記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/10/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
冬の季節など寒さを感じる日は、カイロや電気毛布、湯たんぽなどの暖房グッズを使いたくなりますよね。手軽に体を温められて便利な暖房グッズですが、使用中に低温やけどが発生することがあります。低温やけどは熱湯などで負う高温やけどとは異なる特徴を持ち、症状や予防法、対処方法が異なりますので低温やけどについて理解しましょう。
熱湯や熱い火に触れてしまうと、高温やけどを負うことがあります。このときの体は熱源に触れてすぐに「熱い!」と反応し、熱源からすみやかに離れようとしますので、やけどが皮膚の深部に及ぶことはあまり多くありません。赤い腫れ、水ぶくれなどの比較的軽症にとどまる傾向があります。
一方、低温やけどは皮膚深部まで影響するおそれが高くなります。これは、低温やけどが体温より少し高くて気持ちよい程度に暖かい温度に長時間触れ続けることで引き起こされ、熱さや痛みが感じにくくなるため気づかないうちに重症化してしまうためです。高温やけどほどの異常があらわれにくいため、対処が遅れがちになります。最悪の場合、皮下組織が壊れる、治療の長期化、皮膚が再生しない、感染症など重症に陥ることがあります。特に、熱さや痛みを感じにくい体の部位で低温やけどが発生しやすくなるため、注意が必要です。
脚は血行が悪くなりやすいため、知覚が比較的鈍感な部分です。寒い季節にはカイロや電気毛布、湯たんぽ、こたつなどの暖房グッズを足元に使用する人が多くなりますが、暖房グッズが発する温度は気持ちよい温かさのため、低温やけどを引き起こす可能性が高くなります。
低温やけどは、皮膚深部にまで及んでいても、表面を見ただけでは異常がないように見えたり、痛みを感じない場合があります。
低温やけどを予防するために、暖房グッズを使うときは取扱説明書を読み、正しく使用してください。多くの暖房グッズに共通する注意点としては、「同じ部位に熱源を長時間当て続けない」ことが挙げられます。就寝中に暖房グッズを使うことは、同じ部位に熱源が当たる状態が続くことになりますので、使用に注意が必要なもの、使用を控えたほうものがあることを理解しておきましょう。
低温やけどは熱さや痛みなどの知覚による症状が少なく、発症していることに気づきにくいのが特徴です。カイロや電気毛布などの暖房グッズ使用中や使用後に異常を感じたら、迷わず医療機関を受診してください。