消毒用エタノールって、手や指の消毒に使える?

2020/7/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

感染症予防のための消毒液のうち、代表的なものにはアルコールとエタノールがあります。今回は消毒用のエタノールについて、無水エタノールとの違いや基本的な使い方、知っておくべき使用上の注意点などを解説します。

消毒用エタノールってどんなもの?

国際化学命名法上「エタノール」と呼ばれる液体は、一般的にエチルアルコールと呼ばれるアルコールの一種です。エタノールは濃度により、以下の3種類に分けられます。

濃度95.1~96.9vol%
エタノール
濃度99.5vol%
無水エタノール
濃度76.9~81.4vol%
消毒用エタノール

上記のうち、消毒用エタノールは最も水分を多く含み、アルコール濃度が低いのが特徴です。アルコールには、インフルエンザウイルスなど多くの細菌・ウイルスを不活性化する作用があります。最もアルコール濃度の低いものが「消毒用エタノール」と呼ばれているのは、アルコール濃度が低いゆえに蒸発しにくく、しっかり消毒作用を発揮してくれるためです。

一方、最も水分が少なくアルコール濃度の高い無水エタノールは消毒作用が強いものの、非常に蒸発しやすく、刺激が強すぎて人の肌に直接触れると水分を奪ってしまう性質もあります。そのため、無水エタノールは人の手指・物品の消毒用液には不向きです。

消毒用エタノールが使える場所は?

消毒用エタノールは、以下のような場所の消毒に適しています。布や脱脂綿に含ませたり、霧吹きしてから対象物を拭き掃除すれば、高い殺菌・消毒効果が得られます。

室内での消毒用エタノールの活用方法
  • 冷蔵庫の内外、シンク周りのステンレス部分、魔法瓶や密閉容器
  • 汚れだけでなくカビや雑菌の繁殖が気になる窓ガラス、鏡
  • 子供がよく触れる、口に入れるおもちゃ

また小さなスプレーボトルに入れて持ち歩けば、外出先でも消毒用エタノールを有効活用できます。消毒用エタノールの特性を知って、上手に活用しましょう。

外出先での消毒用エタノールの活用方法
  • マスクの外側に吹きかけ、飛沫によるウイルス感染予防
  • オフィスで不特定多数の人が触る電話、パソコン、マウス、キーボードなどの拭き掃除に使って、ウイルスの接触感染予防

手や指の消毒にも使える?

十分な水分で希釈した消毒用エタノールは、人の手指の消毒にも使用できます。方法は以下の2パターンです。状況や肌質に合った方法で手指を消毒しましょう。

手指を拭き取る方法

消毒用エタノールをガーゼや綿にたっぷりと含ませ、手や指を拭き取る消毒方法です。肌にしっかり消毒液を当てる必要がありますが、強くこすり過ぎると高温でアルコールが蒸発し、消毒効果が低くなるので注意しましょう。

手指に擦りこむ方法

適量を手に取り、消毒用エタノールが自然乾燥するまで手指に擦りこむ方法です。水やガーゼなどの道具を必要としないため、いつでもどこでも手指の消毒ができます。ただし、人によっては肌荒れを起こす場合もあるので注意してください。

消毒用エタノールを使う際の注意点は?

消毒用エタノールを使用するうえで注意すべきポイントとして、以下の3つあります。

火気厳禁

消毒用エタノールはアルコールの一種であるため引火しやすいです。周囲に火気がある状況で使用すると、火事や爆発を招くリスクがあります。使用するときは、周りに火の気がないことを確認してください。

密閉&換気が必要

消毒用エタノールは蒸発しやすい液体のため、使用後、容器のフタを開けたままにしているとどんどん蒸発してしまいます。仕様の前後にはしっかりフタが閉まっていることを確認するとともに、蒸発したエタノールが室内に充満しないよう換気も行いましょう。

変色を起こす素材に注意

以下のような製品に消毒用エタノールを使用すると、変色・変質の原因となります。これらの製品の消毒や拭き掃除には、消毒用エタノールは使わないでください。

  • 皮革製品
  • ニスの塗ってあるもの
  • スチロール製樹脂

おわりに:消毒用エタノールは手指やキッチン周り、おもちゃの消毒にも使えます

アルコールの一種の薬液を水で希釈した消毒用エタノールは、手指に擦りこんだり、布などに含ませて拭き取ることで消毒作用を発揮します。ただし、一部製品には変色・変質させる恐れがあるため使用できません。火のない場所で、しっかり換気しながら使いましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

消毒(16) 殺菌(6) 感染症対策(5) 消毒用エタノール(1)