記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
地域で、ひとり孤立して生活している高齢者が増えています。
体は健康に見えて、助けなど必要のないように見えても、毎日の生活に支障をきたしている場合があります。
精神的な孤独を感じているかもしれません。孤立した高齢者を助ける方法はたくさんあります。
高齢者をサポートするには、地域のや信頼できる組織のボランティアに応募するのがまず一歩。ただ電話で話し相手になる、ということでも大きな効果があります。
何日も人と会話をしていない高齢者が山のようにいます。
決して押し付けてはいけません。自分の気持ちをうまく表現できない高齢者も多いです。
誰がどのような助けを求めているのかは、簡単にわかりません。ひとり暮らしだからといって、必要としていない人も多いのですから。でもご近所でよく見かける人がいたら、会釈することからはじめて、道ですれ違ったときにことこと声をかけてみてはいかがでしょうか。
耳の遠くなった人も多いですので、はっきりと聞き取れるように話してみましょう。そのうちに少し長いことばをかけられるようになったら、文章や質問の合間で間をおきましょう。
こうすることによって高齢者が情報をかみくだき理解する時間を得られるのです。
また、返事をする時間的余裕を与えましょう。急がせてはいけません。最近は高齢者を狙った詐欺などが多く、警戒している人が多いですから、自分はどこの誰なのかを理解してもらえるようにしてください。
地域には、以下のような高齢者がいます。
・独りで暮らしている
・ほとんど外出しない
・最近死別を経験した
・健康状態が良くない、障害がある、視覚・聴覚が衰えている
・親戚が付近に住んでいない
買い物、郵便物の投函、処方箋や薬の受け取り、または犬の散歩、といった小さなことで困ってはいないか、たずねてみましょう。
外出する必要があるのに、ひとりでは不安と感じているようなら、同行できること、または車に乗せて行けることを提案しましょう。
決して強く言ったり、気持ちに踏み込まないようにしてください。このようなことは、ボランティア組織に所属しなくてもできる、自分の生活範囲の中で可能なことです。
高齢者をサポートするボランティア組織や組織に志願しましょう。このような団体では、孤立した高齢者と友好関係を築くための方法やプログラムが用意されております。
所属したボランティアは、電話で話し相手になったり、訪問したり運転したりする、交流できる社交的なイベントを催す、といった活動を行います。
どんな簡単なことでも貢献につながります。例えば、孤立している高齢者に一週間に1度電話をかける、定期的に家を訪ねておしゃべりをしたり買い物を手伝ったりする、社交的なイベントに車で連れて行く、あるいは複数の高齢者のグループのためにお茶の会や朝食会を催す、といったことです。
高齢になると、簡単な家事さえも行うのが困難になることがあります。台所の片付けやゴミ出し、電球交換、重いものの上げ下げなど、小さな細々としたがことがたくさんあります。
花や季節の絵を飾ったりすることも後まわしにしてきています。ありふれたささやかな家事の手伝いを喜んでもらえることに驚きます。
また、料理をすることもまたままならないことです。自分の家の料理を多めに作って届けたり、冷凍しておいてレンジで温めればよい状態にしておくなどは、役に立つ上に、隣人と一緒に過ごす時間が持てます。
食事を入れて渡す容器は、返してもらう必要のないものにしましょう。容器の貸し借りの管理はわずらわしさを与えます。
冬の間、高齢者は特に無防備で弱くなります。これは、風邪や咳、インフルエンザ、心臓発作、脳卒中、呼吸困難、低体温症(危険なレベルまで体温が落ちる)などの病気のリスクが寒さによって増大するからです。
10月頃になったら、インフルエンザワクチンを受けているかどうか確認しましょう。もし受けていないようならば、医師の予約をとるよう勧めましょう。
深刻な病状の兆しにも注意しましょう。けだるさ、早口で不明瞭な話し方、寒い部屋にいるのに寒さを感じていない様子、などがその例になります。
高齢者のサポートを少しずつ始めてみると、誰かの役に立つことに喜びが増してきて、助けていたつもりが、結果的に自分の方が助けられていた、という話しを良く聞きます。
できることが何かあるような気がするなら、実際にボランティア活動をしている人の体験話を聞いてみてはいかがでしょうか。