介護食を作る基本と、より食べやすくするコツは?

2021/4/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

噛む力・飲み込む力が衰えてくると、介護食が必要になってきます。市販もされていますが、「家族のためにできるだけ手作りしたい」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、基本的な介護食の作り方と食べやすくするための調理のコツを、介護食を作るときに役立つ調理器具とともに解説します。

介護食を作るときに必要なことは?

噛む力・飲み込む力が衰えた高齢者のために介護食をつくるとき、必要なことは食べ物を刻む・つぶす・ミキサーにかける・とろみをつけるの4つです。以下に、それぞれ解説します。

食べ物を刻む

通常より2~3㎜ぐらい料理の具材を細かく刻みます。食べ物を刻むことで、食べ物の食感は残しつつ、噛みやすく飲み込みやすい食事を用意することができます。

食べ物をつぶす

煮込んでやわらかくした具材をスプーンなどでつぶします。これにより、飲み込む力はあるものの、噛む力が低下していても食べやすい食事を用意することができます。

ミキサーにかける

調理した食材をミキサーにかけ、トロトロのポタージュ状にします。これにより、噛む力・飲み込む力の両方が低下していても食べやすい食事を用意することができます。

とろみをつける

刻む・つぶす・ミキサーにかけたる処理をした具材に、でんぷんなどからできた「とろみ剤」でとろみをつけます。ポタージュ状の介護食や、水分でも咽て咳き込むほど飲み込む力が低下していても、とろみ食なら食べられる場合があります。

介護食を作るときあると便利な調理器具は?

介護食作りには食事を細かく、食べやすくする工程が不可欠です。このため、以下のような調理器具があると、調理時間の短縮や負担を軽くすることができます。

食べ物を食べやすく、やわらかく調理する器具
蒸し器、圧力鍋
食べ物を細かく、食べやすくするのに便利な器具
おろし器、すり鉢、裏ごし器、マッシャー、フードプロセッサー、ミキサー、ミルサー
食べ物を楽しく食べてもらうときに便利な器具
クッキーなどに使われる、食材を成型する型

より食べやすく調理するためのポイントは?

以下に食材ごとに、より食べやすい介護食を作るためのポイントをご紹介します。

野菜類

  • 大きさや硬さのあるものは、隠し包丁を入れてやわらかく食べやすいようにする
  • 刻むときは、食べ物の硬さによって大きさを調節しながら切る
  • 野菜の繊維を断つように切る
  • 栄養が逃げるのを防ぐため、葉物野菜は下茹でする
  • 特に噛む力の低下がみられるときは、葉物野菜の葉っぱの部分を優先的に使用する
  • 豆類やイモ類をつぶすときは、やわらかくつぶすのが簡単な熱いうちに行う

果物類

  • 硬くて食べにくい果物は、すりおろしてペースト状にするか、果汁にする

肉類・卵・魚類

肉類
  • 筋を切って叩いたり、細く削ぎ切りにするなどして噛みやすくする
  • ひき肉を使用すると調理がラクになる
  • 飲み込む能力が落ち、ひき肉でもむせてしまうなら、卵やじゃがいもと一緒にハンドミキサーにかけてペースト状にすると良い
  • やわらかいだし巻きやスクランブルエッグにして飲み込みやすくする
  • 茶碗蒸しや卵豆腐なら、噛む力・飲み込む力がかなり落ちても食べることができる
魚類
  • パサパサした焼き魚は飲み込みにくいので、煮魚にしてとろみをつける
  • 焼き魚ははんぺんと一緒に練り、型で形を整える

高野豆腐やこんにゃく

  • 弾力のあるものは食べにくいので、硬めの豆腐やこんにゃくは避ける
  • 高野豆腐はやわらかく作られたものか、粉状のものなら食べやすい

海藻類

  • わかめや板状の海苔は、のどに貼りついて食べにくいため介護食には適さない
  • 青のりのように細かく刻むと食べやすい

揚げ物の衣やナッツ類

  • 食感が硬く、細かくなりやすいものは、のどに残ってむせてしまいやすい
  • ナッツやごまはペースト状のものを、揚げ物の衣はソースやつゆでやわらかくする

おわりに:介護職はやわらかく・飲み込みやすく作ることが基本です

介護食は、年齢を重ねて噛む力や飲み込む力が弱った高齢者でも食べられるよう工夫された食事です。このため、介護食は「やわらかさ」「飲み込みやすさ」を重視して作ることが基本となります。圧力鍋やすり鉢、マッシャー、ミキサーなど、便利な調理器具を使って、おいしくて楽しめる食事を用意してあげましょう。

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