高血圧ってどんな病気?放置しちゃいけないのはなぜ?

2020/6/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

健康診断で高血圧を指摘された人や家族に高血圧の人がいるなど、身近な話題としてのぼりやすいのが血圧の話です。この記事では、高血圧とはどのような状態か、「上の血圧、下の血圧」にどんな違いがあるのか、予防法や対処法などを紹介します。

高血圧とは?

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管内を流れる際に血管の壁を押す力を指します。この血圧が一定値以上高い状態が高血圧です。

収縮期血圧
心臓が収縮して血液が全身に送り出されているときで、最も高い血圧。「上の血圧」とも呼ばれます。
拡張期血圧
心臓に血液が戻ってきているときで、最も低い血圧。「下の血圧」とも呼ばれます。

2019年には高血圧の診断基準が新しく策定され、下記のように定義されました。高血圧と診断されるまでには段階があります。

健康的な若い人の血圧(収縮期血圧/拡張期血圧)

  • 診察室血圧:120/80mmHg
  • 家庭内血圧:115/75mmHg

正常高値血圧

高血圧の一歩手前で、注意が必要なレベルです。高血圧予備軍の段階とみなされ、疾病リスクが高い場合があります。

  • 診察室血圧:120〜129/80mmHg
  • 家庭内血圧:115〜124/75mmHg

高値血圧

  • 診察室血圧:130〜139/80〜89mmHg
  • 家庭内血圧:125〜134/75〜84mmHg

高血圧

収縮期血圧と拡張期血圧どちらか一方でも当てはまる場合は高血圧に当たります。

I度高血圧

  • 診察室血圧:140〜159/90〜99mmHg
  • 家庭内血圧:135〜144/85〜89mmHg

II度高血圧

  • 診察室血圧:160〜179/100〜109mmHg
  • 家庭内血圧:145〜159/90〜99mmHg

III度高血圧

  • 診察室血圧:180〜/110〜mmHg
  • 家庭内血圧:160〜/100〜mmHg

(孤立性)収縮期高血圧

  • 診察室血圧:140〜/〜90mmHg
  • 家庭内血圧:135〜/〜85mmHg

収縮期血圧と拡張期血圧の両方が上記を満たす場合、(孤立性)収縮期高血圧となります。収縮期血圧だけが特に高い値を示す状態で、動脈硬化が進んだ高齢者に多くみられます。

高血圧を放置しちゃいけないのはどうして?

高血圧は血管に与える圧力が高い状態なので、血管にかかる負担が大きくなります。そのため、高血圧を放置すると下記のようなリスクを招くおそれがあります。

脳卒中

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)は、高血圧による発症リスクが最も高い疾患です。収縮期血圧が10mmHg上昇した場合、男性では約20%、女性では約15%の割合で発症リスクが上がると考えられています。脳卒中を発症した場合、治療をしても運動障害や言語障害の後遺症が残りやすい、リハビリが長期になりやすいという傾向があります。

心疾患

心筋梗塞、狭心症などの心疾患は高血圧によってリスクが上昇します。特に、男性は収縮期血圧が10mmHg上昇した場合、心疾患のリスクが約15%上昇すると考えられています。

慢性腎臓病

高血圧は腎臓に大きな負担をかけます。腎臓の機能が低下すると、血液中の塩分の排泄がスムーズに行われず、さらに血圧が上昇する悪循環を引き起こしますので注意が必要です。

高血圧に気を付けたほうがいい人は?

高血圧にはいくつかの原因がありますが、日本人に多くみられる特徴をご紹介します。

塩分摂取が多い
食事から摂取する塩分量は、気づかないうちに過剰摂取になりがちです。
食塩を摂りすぎると、血液中の塩分濃度が高まります。その結果、塩分濃度を適切に調整するために体内の水分が血液中に集められ、血液量が増えて血圧が上昇します。
腎臓の働きによって過剰な塩分を体外に排泄させるため、心臓は腎臓に血液を多く送ろうとします。このとき血圧が上昇します。
内臓脂肪型肥満である
特に男性に多いのが、内臓脂肪型肥満で高血圧の人です。内臓脂肪過多によるインスリン分泌増加、腎臓の機能低下が高血圧を引き起こすおそれがあります。
内臓脂肪が増えるとインスリンの働きが低下し、摂取した糖質をエネルギーに変換しにくくなります。体はさらにインスリンを多く分泌しようとしますが、インスリンは腎臓の塩分排泄を妨げる作用を持つため、血液中の塩分濃度上昇を招きます。
家族に高血圧がいる
両親、祖父母、兄弟姉妹など、家族に高血圧の人がいる場合は生活習慣に気をつけましょう。

高血圧を予防・改善するには?

高血圧の予防や改善は食習慣と運動習慣を整えることが基本です。特に気をつけたい塩分と運動について紹介します。

塩分の制限
塩分の多い食事は高血圧を招きやすいため注意してください。高血圧と診断されている場合、1日の塩分摂取量を6〜8mgに抑えるのが目安です。減塩を意識する、水分をこまめに飲む、栄養バランスのいい食事などを心がけましょう。
運動で肥満解消
肥満の方の高血圧リスクは2〜3倍に上昇します。食事の改善と組み合わせながら運動を日常に取り入れ、肥満を解消することが大切です。

おわりに:高血圧を放置すると重大な疾患の元。塩分控えめ食生活と運動習慣が改善の基本です

高血圧はさまざまな疾患を招きかねません。減塩を意識した食生活、肥満を解消する運動などを習慣化して高血圧の予防・改善を目指しましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

塩分(41) 高血圧(137)