お風呂で使うと役に立つ介護用品は?

2021/4/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

介護が必要になってくると、お風呂に入るのもひと苦労です。この記事では、介護を必要とする人の入浴に役立つ介護用品の種類や選び方とともに、お風呂で介護用品を使うことのメリットをご紹介します。

お風呂で介護用品を使うメリットは?

介護用品を使って高齢者をお風呂に入れることのメリットを、介護される側の高齢者、介護する側の高齢者家族の視点に分けてご紹介します。

介護される側の高齢者にとってのメリット
  • 体を洗う、お湯に浸かる、立ち上がる、またぐなど入浴に伴う身体的負担が軽くなる
  • 床が濡れていることによる転倒やケガ、浴槽での溺死など、入浴中の事故を防止できる
介護する側の家族にとってのメリット
  • 介護用品によって高齢者本人ができる動作が増えると、介護する家族の肉体的・精神的負担が少なくなる

お風呂の介護用品の種類

お風呂で使用する介護用品として、以下のような種類があります。

入浴用いす

浴室で体を洗うときに使ういすです。介護用のものは一般的な風呂いすよりも座面が高く、ひじ掛けや背もたれなど、姿勢を安定させるためのパーツがついているのが特徴です。折り畳み可能なものや、シャワーキャリーと呼ばれる車いすタイプのものまで、高齢者の状況に合わせさまざまなタイプから選べます。

浴槽用いす

浴槽をまたぐ動作やお湯からの立ち上がり、入浴中の心臓の負担を軽くするためのいすです。浴槽に入れて使用します。

浴槽用手すり

浴槽をまたぐとき、体重移動がうまくいかなかったり、濡れた床で滑って転倒しないよう支えるものです。浴槽のふちを挟み込むように取り付けて使用します。

入浴台

ふたのように、浴槽の両端に渡して使用する板状の介護用品です。これを使うと、いったん入浴台の上に座ってから浴槽に移動することができます。

滑り止めマットもしくはすのこ

濡れた浴室の床は、滑りやすく転倒しやすい状態です。滑り止めマットは、浴室の床に敷いて浴室内での転倒事故を防ぐ介護用品です。また、マットの代わりにすのこが使われることもあります。高さがあり、脱衣所と浴室の段差を埋めてくれるので、入浴に伴う移動をスムーズにしてくれます。

入浴用介助ベルト

高齢者本人、また介護する家族が十分な力で体を持ち上げられないときに使用します。持ち手のあるベルトを高齢者の腰に取り付けることで、うまく体に力を入れられるようになり、移動や立ち上がりをスムーズにしてくれます。

入浴用リフト

高齢者の体を乗せて運び、浴槽への出入りをサポートしてくれる機械です。他の介護用品を使っても、自力での入浴が困難な高齢者に使われます。

簡易浴槽

「ポータブル浴槽」とも呼ばれる介護用品で、寝たきりなど、自室から浴室への移動が困難な高齢者に使用されます。空気式、立てかけ式、折り畳み式などのタイプがあります。

介護用品の選び方のポイントは?

お風呂で使う介護用品を選ぶときは、高齢者の身体状況と、浴室環境の両方に配慮する必要がありますが、まずは高齢者の要介護度を基準にお風呂用の介護用品を選びましょう。目安は以下の通りです。

お風呂で使う介護用品の選び方

要支援1~2、要介護1で自力での入浴が可能な場合
手すりや入浴用いす、浴槽用いすの導入を検討する
要介護1以上で、入浴介助が必要な場合
介護者が一緒に入浴することを前提に、上記に加えシャワーキャリーやすのこ、入浴台、入浴用リフトなどの導入を検討する

必要な介護用品がわかってきたら、次は、浴室環境に配慮してその大きさや色を決めていきます。大きさは、浴室の出入り口と洗い場、浴槽の高さ・幅、脱衣所と浴室の段差などを測るとともに、高齢者と介護者の体格を考慮して選びましょう。

既製品でぴったりはまる大きさの介護用品がなければ、オーダーメイドを検討するのも一案です。また、色は高齢者が湯気のなかでも見えやすい濃い色のものを選ぶのがおすすめです。

おわりに:お風呂で使う介護用品は、高齢者とお風呂の事情に合わせ選びましょう

またぐ、立ち上がる、座るなどの動作が必要な入浴は、身体機能が衰えた高齢者に大変な労力を要します。そこで活躍するのが、お風呂用の介護用品です。お風呂用の介護用品には、いすやすのこ、マット、手すりやリフトなどさまざまな種類があります。高齢者の身体状況と、お風呂環境に合わせて選び組み合わせることで、高齢者・その介護者である家族双方の入浴への負担を大幅に減らすことができます。

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