記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/8/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
気温も湿度も高くなる夏は、食欲が落ちて体調がすぐれない、疲れがとれないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は夏に足りなくなりやすい栄養素と夏の不調、熱中症予防に役立つ食事の知識について解説していきます。おすすめレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
汗の原料は体内に摂り込まれた「水分と塩分」であり、汗を大量にかくと血中の水分と体内の塩分が体外に排出されることで失われ、大量に失われたときには深刻な脱水症状に陥ります。
このような「水分と塩分の喪失」は、外での重労働や激しい運動をしたときはもちろん、寝ているときにも起きることがあります。ただ寝ているだけでもたくさんの汗をかくことがある「日本の熱帯夜」は、とくに注意が必要です。
食欲がないからと食事を抜いてしまうと、不足した塩分や水分、エネルギーが足りないままになってしまい、この状態で暑い屋外に出てしまうと熱中症リスクが高まります。
食事は「その日の活動に必要な水分とエネルギー」を補うための大切な機会です。
夏に栄養バランスの良い食事を規則正しく摂ることは、健康維持の役割だけでなく熱中症予防対策にもなります。
汗をかいたときに失われやすい栄養素には以下が挙げられます。
熱中症対策としてはもちろん、夏の不調を予防するためにも、上記の栄養素を含む食品をバランス良く取り入れましょう。
カリウム、ビタミンB1、ビタミンC、クエン酸が豊富な食品としては、以下が挙げられます。
大豆をたっぷり使った夏野菜カレーは、カリウムとビタミンB1を美味しく摂取できるので、夏バテ防止や熱中症予防に役立ちます。また、食物繊維も豊富なので、水分不足による「夏の便秘」の解消にも効果が期待できます。十分な水分を補給しながら、ヘルシーでスパイシーな美味しさを堪能しましょう。
カリウム豊富なキュウリと海藻を使った和え物は、さっぱりとした風味で食べやすく、食欲がないときのミネラル補給に役立ちます。材料もキュウリとカットワカメ、サバ缶、調味料だけなので、忙しいときや元気がないときでも作りやすいです。
ツルッとしたゼリーは食欲がないときでも食べやすく、風邪を引いたときやお年寄りや子供のおやつやデザートにおすすめです。クエン酸豊富なレモン汁を使ったさわやかなデザートなので、夏の暑い気候にもぴったりですね。
暑い夏には、外に出るだけで水分と塩分、水溶性の栄養素が失われてしまいます。このため栄養補給の機会となる「食事」を抜いてしまうと、脱水症状や熱中症、体調不良を招くリスクが高まります。
汗で失われやすい栄養素を食事から積極的に摂ることは熱中症対策となりますので、うまく食事に取り入れていきましょう。ただし、栄養はバランスが大切なので、特定の食べものや料理に偏りすぎないように注意してくださいね。