気になるニキビ、なんとかしたい!―ニキビの原因と対処法を知ろう

2017/3/6

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

ある日突然ぽつっとできるニキビ。いったんその存在に気づいてしまうと気になって何度もさわったり、膿を出せば早く治るんじゃないかとつぶしたりしていませんか? もしそんな癖がある人は、ちょっと見直したほうがいいかもしれません。

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ニキビとは

ニキビは一般的な皮膚の症状で、ほとんどの人が一定の時期に悩むものです。にきびの中には、触ると熱を持つものや痛みを伴うものがあります。ニキビはほとんどの場合顔にできますが、背中や胸にできたりする人もいます。

原因

ニキビは、思春期のホルモンレベルの変化と関連している場合が多いです。ある種のホルモンが毛穴からの皮脂分泌を活発にすることで、本来無害な皮膚の細菌(プロピオニバクテリウム・アクネス)が活動変異を起こし、炎症および膿を作ったり、毛穴の内側を厚くして毛穴の詰まりを引き起こしたりします。

そのほかの要因として、ニキビは家族で遺伝する場合があります。両親ともニキビがある場合は、子どももニキビができる可能性が高いです。また女性の場合、月経周期や妊娠中に起こるようなホルモンの変化もニキビの原因になります。

発症しやすい人

ニキビは16歳から19歳の男子と14歳から17歳の女子に多く発症がみられます。ほとんどの人は、年齢を重ねるにつれて症状が改善していきます。20代の半ばになると、ニキビに悩まされることはほとんどなくなると思いますが、場合によってはそれ以降もニキビが発症する人がいます。

種類

ニキビが原因の吹き出物の種類には主に6種類あります。

白ニキビ(ホワイトヘッド)

毛穴に詰まった皮脂や老廃物などが皮膚から浮き出ている状態です。

黒ニキビ(ブラックヘッド)

小さな黒色または黄色がかった吹き出物です。毛穴の内側の皮膚が酸化したり、色素沈着したりするために変色します。

丘疹(きゅうしん)

体の表面にできる、直径が1センチ以下の隆起です。

膿疱(のうほう)

丘疹に似ていますが、中心が白くなっているところが異なります。

結節(けっせつ)

皮膚の表面の下にできる直径1センチ以上の硬い隆起です。痛みを伴うこともあります。

嚢胞(のうほう)

ニキビによって引き起こされる最も深刻な吹き出物で、膿が詰まっています。

対処法

以下にご紹介するセルフケアで、ニキビの症状が改善します。

洗いすぎない

患部を1日2回以上洗わないでください。頻繁に洗うとかえって皮膚を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。

ぬるま湯でやさしく洗う

患部はぬるま湯で、かつ、洗浄力の弱い石けんもしくは洗顔料で洗ってください。熱すぎるお湯や冷たすぎる水を使うとニキビを悪化させる可能性があります。

患部をごしごし洗わない

ニキビができているところや、ニキビがつぶれた部分を何度もさわったり、こすったりしないでください。ニキビの悪化だけでなく、痕が残ってしまう可能性があります。

化粧品は油分が少ないものを選ぶ

「ノンコメドジェニック」と記載されている、油分を控えた化粧品を使用してください。こうした商品を使うことで、毛穴がふさがるのを予防することができます。

寝る前にメイクを取る

1日の汚れが残ったまま眠ると、毛穴がふさがるリスクが高まります。洗うときは低刺激のものを使いましょう。

髪の毛が顔に触れないようにする

髪の毛の刺激でニキビが炎症を起こすことがあります。髪の毛は定期的に洗ってください。

もし、上記のセルフケアでも症状に改善が見られない場合は、薬局やドラッグストアで相談するか、医師の診察を受けてください。

医師の診察を受けたほうがよい場合

結節や嚢胞を発症した場合は、痕が残るのを防ぐためにも医師による診断と適切な治療が必要です。つぶしたり、中の膿を搾り出したくなると思いますが、永遠に痕が残ってしまう可能性があるので、やめてください。

一般に、治療の効果が現れるまで、最大3カ月かかります。すぐに結果が出ないからといって焦らないでください。

おわりに

毛穴の詰まりからできてしまうニキビ。普段から肌の汚れを落とすよう心がければ、毛穴の詰まりを防ぐことができます。ニキビができると気になってしまいがちですが、痕が残らないよう、触らず、やさしくケアしてあげましょう。

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