子どもの嘔吐や下痢のときに整えたい食事と水分補給

2026/6/10

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

子どもは水分不足に早めの注意が必要

子どもが嘔吐や下痢をすると、水分と電解質が失われます。体が小さい子どもは、短時間で水分不足になりやすい場合があります。保護者や介護者は、嘔吐や便の回数だけでなく、尿の回数、口や唇の乾き、涙の量、顔色、機嫌、眠り方を観察しましょう。感染性胃腸炎、発熱、暑さ、食欲低下が重なると、脱水のリスクが高まることがあります。食事を早く戻すことより、まず水分を保つことが大切です。乳児、持病がある子ども、医療的ケアがある子どもでは、早めに医療者へ相談しましょう。

吐いた直後は少量から始める

嘔吐した直後に多く飲ませると、再び吐いてしまうことがあります。吐き気が落ち着いてきたら、スプーン一杯程度の水分から始め、数分おきに少量ずつ続けます。飲めるようであれば少しずつ量を増やします。経口補水液は、脱水時の水分と電解質の補給に使われる食品です。ただし、年齢や状態によって適した量が異なるため、ぐったりしている、水分を受け付けない、繰り返し吐く場合は、家庭だけで様子を見続けないことが大切です。母乳やミルクを飲んでいる子どもは、医療者の指示に沿って続け方を確認します。

食事は無理に進めない

吐き気があるときは、無理に食べさせる必要はありません。水分がとれるようになり、吐き気が落ち着いてきたら、おかゆ、うどん、スープ、バナナ、やわらかく煮た野菜などを少量から始めます。脂っこい料理、冷たいもののとりすぎ、甘い飲料の多量摂取は、下痢を悪化させる場合があります。食べないことを叱るより、尿が出ているか、顔色や反応が普段と違わないかを確認します。元気が戻ってきたら、通常の食事へ少しずつ近づけていきましょう。

家庭内で感染を広げない

嘔吐や下痢の原因には、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎が含まれます。家庭では、手洗い、吐物や便の処理、タオルの共有を避けることが重要です。吐物を処理するときは、可能であれば使い捨て手袋やマスクを使い、処理後は石けんと流水で手を洗います。症状がある人が調理を担当すると、食品を介して広がることがあるため、可能であれば調理を避けます。きょうだいや同居家族の体調にも注意し、登園や登校の再開は園や学校の基準を確認しましょう。

受診を考えたいサイン

半日以上尿が出ない、泣いても涙が少ない、口の中が乾いている、ぐったりしている、水分をほとんど受け付けない、嘔吐を繰り返す、血便がある、強い腹痛がある、呼吸が苦しそう、けいれんがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。夜間や休日で判断に迷う場合は、地域の小児救急相談を利用します。子どもの食事支援では、早く食べさせることより、状態を見ながら水分を保ち、必要な時期に医療につなげることが大切です。

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