動悸は心臓の異常のサイン?危ないときの動悸の特徴とは?

2017/2/27 記事改定日: 2018/11/13
記事改定回数:1回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

ときどき心臓が急にバクバクと動き出ししたり、階段をゆっくり登っているのに息切れして立ち止まってしまったりする……。もしかすると、心臓に負担がかかりすぎているのかもしれません。
この記事では、動悸がどのようなサインとして起こるのか、心臓への負担を減らすためにできることについて説明していきます。

動悸とは、どんな状態?

動悸とは、心臓の拍動がいつもよりも速く感じたり、強く感じたりする症状のことです。また、心房細動などの不整脈を生じたときにも拍動の乱れを動悸と感じることがあります。

心臓は全身に血液を送り出すポンプのような働きをしています。そのため、心臓は常に拍動を繰り返しており、安静時にはほぼ一定の拍動数が保たれています。しかし、運動をして体により多くの血液が必要になったり、緊張して交感神経が刺激されたりすると、心臓の拍動数は増加します。
これらは、ヒトが生命を維持する上で必要な反射といえます。しかし、中には重篤な病気が原因で動悸が引き起こされることもあるので注意が必要です。

動悸が起こる原因は?

動悸は心臓の拍動が乱れることによって引き起こされます。
主な原因は、体内により多くの血液が必要になること、交感神経が刺激されていること、心臓のポンプ機能が低下していることなどが挙げられます。それぞれが動悸を引き起こすメカニズムや代表的な病気は以下の通りです。

体内に、より多くの血液が必要になる場合

代表的な病気は貧血です。血液中にはヘモグロビンと呼ばれるたんぱく質があり、酸素と結合することで体内に酸素を運搬する働きがあります。
貧血はこのヘモグロビンが減少することで、体内への酸素供給量が減少することです。その結果、必要な酸素をまたなうために拍動数を増やして多くの血液を体内へ供給する必要が生じることで動悸が起こります。

交感神経が刺激されている場合

交感神経が刺激されると、心臓には拍動数を増やす作用が働きます。
交感神経が刺激される原因としては、日常的なストレスや睡眠不足、甲状腺機能亢進症や更年期障害などのホルモンバランスの異常、低血糖などが挙げられます。

心臓のポンプ機能が低下している場合

心不全などで心臓のポンプ機能が低下すると、体に必要な血液を拍出しようとして、心臓は正常時よりも早く強く拍動するようになります。

こんな動悸には注意!病院に行った方がいい症状とは?

動悸には、心房細動などの重篤な合併症を引き起こす不整脈や心不全、消化管出血による重度の貧血などが潜んでいる可能性があります。以下のような症状に当てはまるときはなるべく早く病院を受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。

  • 脈のリズムが一定でない
  • 息切れ
  • めまい
  • 立ちくらみ
  • むくみ
  • 夜間の呼吸苦
  • 黒色便

心臓への負担を減らすには、どうすればいい?

禁煙する

タバコを吸っていたら、いますぐ禁煙することが心臓を守る一番の近道です。喫煙は、冠状動脈性心疾患の主な原因の1つです。タバコをやめた瞬間から体の修復が始まるため、禁煙に遅すぎるということはありません。実際、禁煙から1年経つと、心臓発作のリスクが喫煙者の約半分にまで下がります。

バランスのよい食生活を心がける

健康的でバランスのとれた食事を心がけてください。野菜やフルーツ、食物繊維が豊富な食べ物を食べると、バランスのよい食事になり、心臓病のリスクを下げることにつながります。

飽和脂肪酸が多い食べ物を摂りすぎると、血中のコレステロール値が上昇する可能性があります。コレステロール値が高いと心臓病のリスクを高めます。脂肪分の少ない肉や、低脂肪の乳製品を選んでください。

一方、魚の場合は脂を多く含む魚を含めて積極的(少なくとも週2回)に食べましょう。特に、サバ、イワシ、マグロ、サーモンなどは、心臓病を防ぐのに役立つオメガ3脂肪酸の供給源になります(ただし、妊婦中や授乳中の女性は、脂の多い魚を週に2回以上食べるのは控えてください)。

塩分を控える

成人が1日に摂取できる塩分は6g未満(小さじ1杯程度)です。塩分を摂りすぎると血圧の上昇や心臓の働きに悪影響を及ぼします。食事に塩やしょう油を付け足すのはやめるのはもちろん、料理で使う塩分も少なくしてください。最初は物足りなく感じるかもしれませんが、減塩した料理の味に慣れると、塩分を完全にカットすることもできるようになります。

調理済みの食品には、塩分が多く含まれているものが多いので気をつけてください。1日に摂取する塩分の大半は、購入する食品にすでに入っています。購入する前にパッケージの成分表を確認し、どのくらい塩分が含まれているかをチェックしましょう。100gあたり1.5g以上の塩、または0.6gのナトリウムを含む食品は塩分が高い、と覚えておくとよいでしょう。

なお、パッケージの成分表には塩分量だけでなく、カロリーや脂肪分、糖分の含有量も記載されています。それぞれの食品に含まれている栄養素が何かを把握しておくと、この後の食事でどのように調整すればよいかを知り、健康的な選択をすることができます。

アルコールを控える

アルコールにはカロリーがあることを忘れないでください。普段から大量に飲酒していると、体重の増加につながります。心臓病のリスクを含む健康上の重大な問題のリスクを減らすために、適量(男女とも1週間あたり14単位以内)を飲むよう心がけてください。

運動する

運動する習慣づくりができると、健康的な体重を維持することに役立つだけでなく、太りすぎを解消して心臓病を発症するリスクを減らすことにもつながります。また、気分が良くなるのでストレスを解消することにも役立ちます。

毎週少なくとも150分以上、ウォーキングやサイクリングといった有酸素運動を行いましょう。これは週5日、30分運動することでクリアーできます。たとえば会社から数駅分歩いたり、自転車で通勤したりすると、無理なく有酸素運動を取り入れることができます。

おわりに:心臓に問題が起こらないように、日頃の生活習慣を見なおそう

心臓疾患を患うと、血管をつなぐ手術をしたり、ペースメーカーをつけたりなど、その後の生活環境が変わったり、気をつけなければいけないことが増えたりする可能性があります。
自分の健康は、自分で守ることが大切です。快適な日々を過ごせるよう、自分でできることは少しずつ取り組みましょう。また、もし症状に改善がみられないときは医師の診察を受け、適切な治療やアドバイスをもらってください。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

タバコ(64) 禁煙(79) 運動(177) 酒(4) 心臓(18) 動悸(49) 息切れ(33) 塩分(41) 控える(1)