記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/5/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
爪のまわりの皮膚が裂けてできるささくれ。小さいささくれでも痛みを感じたりなかなか出血が止まらなかったり、気になってしまいますよね。この記事ではささくれができる原因、やってはいけない対処法などを紹介します。
ささくれの原因は乾燥、食生活の乱れ、ネイルリムーバーの影響が大きいと考えられています。
健康的な皮膚は、バランスよく保たれた水分と脂分によって外部の刺激から守られています。
皮脂膜は、皮膚の表面を守る働きを持っています。水分または皮脂のバランスが乱れると、皮脂膜の働きが低下します。空気が乾燥していると肌から水分が失われて皮脂膜が十分に生成されなくなるため、刺激によって皮脂膜が剥がれることもあります。その結果、刺激に対して皮膚が弱くなり、肌荒れなどのトラブルが起こります。このとき、爪の周囲の皮膚が乾燥して裂け目ができるとささくれになります。
体内の栄養バランスが乱れると、ささくれができやすくなります。なぜなら皮膚はたんぱく質から構成されており、健康的な肌を保つためにはビタミンとミネラルが必要だからです。皮膚に必要な栄養素であるビタミンA、ビタミンB2、ビタミンE、ミネラルの中でも、ビタミンAは新陳代謝の活性化、潤い保持などの作用が期待されます。
爪にネイルを塗る人はささくれができやすい傾向があります。それはネイルリムーバー(除光液)でネイルを落とす際の刺激が皮膚に負担を与えるためです。
多くのネイルリムーバー製品には、脂を溶かす性質を持つアセトンと呼ばれる成分が含まれています。アセトンが皮膚に付着すると脂分が溶かされてしまい、皮膚の水分脂分のバランスが崩れます。その結果、皮脂膜など皮膚のバリア機能が失われ、ささくれが発生しやすくなります。頻繁にネイルを変える人は、ネイルリムーバーの使用頻度も高くなります。
ささくれができたときは、以下のように対処しましょう。
無理にささくれを取ると強い痛みや化膿することがあり、治癒まで時間がかかります。指は細菌が付いているおそれがあるため、爪囲炎(そういえん)を引き起こす可能性があります。
爪囲炎はささくれなどの傷口から雑菌やカビが侵入して起こる炎症です。爪囲炎は急性と慢性の2種類があります。
ささくれは小さいものでも痛みや出血、化膿を引き起こす場合があります。ささくれが発生したときは指で剥がそうとせずにハサミで丁寧に対処しましょう。皮膚の健康的に保つために、保湿と栄養バランスのとれた食事、血行促進に気を配ってください。