子供の自閉症~症状や原因・診断方法など~

2017/6/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

周りの子供と比べて、言葉を全然喋らなかったり、呼びかけに反応しないことが多かったり…。

「うちの子、もしかして自閉症?」と心配している保護者の方向けに、自閉症の症状や原因、診断、治療方法などを広くご紹介します。

自閉症とは

自閉症(正式な病名は「自閉症スペクトラム障害(ASD)」)とは、他者(身近な家族も含む)と普通にコミュニケーションをとったり交流したりする子供の能力を妨げる、一連の脳疾患を総称して言うものです。子供の自閉症の症状は軽度のものから深刻なものまでさまざまですが、子供の自閉症の多くは3歳よりも前に現れるため、治療を早い時期に始めることができます。

自閉症の初期症状

生後18ヵ月以前の子供に現れる、自閉症の初期症状には以下のものがあります。

・言語の遅れ(赤ちゃん言葉を話さない)
・子供の名前を呼んでも振り向かない
・呼びかけに反応しない(「見て見て!」と何かを指差しても子供がそれを見ない)
・笑顔を見せない
・他人と目を合わせることができない
・ボールペン、懐中電灯、鍵、フィギュア人形などの固い物に愛着を持ち、毛布やぬいぐるみなど柔らかいものを好まない

自閉症の原因

子供が自閉症を発症する正確な原因は不明ですが、遺伝子的要因(遺伝子や染色体異常、妊娠中の風疹感染、妊娠中の胎児の脳へのダメージなど)や環境的要因(親の年齢※など)、汚染物質の影響など複合的な要因によって引き起こされるのではないかと考えられています。

(※現在も研究が行われていますが、「40歳以上の女性の出産は25歳以下の女性と比べ、自閉症の子供が生まれてくる確率が2倍」との報告や、「子供が自閉症や統合失調症になる原因として、父親の年齢が高かったことが関連している」という最新の研究があります。)

ワクチン接種で自閉症に?

「ワクチン接種で自閉症になる」という話を聞いたことのある人もいるかもしれませんが、これは事実ではありません。事実、水疱瘡、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、風疹(MMRワクチン)と自閉症の関連性について過去に発表されたことはありますが、その研究結果は1998年に取り消されています。

自閉症の診断方法は?

子供に自閉症の初期兆候が見られる場合は、小児科医に相談してみてください。子供が年齢に応じた行動をしない場合、またはスクリーニング検査によって自閉症かどうかが診断されます。

自閉症の治療方法は?

自閉症を完治させる方法はありませんが、小さい頃から対処することにより子供の人生は大きく変わります。例えば行動治療法を用いることで、社会性や言語能力を発達させることができますし、薬物治療により衝動的行動や多動性を治療することができます。

おわりに:子供の自閉症は早期治療を!

お子さんに当てはまる症状はあったでしょうか。自閉症を完治させるのは難しいかもしれませんが、早期発見・治療により症状の改善が期待できます!もし子供の自閉症の疑いが強い場合は、ひとりで悩まずに早めに専門医のもとを受診するようにしてくださいね。

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