記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2021/2/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
レビー小体型認知症は、認知症の中でもよく知られているアルツハイマー型認知症や、脳血管性認知症とは少し症状が異なります。この記事では、レビー小体型認知症の検査や診断、治療法について解説します。
レビー小体型認知症は、かつてはアルツハイマー型認知症など、他の認知症と混同されていましたが、小阪憲司医師によって発見され、1976年に世界で初めてレビー小体型認知症の症例が発表されました。その後、欧米でもレビー小体病に関する研究が進められ、1996年に「レビー小体型認知症」としても診断基準が確立しています。
レビー小体型認知症は、レビー小体という特殊なタンパク質の塊が脳の大脳皮質や脳幹部に生じ、その影響で脳の神経細胞が破壊されて引き起こされる認知症です。なぜレビー小体が生じるのかは明らかになっていませんが、レビー小体は徐々に蓄積し続けていくため、たいていは症状もゆっくりと進行していきます。
また、同じように脳にレビー小体が蓄積されて起こる疾患にパーキンソン症候群があり、これを併発するケースも多くみられます。レビー小体型認知症を治療するときは、パーキンソン症候群への治療や対処も同時に行うことになります。
認知症患者のうち、全体の約2割がこのレビー小体型認知症を発症していると言われています。特に女性よりも男性に多くみられる傾向があります。アルツハイマー型認知症などと同様、高齢になってから発症する人が多いですが、若い頃にパーキンソン症候群を発症し、それが高齢になるにつれてレビー小体型認知症へと移行していくこともあります。ただ、現在のところ遺伝的要因は見つかっていません。
レビー小体型認知症の診断に使われる検査として、以下のようなものがあります。
検査のほかに、幻覚やレム睡眠障害、パーキンソン症状など、日常生活でレビー小体型認知症に特徴的な症状が現れているかどうかが診断の非常に大きなポイントとなります。正しい診断のためには、周囲の人や介護者が本人の症状をよく把握し、できればある程度記録しておくなどして医師に伝えることが大切です。
レビー小体型認知症も他の認知症と同じく、根本的な治療方法があるわけではありません。そのため、多彩に現れる症状それぞれに対して、対症療法的な治療を行って進行を遅らせるケアが中心となります。具体的には薬物療法、リハビリテーション、食事療法などがあります。それぞれ、以下のように症状に対してアプローチしていきます。
レビー小体型認知症の特徴的な症状として、薬剤への過敏性もあるため、薬物療法を行う際は副作用を起こさず適切な効果を引き出せるような量に調整するのが難しいと言われています。信頼できる主治医・看護師・薬剤師などと密に連携し、服薬後の体調や、薬剤の量を変更した後にどんな変化があったかなど、よく観察して報告していきましょう。
また、動作に支障が生じるパーキンソン症状で投薬が行われることもありますが、基本的には運動療法としてリハビリテーションを行います。理学療法士などに指導を受けながら、散歩などの日常的な運動、ストレッチ、バランス訓練などを行っていきましょう。
レビー小体型認知症に特徴的な症状として、幻覚とパーキンソン症状があります。パーキンソン病と同じレビー小体という特殊なタンパク質が脳内に蓄積することで起こるため、同じような症状がみられます。
これらの症状には薬物療法のほか、リハビリテーションが行われます。薬物療法の場合、レビー小体型認知症の症状のひとつとして薬剤への過敏性があるため、慎重に投与量が調節されます。