肌のかゆみ止めに処方されるステロイド外用薬とは

2020/7/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肌に辛いかゆみがあらわれたとき、病院でステロイド外用薬を処方されることがあります。ステロイドを含む塗り薬にはさまざまな種類があり、使用している患者さんも多くいます。この記事ではステロイドの成分や外用薬の種類、副作用の例などを紹介します。

ステロイドってどんな成分?

有機化合物のなかで「ステロイド核」と呼ばれる構造を持っているものの総称をステロイドといいます。主に生物の体内でステロイドは作られ、たくさんの種類が存在しています。ステロイドは中性脂質やタンパク質、糖類などと一緒に細胞膜の構成成分になります。また胆汁に含まれる胆汁酸、生体維持を担うホルモン類として働きます。

ステロイドホルモン

少量でも生き物の体や行動に影響を与え、体の働きを調整する役割を持つものを生理活性物質と呼びます。ステロイドホルモンは生理活性物質で体内で合成、分泌されています。ステロイドホルモンには、副腎から分泌される副腎皮質ホルモンと、精巣や卵巣から分泌される性ホルモンがあります。

2種類の副腎皮質ホルモン

糖質コルチコイド
血糖値を上昇させる、炎症を抑える、ストレスを抑える、免疫を抑えるなどの作用を持ちます
鉱質コルチコイド
腎臓のナトリウムとカリウムのバランスを調整します
医薬品のステロイド
医薬品として使われるステロイド剤は、糖質コルチコイドに分類されるステロイドホルモンや類似物質を人工的に合成したものです

ステロイド外用薬とは

皮膚科などで処方されるステロイド外用薬には、薬効成分としてステロイドホルモンが含まれています。ステロイドホルモンのほかさまざまな基剤と混合されていて、軟膏、クリーム、液状など剤形には種類があります。ステロイド外用剤は、湿疹やアトピー性皮膚炎でみられる赤み、かさつき、かゆみなど炎症の鎮静が主な働きです。

5段階の作用分類

ステロイドの作用は強さによって5段階で分類されます。

弱い
ドラッグストアなどで購入できる市販のステロイド外用薬があります
(プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど)
普通
ドラッグストアなどで購入できる市販のステロイド外用薬があります
(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニドなど)
強い
ドラッグストアなどで購入できる市販のステロイド外用薬があります
(ベタメタゾン吉草酸エステルなど)
とても強い
取り扱いに医師または薬剤師など専門家の管理が必要で、医療用医薬品としてのみ処方されます
(モメタゾンフランカルボン酸エステルなど)
最も強い
取り扱いに医師または薬剤師など専門家の管理が必要で、医療用医薬品としてのみ処方されます
(クロベタゾールプロピオン酸エステルなど)

ステロイド外用薬の気になる副作用は?

ステロイド外用薬には副作用があらわれる可能性があります。ただし内服薬と異なり、外用薬で副作用が生じるのは塗布している部分のみですそのため医師の指示通りに塗布することで、重大な副作用のリスクを抑えられます。

ステロイド外用薬の副作用は可逆的、不可逆的の2種類に大きく分かれます。

可逆的副作用
ステロイド外用薬の使用を中止すると治ります
にきび、毛包炎、多毛、口囲皮膚炎
不可逆的副作用
ステロイド外用薬の使用を中止しても治りません。半年以上の長期間に渡って作用の強い外用薬を使用した場合に発生することがあります。
皮膚委縮(皮膚が薄くなる)、毛細血管拡張症

使用上の注意

  • 決められた量をしっかり塗る。塗りすぎない
  • 自己判断で量を変更せずに、医師または薬剤師などの指示に従う
  • 自己判断で使用を中止せずに、治療をきちんと継続する
  • 塗る部位によって吸収率が違うため、部位や症状ごとに使用方法を確認する

おわりに:ステロイド外用薬の効果の強さは5段階。医師または薬剤師に相談しながら使いましょう

ステロイドには炎症を鎮める作用があります。肌の疾患に対してステロイドは有効ですが、副作用への理解が必要です。ステロイドの強さによって薬は5段階に分類されていますので、症状に見合った段階の薬を用法用量を守って使用しましょう。

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