記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2021/4/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
加齢により噛む力、飲み込む力が衰えてくると、介護食に切り替える必要が出てきます。この記事では、介護食がどんなものかやその区分、種類とともに、市販の介護食を購入するときの選び方をご紹介します。
噛む力や飲み込む力が衰えた高齢者でも、無理なく食べられるよう工夫した食事のことを「介護食」と言います。介護食には、食べる人の噛む力・飲む力にあわせて以下の4種類に分類されます。
飲み込む力はあるものの、噛む力が衰えた人向けの介護食で、通常の食事の具材を2~3㎜の大きさにまで刻んだものです。飲み込む力の衰えが見られるときは、これにとろみをつけます。
噛む力・飲み込む力の両方が低下してきた人向けの介護食です。具材を歯茎でつぶせる程度までやわらかく煮込むか、ミキサーで潰してから固めた状態にします。
噛む力・飲み込む力の双方が、かなり低下した人向けの介護食です。やわらかく調理したものをミキサーにかけ、トロトロのポタージュ上にします。
飲み込む力に重度の障害がある人向けの介護食です。やわらか食、またはミキサー食にゼラチン・寒天・でんぷんなどを加えてゼリー状にします。
介護食には、日本介護食品協議会が制定した4つの区分があります。市販の介護食には、この4つの区分のいずれに当てはまるのかが記載されています。以下に、介護食の4つの区分と、高齢者の噛む力・飲み込む力による選び方の基準をそれぞれご紹介します。
以下の条件に該当する場合、噛む力が多少弱くなっていても、食べやすい「刻み食」がおすすめです。
以下の条件に該当する場合、噛む力・飲み込む力が弱くなっていても食べやすい、「やわらか食」がおすすめです。
以下の条件に該当する場合、噛む力・飲み込む力が弱くなっていても食べやすい「やわらか食」や「ミキサー食」がおすすめです。
以下の条件に該当する場合、噛む力・飲み込む力の双方がかなり弱くても飲み込める「ミキサー食」「ゼリー食」がおすすめです。
介護食には、調理時に加えられた工夫により「刻み食」「やわらか食」「ミキサー食」「ゼリー食」の4段階があります。これらは、食事に必要な噛む力・飲み込む力が高齢者にどの程度残っているかによって使い分けられており、市販の介護食もこれに準じ4段階に区分されています。市販の介護食を選ぶときは、実際に食事を口にする高齢者の身体的状態を基準に、1~4の区分からふさわしいものを選びましょう。