記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/27
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
健康診断で自分や家族が高血圧と診断されてしまった……。そんなとき、もちろん薬による治療が必要になりますが、あわせて取り組んで欲しいのが塩分を抑えた食生活。高血圧の原因のひとつは塩分の摂りすぎと言われているんです。ご家族の健康のために、減塩生活を始めてみませんか?
摂取する塩分の約75%は、パンやインスタント食品といった日常的な食べ物にすでに入っているので、さらに塩を加える必要はありません。
自宅で食事するにせよ、外食するにせよ、味見もせずに料理にとりあえず塩分を加えるのはやめましょう。かける前に、まず味を確認してください。食べる前に塩味の強いもの(しょうゆ、ソースなど)をかける習慣のある人は多いですが、たいていの場合、塩をかけなくてもおいしいです。
塩分の摂取量を減らすための第一歩は、食品を買うときに塩分の少ないものを選ぶことです。以下にその方法をご紹介します。
日常品を購入する際、食品包装の栄養表示を比較しましょう。ラベルをチェックし、塩分がより低いしょうゆやソース、パンなどを選べば、塩分摂取量を減らすことができます。1週間に1つの食べ物を選んで、塩分が低いものと換えてみることから始めましょう。
ベーコンやハムを買うときは減塩のものを選びましょう。また、塩漬けの肉や魚は塩分が多いので、食べる頻度を減らしましょう。また、缶詰に入った野菜や豆を買うときは、塩が加えられていないものを選んでください。
健康を考えて、間食はニンジンやセロリのスティックといった果物や野菜を選びましょう。もしポテトチップスやクラッカーを買うなら、ラベルをチェックし、塩分の低いものを選んでください。そのほか、脂肪や砂糖の含有量も忘れずに確認してください。
料理のときに食べ物に塩を加える人は多いですが、塩の変わりにたとえば以下のような調味料を使うと味に深みを出すことができます。
パスタやスクランブルエッグ、ピザ、魚料理、スープに合います。
パスタ料理や野菜、肉には新鮮なハーブやスパイスを、炒め物にはニンニクやショウガ、唐辛子、ライムなどがお勧めです。
だしやスープの素を使う代わりに、昆布やかつおを使って自分でだしを取ったり、野菜くずでベジブロスを作ったりしてみましょう。難しいときは、塩分の少ない製品を探してください。
ピーマンやトマト、ズッキーニなどの野菜を焼いて風味を引き出してみてください。
レストランやカフェで食べたり、テイクアウトを注文したりするときは、塩分の少ない食べ物を選びましょう。
ベーコン、チーズ、バーベキューソースなどの塩分が高いトッピングは避け、その代わりにサラダを選びましょう。
ハムやチェダーチーズをはさんだものではなく、アボカドやピーマンといった野菜や鶏肉、卵、モッツァレラのものを選んでください。また、ピクルスやマスタードは塩分が強いことが多いので、代わりに低脂肪マヨネーズを選びましょう。
ドレッシングやソースの中には塩分や脂肪分が高いものがあるので、必要な分だけかけるようにしてください。かけおわったら、ドレッシングやソースは片付けましょう。
トッピングはサラミやベーコン、チーズではなく、野菜や鶏肉のものを選びましょう。
ベーコン、チーズ、ソーセージではなく、野菜か鶏肉のトマトソースを選んでください。
チャーハンを食べるのではなく、塩分が低い白米を食べましょう。
発泡性(水溶性)ビタミンサプリメントを日常的に摂取しているか、必要に応じて発泡性の鎮痛剤を服用している場合は、1錠あたり塩分が最大1g含まれていることを忘れないでください。塩分摂取量を減らす必要がある場合は、非発泡性の錠剤への変更を検討してください。
減塩生活を始めた人が最初に戸惑うのが、「味がしない、物足りない」と感じてしまうこと。つい、今までのようにしょうゆやソースを加えたくなりますが、ぐっとこらえて一口ひとくちゆっくり味わいながら食べてもらいましょう。少しずつ、今まで気づかなかった食べ物の味に気づくはずです。慣れないうちはスパイスを活用しながら、減塩生活を続けていきましょう。