記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/6/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康診断で高血圧を指摘された人や家族に高血圧の人がいるなど、身近な話題としてのぼりやすいのが血圧の話です。この記事では、高血圧とはどのような状態か、「上の血圧、下の血圧」にどんな違いがあるのか、予防法や対処法などを紹介します。
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管内を流れる際に血管の壁を押す力を指します。この血圧が一定値以上高い状態が高血圧です。
2019年には高血圧の診断基準が新しく策定され、下記のように定義されました。高血圧と診断されるまでには段階があります。
高血圧の一歩手前で、注意が必要なレベルです。高血圧予備軍の段階とみなされ、疾病リスクが高い場合があります。
収縮期血圧と拡張期血圧どちらか一方でも当てはまる場合は高血圧に当たります。
収縮期血圧と拡張期血圧の両方が上記を満たす場合、(孤立性)収縮期高血圧となります。収縮期血圧だけが特に高い値を示す状態で、動脈硬化が進んだ高齢者に多くみられます。
高血圧は血管に与える圧力が高い状態なので、血管にかかる負担が大きくなります。そのため、高血圧を放置すると下記のようなリスクを招くおそれがあります。
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)は、高血圧による発症リスクが最も高い疾患です。収縮期血圧が10mmHg上昇した場合、男性では約20%、女性では約15%の割合で発症リスクが上がると考えられています。脳卒中を発症した場合、治療をしても運動障害や言語障害の後遺症が残りやすい、リハビリが長期になりやすいという傾向があります。
心筋梗塞、狭心症などの心疾患は高血圧によってリスクが上昇します。特に、男性は収縮期血圧が10mmHg上昇した場合、心疾患のリスクが約15%上昇すると考えられています。
高血圧は腎臓に大きな負担をかけます。腎臓の機能が低下すると、血液中の塩分の排泄がスムーズに行われず、さらに血圧が上昇する悪循環を引き起こしますので注意が必要です。
高血圧にはいくつかの原因がありますが、日本人に多くみられる特徴をご紹介します。
高血圧の予防や改善は食習慣と運動習慣を整えることが基本です。特に気をつけたい塩分と運動について紹介します。
高血圧はさまざまな疾患を招きかねません。減塩を意識した食生活、肥満を解消する運動などを習慣化して高血圧の予防・改善を目指しましょう。