記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/9/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ランニングやジョギングなどの有酸素運動が体に良いことはわかっていると思いますが、ステイホームやテレワークの影響もあって取り組みにくくなったという人もいるのではないでしょうか。
今回は、室内で手軽にできる有酸素運動をご紹介します。負荷の調整をしやすいものを紹介していきますので、運動が苦手な人、もう少し運動量を増やしたいという人は参考にしてください。
有酸素運動とは、酸素を使って体内の脂肪や糖を運動エネルギーに変換しながら行う運動のことです。代表的なものとしては、ランニングやジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどが挙げられます。
対して、短距離走や重い負荷で行う筋力トレーニングなど、瞬発的に大きい力を発揮する運動は、筋肉を動かすエネルギーを得るときにあまり酸素を使わないとされていることから、無酸素運動と呼ばれています。
有酸素運動は負荷が軽い運動のため、ある程度の時間継続して運動を行いやすく、以下のような健康効果が期待できます。ダイエットしたい人はもちろんですが、健康を維持したい人も積極的に取り組むことをおすすめします。
また、はっきりと解明されたわけではありませんが、有酸素運動のような「適度な運動」をすることは以下の理由からメンタルヘルスにも役立つと考えられています。
運動量や頻度の目安は、年齢や健康状態、運動の目的によって変わってきますが、治療中の病気がなく、生活習慣病予防や肥満解消を目的にするのであれば、糖尿病改善で推奨される運動量を参考にしてもいいでしょう。
糖尿病の改善が期待できる運動量や頻度の目安は以下のようになっています。
これに加えて、レジスタンス運動(スクワットや腕立て、ダンベルトレーニングなどの筋トレのこと)を週2〜3回行うことがすすめられていますが、レジスタンス運動に関しては持病のある人や高齢者など推奨されない人もいます。持病のある人や高齢者は、必ずかかりつけの医師に確認しましょう。
「運動のために週3〜5日もジョギングや水泳の時間はとれない」という人も多いでしょうし、天候によっては1週間運動する機会を作れなかったという人も少ないないでしょう。
また、通勤中や出先の移動中に歩く機会を増やそうにも、テレワーク・リモートワークへの移行や外出制限の影響で、「〇〇のついでに運動」いう機会も作りにくくなりました。
室内でできる有酸素運動であれば習慣化しやすいですし、天候や時間帯、勤務形態にもあまり左右されません。熱中症予防や感染症予防にもつながりますので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
もも上げ運動は、1分間に6kcalのエネルギーの消費が期待できるとされています。これは早歩きするのと同じくらいのカロリー量です。また、正しく行うことでお尻や股関節、太ももの筋肉が鍛えられることから、姿勢の改善、腰や膝のトラブルの予防にも役立ちます。
運動負荷を上げたい場合は、1セット当たりの運動時間を5~10分ずつ追加していくか、軽めのダンベルを持つなどして、少しずつ負荷を高めていきましょう。
スピードが速すぎる、太ももを上げすぎている、腕をうまくふれていないと姿勢が崩れてしまいやすいです。姿勢が崩れているときは、スピードを落としてフォームを確認するようにしてください。腕振りをやらずに腰に手を当てもも上げをし、フォームが安定してから腕振りを追加してもかまいません。
エアロバイクはスペースや騒音の問題もあるので自宅には置けない人もいるでしょうが、「エア自転車こぎ」は、特別な器具も必要なく、手軽に腹筋と下半身の筋肉を鍛えながら有酸素運動を行えます。
※この姿勢がとれない場合は、腰をつけたままでも問題ありません。
フローリングでやると背中や腰が痛くなるので、マットなどを敷きましょう。腹筋を意識しながら脚1回転につき一呼吸することを意識し、正しい姿勢で20回できるまでは無理に回数を増やそうとしないでください。
腹筋を重点的に鍛えたいときは、腰を持ち上げずにひねりの動きを加えた、アブ・バイクがおすすめです。
※③④の肘と膝を付けるときは、両肘が閉じないようにしながら反対側の肘を床に付ける
勢いや反動をつけたり、手で頭を持ち上げようとすると、首や腰を痛める可能性があります。慣れないうちは肘と膝を付けられないことも多いです。「腹筋に効いている」感覚があれば無理に肘と膝を付ける必要はありません。また、きつくなると呼吸が止まりやすいので、呼吸が止まらないペースで行うようにしましょう。
踏み台昇降は、膝など痛めていなければ体力がない人でもできます。慣れてくると「テレビを見ながら...」という気持ちになりますが、「ながら運動」は落下や転倒の原因になるので止めましょう。
1分に40回〜60回のペースから始め、慣れてきたら少しずつペースを上げましょう。両手に軽めのダンベルを持つ、台の高さを高くすることでも負荷を上げられます。ただし、台の高さは10cmから30cmにおさまるサイズにしましょう。
有酸素運動と言えば、屋外やフィットネスジムでのランニングやウォーキング、プールでの水泳などをイメージしがちですが、自宅の中でもできるものはあります。外出する機会がない、外に出るのが億劫でなかなか有酸素運動が習慣化できなかったという人は、ぜひチャレンジしてみてください。
ただし、室内の運動でも熱中症やケガのリスクはありますので、水分補給と周りの安全確認は徹底してくださいね。