高齢者のたんぱく質不足を防ぐ!筋肉を守る食事のポイント

2026/3/10

筋肉の維持は自立した生活の土台になる

年齢とともに筋力が落ち、立ち上がりや歩行が億劫になることがあります。活動量が減ると食事量も落ちやすく、さらに筋肉が減りやすいという循環に入りやすくなります。筋肉量や筋力の低下は、転倒や生活機能の低下にも関わるため、栄養と運動を組み合わせて守る視点が大切です。
食事面で中心になるのが、エネルギー不足の予防と、たんぱく質の確保です。ただし、持病や嚥下状態によって適量は変わるため、一般的な目安を出発点にしながら、本人に合う形へ調整していきます。

サルコペニアと低栄養の関係

e-健康づくりネットでは、サルコペニアの主な要因は加齢である一方、活動不足、疾患、栄養不良が危険因子とされています。また、高齢者の低栄養予防の解説では、たんぱく質の質も考慮したバランスの良い食生活と、身体能力に合わせた運動を普段から心がけることが、低栄養の予防となり要介護予防につながるという考え方が示されています。
つまり、食事量が少ない時に単にたんぱく質だけを足すのではなく、食べられる量や好み、噛む力や飲み込みやすさも含めて整えることが、続けるための条件になります。

必要量の目安と1日の配分

厚生労働省の日本人の食事摂取基準2025年版の策定ポイント資料では、たんぱく質の食事摂取基準として、65〜74歳の推奨量は男性60g 1日、女性50g 1日、75歳以上も男性60g 1日、女性50g 1日が示されています。疾患治療を目的とする場合は治療ガイドライン等を用いることも併記されており、持病がある場合は医療者と相談する前提で用います。
実生活では、1日総量だけでなく配分が重要です。朝食が軽い人は昼と夜に偏りやすく、筋肉を維持する材料が不足しがちになります。主食に加え、主菜として肉、魚、卵、大豆製品のいずれかを毎食に小さくでも入れる、乳製品を間食や補食に回す、といった分配が有効です。噛む力が落ちている人は、ひき肉、豆腐、卵料理、魚のほぐし身、やわらかいチーズやヨーグルトなど、形を変えて摂りやすくします。
食欲が落ちている場合は、まずエネルギー不足の予防が優先です。食事回数を増やす、少量でエネルギーがとれる食材を取り入れる、栄養補助食品を管理栄養士と相談して活用するなど、食べられる形を作ります。

腎臓病や嚥下障害がある場合の調整と受診目安

たんぱく質は重要ですが、腎臓病などで制限が必要な人もいます。食事摂取基準の資料でも、疾患がある場合は治療ガイドライン等を用いる旨が示されています。持病がある場合は、自己判断で高たんぱくにせず、主治医や管理栄養士に確認します。
また、むせやすい人は、たんぱく質食品そのものが食べにくい場合があります。食形態を整え、食事姿勢やペースを調整し、必要に応じて嚥下評価やリハビリを検討します。受診の目安としては、体重が意図せず減る、筋力低下が急に進む、食事がほとんどとれない日が続く、発熱や咳が続くなどがあります。

まとめ 少量でも毎日積み上げる

筋肉を支える食事の基本は、エネルギー不足を防ぎ、たんぱく質を毎日の食事で確保することです。推奨量は目安として理解し、本人の嚥下状態や持病に合わせて、食べやすい形と配分で続けることが大切です。状態に変化があるときは、医療者と相談しながら調整します。

引用・参照:
厚生労働省|日本人の食事摂取基準2025年版 策定ポイント資料|2025|https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
e-健康づくりネット|高齢者の低栄養予防|2024|https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-014.html
e-健康づくりネット|サルコペニア|更新年不明|https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/exercise/ys-087.html
厚生労働省|日本人の食事摂取基準|2025|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

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