これから手放せなくなる「日焼け止め」、効果を知って適切に使おう!

2020/7/11

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

熱くなってくると、紫外線や日焼けが気になってきます。すぐできる効果的な予防は日焼け止めですが、SPFやPAなど種類が多く、どれを使えばいいか迷ってしまいがちです。たくさんある日焼け止めについて、種類や使い分けのポイントを理解しましょう。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

日焼け止めにはどんな種類があるの?

日焼け止めには大きく分けて3つのタイプがあります。

紫外線を散乱するタイプ

紫外線散乱剤を含むもので、紫外線を散乱・反射させて肌の表面に紫外線が当たらないようにします。肌への負担が比較的軽めで、敏感肌の人や頻繁に日焼け止めを使う人におすすめです。

紫外線散乱剤を含む日焼け止めは、塗布したときに白くなるのが特徴です。紫外線散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛など鉱物由来の成分で、食品添加物などにも使われています。

紫外線を吸収するタイプ

紫外線吸収剤を含むもので、いったん吸収した紫外線をほかのエネルギーに変化させてから放出しますメトキシケイヒ酸オクチル、アボベンゾン、ホモサラートなどの化学合成成分です。

化学変化を起こして続けて日焼け止めを防ぐ性質上、時間が経つに伴って効果が弱まります。散乱タイプよりさらっとした使用感で、海外製の日焼け止めに多くみられます。

散乱と吸収をするタイプ

散乱タイプと吸収タイプの両方の性質を持ちます。日本製の日焼け止めに多くみられます

日焼け止めに書いてある「SPF」「PA」とは?

日焼け止め製品には、「SPF」や「PA」という表示がされている製品があります。

SPFはUVB対策向き

SPFとは、UVB(紫外線B波)を防ぐ効果指数です。紫外線B波は短時間でも肌に赤みや炎症を引き起こし、黒化につながりやすくします。SPFと一緒に表示されている「1~50」までの数値は、何も塗らない状態と比較してUVB波による炎症をどのくらい長く防止できるかを示しています。数値が大きくなるほど、UVB波に対する防御効果が高くなります

PAはUVA対策向き

PAとは、UVA(紫外線A波)を防ぐ効果指数です。UVAは一時的な黒化を引き起こし、長時間かけて肌の弾力を失わせます。PAは4段階の「+」マークで防御効果を示し、「+」の数が増えるにつれてUVAの防御効果が高くなります。

シーン別・おすすめの使い方は?

日焼け止めには種類が複数あり、UVBやUVAに対する防御効果が異なります。短時間の外出と炎天下でのレジャーでは、使用する日焼け止めを使い分けるとより効果的です。

炎天下でのアクティビティ
紫外線を浴びる時間が長いときは、SPF50+、PA++++の高い防御効果の日焼け止めがおすすめです。炎天下でのレジャー、運動会マリンスポーツなどでは強い防御効果の日焼け止めを選んでください。
暑い日は汗を多くかきますので、こまめに日焼け止めを塗り直すようにしましょう。
屋外で行う短時間のスポーツなど
短時間のウォーキングなどは、SPF30、PA+++くらいの日焼け止めで紫外線によるダメージの対策をしましょう。
年間の日焼け止め
紫外線は季節を問わず1年中降り注いでいます。特にUVAは太陽がのぼる朝から夕方の遅い時間帯まで降り注ぎますので、屋外で過ごす場合はPA値がある程度高い日焼け止めを使用するように意識するのが理想的です。

日焼け止めの効果的な塗り方は?

日焼け止めは防御効果の強さも大事ですが、塗り方のポイントを押さえることも欠かせません。

適量をムラなく塗る
塗りムラがあると、肌に紫外線の影響が及びます。ちゃんと塗ったつもりなのに日焼けしてしまった、といった事態を避けるために、適量を確認してよく伸ばして塗りましょう。スプレータイプは手軽にいろいろな部位に使いやすい反面、使い方によってはムラになってしまいますので丁寧に塗布してください。
日中に塗り直す
朝に日焼け止めを塗っただけでは、紫外線対策は十分ではありません。汗や水などで日焼け止めは落ちてしまいますので、こまめに塗り直してください。
メイクアップとの重ね塗り
ファンデーションやメイク下地にも紫外線カット効果が含まれている製品があります。しかし、日焼け止めもメイクも汗などで落ちてきますので、日中に塗り直すと安心です。重ね塗りしても防御効果が強くなるわけではありませんが、補強効果が期待できます。

おわりに:日焼け止めを使い分けて紫外線から体を守りましょう

日焼けは美容面、健康面ともに肌にダメージを与えます。紫外線は特に夏に強くなりますが、1年中予防をすることが理想的です。紫外線の強さやどのくらい屋外で過ごすかによって、効果的なSPAやPAのレベルが異なります。上手に使い分けましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

日焼け止め(13) SPF(4) スキンケア(26) PA(2)