記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/1/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日本でよく聞く「3秒ルール」。
これ、実はイギリスでは「5秒ルール」として知られているんです。
「食べ物を落としてもすぐ拾えば安全!」というものですが、
それって本当でしょうか?
イギリスの研究者による検証結果を前半で、
「消費期限を過ぎても大丈夫」説については後半で、
それぞれご紹介します!
「5秒ルール」とは、床に食べ物を落とした後にすばやく拾ってほこりを取り、口に入れることで、つまり、すばやく拾えば食べても大丈夫という理論です。
「今までもやったけど安全だったから」とこのルールを妄信している人もいれば、「落ちた物を食べても大丈夫」と自分に言い聞かせるために使っている人もいます。また、「5秒」ではなく「3秒」と言う人もいることと思いますが、どのみち危険性は明らかになっています。
この「5秒ルール」を科学的に検証したのが、ロンドン大学の微生物学者、ロナルド・カトラー博士です。博士は、「5秒ルールに科学的な根拠はない」と言っています。
検証では、かなり汚い地面に食べ物を落とした場合を想定し、人工的に大腸菌で汚染された面にピザ、りんご、バタートーストを落としました。そして表面に残っている時間が、汚染の程度に影響を与えるかを測定しました。そして落としていない対照サンプルとこれを比較したところ、全て細菌で覆われていることが判明しました。
すぐ拾った場合、または5秒後、10秒後に拾った場合の各サンプルは、いずれもひどく汚染されている状態でした。この結果を受け、博士は次のようにコメントしています。
「落とした後の時間なんて関係ありません。もし床に食べ物を落としたら、口ではなくゴミ箱に入れてください。カーペットでも台所の床でも道ばたでも、とにかく捨ててください。」
この検査は、近年実施されたほかの研究によってもさらに裏付けされ、「5秒ルール」はただの神話ということが実証されました。
パンや冷蔵庫にある食材の消費期限が過ぎていたとき、「このまま捨てるのももったいないから」と食べてしまった経験のある人も多いことと思います。気持ちはよくわかるのですが、たとえ見た目が問題なく美味しそうだったとしても、消費期限を過ぎた食品は食べないようにしてください。
消費期限はどれくらいの速さで加工食品に有害なウイルスが現れるかを示す科学的な検査に基づいたもので、おおまかな日付を表示しているわけではありません。
それぞれ検証した結果、いずれの説も科学的な根拠のないものという事実が明らかになりました。自分自身や家族の身体を食中毒から守るためにも、地面に落とした食べ物や期限の切れた食べ物は捨てるのが賢明です。