記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/5/8
記事監修医師
前田 裕斗 先生
「生活習慣病」ともいわれる糖尿病。
名前はよく知っていても、
実際にどんな症状が出るのか知らない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、糖尿病の症状や検査方法、
糖尿病が引き起こす病気について解説していきます。
以下が、糖尿病の典型的な症状になります。
・頻繁に尿意がある
・激しく喉が渇く
・十分に食べているのに、かなり空腹感がある
・極度の疲労感
・視界がぼやける
・切り傷や打撲傷などの治りが遅い
・(1型糖尿病の場合) 体重が減少し続ける
・(2型糖尿病の場合) 手足の痛みや麻痺
もし糖尿病になってしまっていても、自覚症状がないケースもあります(軽度の2型糖尿病や妊娠糖尿病※の場合)。しかし、糖尿病にかかってしまうと下記のような合併症を発症する恐れがあるため、定期健診を受けるようにしましょう。
※妊娠糖尿病:妊娠中期に、発症する可能性のある糖尿病。母体にも赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があるため、早期の診断・治療が推奨されている。
皮膚感染症や他の皮膚疾患を引き起こす可能性があります。
緑内障、白内障など眼の病気につながる恐れがあります。
糖尿病による神経障害は、「糖尿病性神経障害」と呼ばれています。糖尿病患者の多くは、何らかの形で神経損傷を起こしているといわれています。
糖尿病が引き起こす可能性のあるその他の合併症として、下記のものがあります。
・腎臓病
・高血圧
・脳卒中
・高浸透圧高血糖症候群(血糖が急激に上昇し激しい脱水を引き起こす)
・消化管麻痺
糖尿病の検査方法はさまざまですが、下記の検査が日本では用いられています。HbA1cのみが高値の場合は複数回の検査結果から糖尿病と診断されますが、HbA1cと血糖値が両方とも高値の場合、血糖値が高値で糖尿病の明らかな症状を認める場合などは1回の検査で診断されるケースもあります。
主な検査方法の例は、以下のとおりです。
過去2〜3ヵ月の平均血糖値を測定します。検査にあたっては、食事制限の必要も当日何かを飲む必要もありません。
ヘモグロビンA1cが6.5%以上の場合、糖尿病型と診断されます。
空腹時血糖値の検査です。検査にあたっては、遅くとも検査の8時間前から飲食を避ける必要があります(水を除く)。
空腹時血糖が126mg / dl以上の場合、糖尿病型と診断されます。
OGTTは、専用の甘い飲料を飲む前と飲んだ後2時間後に血糖値を測る検査です。
随時血糖(食事をとった後に測った血糖)が200mg/dl以上の場合、糖尿病の可能性が高いと考えられます。
糖尿病は、脳卒中や腎臓病といった合併症につながる可能性のある恐ろしい病気です。合併症を予防するためにも、頻尿や眼のかすみなどの症状がある方はもちろん、自覚症状のない方も病院で定期的な検査を受けることを心がけてくださいね。