバンドを使うと、手の冷えや袖口からの冷気の侵入を防げます。デスクワークの邪魔にならないタイプを選ぶと使いやすいと思います。

トゥーウォーマー、足用カイロ

つま先は一度冷えるとなかなか温まりにくい部位です。保温力の高い素材のトゥーウォーマーで冷え予防をしましょう。足の冷えが気になる人は、靴のつま先に入れる足用カイロもおすすめです。

おわりに:オフィスの冷えで不調が起こる前に早めに対策を始めよう

冷えはお腹の不調や生理痛、肩こりなどの不調を引き起こすことがあります。温かい飲みものや体を温める食材を摂るようにする、体を温めるグッズを使う、こまめに体を動かすなどして、早めに対策を始めましょう。

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