妊娠初期に肌荒れしやすいのはどうして?いつまで続くの?

2017/5/10 記事改定日: 2018/3/16
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

妊娠したとたん「ニキビのような吹き出物ができた気がする」「肌がガサガサになったんじゃないかな」「皮膚の一部が黒く変色したように見えるんだけど」といった肌トラブルが起きてびっくりしていませんか?これらはすべて、妊娠初期に起こりがちな肌荒れなんです。なぜこうした肌荒れが起こってしまうのでしょうか。また、肌荒れを改善することはできるのでしょうか。

妊娠初期の肌荒れってどんな症状?

妊娠初期に起こりやすい肌荒れとして、以下のような症状があります。

肌の乾燥・かゆみ

妊娠初期に、肌の乾燥やかゆみといった症状がみられることがあります。これは、妊娠中に摂取した水分やビタミン、ミネラルは、赤ちゃんのほうに優先的に供給されるためです。

発疹、赤み、ニキビ

妊娠ホルモンの影響で、毛穴から皮脂が過剰に分泌したり、あせもができやすくなったりします。また、妊娠性そう痒性蕁麻疹様丘診(PUPPP:太ももやお腹に、かゆみを伴う赤くて盛り上がった隆起ができる)ができることもあります。そして、腕の内側の肌にできるブツブツ状の湿疹も、妊娠中にはよく起こりやすい肌荒れのひとつです。

肌の色が変色する

手のひらや足の裏の色が赤くなることも、肌荒れのひとつと言えます。また、乳輪やわきの下、足の付け根の色が濃くなっていることに気づく方もいるかもしれません。

妊娠性肝斑(かんぱん)

妊娠性肝斑は、額や上唇や頬にできる、暗いしみのような茶色の斑点です。妊娠性肝斑は珍しいものではなく、妊婦の50〜75%にみられるもので、妊娠ホルモンであるエストロゲンが急激に上昇し、過剰なメラニン産生を刺激したためにあらわれます。

妊娠性肝斑になると、そばかすやほくろの色も濃くなったり、腹部の中心には正中線と呼ばれる茶色い線が入ったり、乳輪の色はより濃くなったります。日光に当たると悪化する可能性があります。

妊娠初期の肌荒れ、いつまで続くの?

妊娠初期に起こりやすい肌荒れは、つわりが落ち着いて、精神的にも肉体的にも負担が軽くなる頃(妊娠中期ごろ)に落ち着いてくることが多いようです。ただ、肌荒れの程度や体質は個人差があるので、場合によっては出産まで肌荒れの状態が続く可能性もあります。

肌の重要な働きとは?

肌は、外界と接点のある臓器のひとつです。体は肌に守られているおかげで、脱水を防いだり、有害な細菌が体内に侵入したりするのを防いでくれます。また、肌には熱さ、冷たさ、痛みを感じるのに欠かせない末端神経が多く存在しています。この感覚があるおかげで、傷がつくと痛みを感じることができます。

また、肌には体温を一定に保つ役割もあります。体温が上がりすぎると、毛細血管の近くにある血管が膨張し、熱くなった血液を冷やそうとします。

そして、肌が太陽の光に当たるとビタミンDが作られます。ビタミンDは、骨をはじめ、体を健康に保つために欠かせない栄養素です。太陽光を浴びることで、肌の健康を保つことができます。日焼けに気をつけつつ、太陽光を浴びることが大切です。

妊娠初期に肌荒れが起こるのはどうして?

それでは、なぜ妊娠初期に肌荒れが起こってしまうのでしょうか。その原因として、以下のようなことが考えられます。

ホルモンバランスの乱れ

妊娠初期はプロゲステロンやエストロゲンといったホルモンがたくさん分泌されるため、ホルモンバランスが乱れます。ホルモンバランスが変わると、肌の水分量が変化したり、敏感肌になったりするため、肌荒れが起こると考えられます。

食事量の変化

妊娠初期はつわりで食べ物の好みが変わったり、食欲がなくなったりすることがあります。たとえば、脂っこいものや甘い物を食べることが増えたために肌の状態が悪化したり、食べる量が減ったことで栄養や水分が行き届かなくなって肌荒れを起こしたりする妊婦さんも多くみられます。

ストレス

妊娠初期はホルモンバランスの変化やつわりといった体の変化だけでなく、妊娠や出産に対する不安を抱えやすい時期でもあります。体調の変化に加えて、妊娠前のように自由に行動できないストレスなどが原因で、肌荒れを引き起こすことがあります。

どうすれば肌荒れを改善できる?

以下に、妊娠初期の肌荒れを改善するためのヒントをご紹介します。

こまめに水分補給をする

水分をたくさん摂ることで、肌を保湿し、健康に保つことができます。

肌にやさしい洗顔フォームを使う

吹き出物に悩まされている場合、肌にやさしい洗顔フォームで洗いましょう。毛穴落としのスクラブ入りのものなどは、肌に刺激を与えやすいのでなるべく使わないようにしてください。

肌のべたつきが気になるようでしたら、洗顔は2回行っても大丈夫ですが、顔を洗いすぎると肌の水分を失ってしまう可能性があります。洗顔時間は短めにするとともに、ぬるま湯で流すようにしましょう。

スキンケア用品にを変える

化粧品やスキンケア商品は、毛穴を詰まらせないものや、無香料のものを使用するようにしてください。また、保湿効果のあるオイルフリーのものは、皮脂の過剰な分泌や毛穴詰まりを防いでくれます。

皮膚科に行くときは妊娠していることを伝えよう

肌荒れがひどい場合、皮膚科で診てもらうのがおすすめです。ただし、担当の医師に必ず妊娠していることを伝えてください。アクネ菌に効果のある薬など、妊娠中に服用してはいけないものがあります。

湿疹がでているときは、妊娠中でも少量のコルチゾンクリーム(ステロイド軟膏)を使うことができると言われています。ただし、その場合も医師に症状を相談し、推奨のものを聞いてください。

おわりに:妊娠初期は肌荒れしがち。やさしくケアすることが大切

妊娠初期はホルモンがたくさん分泌されるため、肌にもこれまでとは違う変化があらわれます。肌にやさしいスキンケア製品に変えたり、こまめに水分補給をしたりして、肌をやさしくいたわってあげましょう。もし、妊娠前から皮膚に影響のある美白や角質取りなどや、肌に刺激の強いケミカル療法をしているようでしたら、いったん中止して肌に負担をかけないようにしてください。

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