汗をかく時期の水分不足を防ぐ食べ物・飲み物とは

2026/6/10

汗をかくと水分とミネラルが失われます

気温や湿度が高い日、運動や屋外作業をした日、入浴後や発熱時などは、ふだんより汗をかきやすくなります。汗は体温を調節するために必要な働きですが、汗とともに水分やナトリウムなどのミネラルも失われます。補給が追いつかない状態が続くと、だるさ、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、筋肉のこむら返りなどが起こることがあります。

水分不足は、屋外だけで起こるものではありません。室内でも、風通しが悪い場所、湿度が高い場所、エアコンを控えている環境では、体に熱がこもりやすくなります。また、忙しさで飲み物をとる機会が少ない人、食事量が落ちている人、子ども、妊娠中の人、持病がある人、介護を受けている人では、体調の変化に早めに気づくことが大切です。

のどの渇きは水分不足の目安になりますが、渇きを感じてから飲むだけでは足りないこともあります。起床後、食事のとき、外出前後、運動前後、入浴前後、就寝前など、生活の区切りに合わせてこまめに水分をとるようにしましょう。介護の場面では、本人の訴えだけでなく、食事量、飲水量、尿の回数や色、表情、会話の反応などをあわせて確認すると変化に気づきやすくなります。

水分補給には食事内容も関係しています

水分補給というと、水やお茶を飲むことを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、私たちは飲み物だけでなく、食事からも水分をとっています。ごはん、みそ汁、スープ、煮物、果物、ヨーグルトなどには水分が含まれており、食事量が減ると水分の摂取量も少なくなりやすくなります。

暑い時期は、冷たい麺類や飲み物だけで食事をすませてしまうことがあります。ただし、食事が偏ると、体を動かすためのエネルギーや、筋肉や血液をつくるたんぱく質、体調を整えるビタミンやミネラルが不足しやすくなります。汗をかく時期こそ、主食、主菜、副菜を基本に、無理のない範囲で食事のバランスを整えることが大切です。

たとえば、冷やしうどんだけで済ませるのではなく、卵、鶏肉、豆腐、納豆、ツナ、野菜、海藻などを加えると、たんぱく質やミネラルを補いやすくなります。食欲が落ちているときは、具だくさんのみそ汁、卵入りスープ、豆腐のあんかけ、魚の煮物、茶碗蒸し、ヨーグルト、果物など、水分を含み、口当たりのよいものを取り入れるとよいでしょう。

汗をかいた日に取り入れたい飲み物と食べ物

日常的な水分補給では、水や麦茶などを基本に考えます。甘い清涼飲料水を多く飲むと、糖分のとりすぎにつながることがあるため、量や頻度に気をつけましょう。カフェインを含む飲み物やアルコールは、飲み方によっては水分補給として適さない場合があります。暑い時期の水分補給では、飲みやすさだけでなく、体調や生活状況に合わせて選ぶことが大切です。

大量に汗をかいたとき、長時間暑い場所にいたとき、運動や作業で発汗が続いたときは、水分だけでなく塩分の補給も意識します。ふだんの食事がとれている場合は、みそ汁やおかずから塩分をとっていることが多いため、むやみに塩分を増やす必要はありません。一方で、食事が十分にとれていない日や発汗量が多い日は、塩分を含む飲み物や食品を活用することがあります。

食べ物では、汁物、野菜や海藻を使った料理、果物、乳製品、大豆製品などを組み合わせると、水分と栄養を一緒にとりやすくなります。梅干しやみそ汁などは塩分を含むため、汗をかいた日の食事に取り入れやすい食品ですが、高血圧、腎臓病、心臓病などで塩分や水分の制限を受けている人は注意が必要です。主治医から指示がある場合は、その内容を優先してください。

経口補水液やスポーツドリンクの使い方

下痢、嘔吐、大量の発汗などで脱水が心配されるときには、経口補水液が役立つ場合があります。経口補水液は、水分と電解質を補う目的で作られたもので、一般的な清涼飲料水とは用途が異なります。日常の飲み物として漫然と飲むものではなく、必要な場面で使うことが大切です。

経口補水液にはナトリウムやカリウム、糖質が含まれます。腎臓や心臓の病気がある人、血圧や血糖の管理をしている人、医師から水分や塩分について指示を受けている人では、自己判断で多く飲むことは避けましょう。使い方に迷う場合は、医師、薬剤師、管理栄養士などに相談すると安心です。

スポーツドリンクは、運動時や発汗時の水分補給に使いやすい飲み物ですが、糖分を含むものが多いため、日常的に多量に飲むと食生活のバランスが崩れることがあります。暑い時期だからといって、常にスポーツドリンクや経口補水液を選ぶ必要はありません。ふだんは水やお茶を中心にし、汗の量、食事の状況、体調に応じて使い分けましょう。

受診や相談を考えたい体調変化

汗をかいたあとに体調がすぐれない場合は、まず涼しい場所に移動し、衣服をゆるめ、体を冷やしながら水分をとります。首の周り、脇の下、足の付け根などを冷やすと、体温を下げる助けになるとされています。水分をとれる状態であれば、少量ずつゆっくり飲むようにしましょう。

一方で、自力で水分を飲めない、呼びかけへの反応が弱い、意識がはっきりしない、けいれんがある、呼吸が苦しそう、体温が高い状態が続く、症状が急激に悪化している場合は、早めに救急要請を含めて医療機関へ相談する必要があります。子どもや介護を受けている人では、本人が症状をうまく伝えられないこともあるため、周囲が様子を見守ることも大切です。

また、発熱、下痢、嘔吐が続いているとき、尿が極端に少ないとき、強いだるさが続くとき、持病がある人でいつもと違う症状がみられるときも、無理にセルフケアだけで対応しないようにしましょう。水分補給や食事の工夫は予防や軽い不調の支えになりますが、急な悪化や重い症状がある場合は医療機関での確認が必要です。

おわりに

汗をかく時期の水分不足は、年齢にかかわらず誰にでも起こる可能性があります。水やお茶をこまめに飲むことに加え、食事から水分と栄養をとること、汗をかいた日の塩分補給を必要に応じて考えることが、体調管理の支えになります。

ただし、塩分や水分の必要量には個人差があります。持病がある人、薬を服用している人、妊娠中の人、子ども、介護を受けている人では、一般的な対策がそのまま合わないこともあります。日ごろの食事や飲み物を見直しながら、体調の変化に早めに気づき、必要に応じて医療職へ相談しましょう。

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