記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/12/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
受験は、親だけでなく試験を受ける子供本人にとっても、大きなストレスとなります。受験が近づくにつれ子供に異変が起きているなら、「受験うつ」かもしれません。
今回は子供に忍び寄る受験うつの恐ろしさを、その症状や考えられる原因、子供に受験うつの疑いを感じたときの対処法と一緒に解説します。
受験そのものへのプレッシャーや勉強の焦りなどから、中学校・高校・大学受験に際して子供が発症するうつ状態が「受験うつ」です。一般的に「受験によるうつ」と言うと大学受験の際に発症するイメージがありますが、受験うつは中学受験に臨む小学生でも発症することがあります。
受験うつは、特徴ごとに以下3つのパターンに分類されます。
受験うつの原因は、受験までのプロセスで感じるプレッシャーや不安と言われています。受験にかかわるプレッシャーや不安が、受験に向けて頑張る子供にストレスとしてのしかかり、やがて受験うつを発症させるのです。
以下に、受験うつの原因となるストレスの一例をご紹介します。
受験うつになると、子供の体と心に以下のような症状がみられるようになります。
受験を経験する思春期は、体も心も大きく変化する時期です。このため、受験うつも単なる思春期による感情の揺れと見過ごされる傾向があります。しかし、受験うつは発症すると受験勉強に支障をきたすだけでなく、子供の心身を少しずつ蝕み、最悪の場合死に至らしめる可能性もある恐ろしいものです。
受験うつからくる症状に気付けずにいると、あなたのひと言が引き金となり、子供を自殺に追いやってしまうこともあり得ます。ある調査によると、多くの子供が高校受験や大学受験を経験する15~19歳の死因トップは自殺であることも明らかになっています。日ごろから子供の様子には気を配り、異変がないか注意深く見守るようにしてください。
子供に受験うつが疑われる変化がみられたら、まずは家庭で以下のように対処しましょう。
上記の対処をしても子供のうつ症状が続くようなら、精神科や心療内科のある医療機関に相談し、専門家にサポートを求めましょう。
受験うつは、周囲の大人からのプレッシャーや劣等感、勉強への焦りや不安が原因で、子どもが発症するうつ症状のことです。受験という競争にストレスや辛さを感じるのは、大人だけではありません。受験に伴うストレスから、小学生でも受験うつになる可能性は十分にあります。日頃から子供を注意深く観察し、受験うつを疑うような変化がないか見守ってあげてください。もし異変があれば、心身を休められるようすぐに対処してあげましょう。