記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/1/20 記事改定日: 2019/8/2
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
妊娠4ヶ月に入ると、まだお腹が目立つ時期ではないのに、お腹がパンパンに張ってしまうことでがあります。これはもっとも代表的な不快な妊娠症状のひとつで、出産直前まで続くこともあります。特別な心配をする必要はないものの、不快な症状はなんとかしたいですよね。この記事で、不快感を解消する方法をご紹介したいと思います。
妊娠すると、体がプロゲステロンという黄体ホルモンを作り出します。これは妊娠初期に分泌されるホルモンで、母体の健康を維持するために欠かせないものですが、その一方で膨満感、げっぷ、おならの原因になります。
また、プロゲステロンは、消化管を含む体内の平滑筋をリラックスさせます。そのため消化が遅くなり、血流に取りこんだ食べ物の栄養素を赤ちゃんにしっかり届けられるよう調節しています。これは赤ちゃんには良いことですが、消化にかかる時間が多くなるため、妊婦さんの膨満感が増す可能性があります。また、子宮が大きくなることで直腸を圧迫し、筋肉が動きにくくなることも不快感につながります。
赤ちゃんが成長するにつれて、子宮はどんどん大きくなって胃や腸が圧迫されます。そのため、お腹が張ったような感覚がさらに強くなる可能性があります。妊婦さんにとっては苦しい時期ですが、その苦しさはお腹の赤ちゃんにはまったく影響しません。むしろ、胃が食べ物を消化する音やリズムを心地よく感じながらすくすくと育っています。
以下に、お腹がパンパンに張った状態を少しでも和らげるためにできることをご紹介します。
便秘になると、膨満感を悪化させる可能性があります。水分をたくさん摂ることで、腸のぜん動運動を活発にし、便秘を予防しましょう。
葉物野菜、豆類、全粒粉のパンやパスタ、玄米、果物といった食べ物から食物繊維を摂取しましょう。ただし、食物繊維を摂り過ぎるとおならが出やすくなることがあるので、食べる量を少しずつ増やしてください。
一度に食べる量が多いほど、ガスがたまりやすくなります。食事を小分け(1日6回が目安)にしたり、3回の食事と2回のおやつで栄養補給したりして、必要な栄養素はしっかりとりつつ、消化器に負担をかけすぎないようにしましょう。
ふだんから食べるスピードが早い人は、食べ物といっしょに空気を多く飲み込んでいます。この空気がガスとなってお腹にたまると、不快感につながります。たとえどんなに忙しくても、意識してゆっくり食べるようにしてください。ゆっくり食べることで、リラックス効果も期待できます。
食事しながら別のことをする、いわゆる「ながら食い」も空気を大量に飲み込んでしまう原因です。食べながら何かをすることで、ストレスや不安を感じることもあると思います。食事の時間は休憩時間であることを忘れないようにしましょう。
豆類にはタンパク質や必要な他の栄養素が豊富に含まれており、妊娠中に欠かせない食べ物です。ただ、食べ過ぎないようにしましょう。
なお、キャベツやタマネギ、揚げ物、お菓子、バターたっぷりのソースもガスの原因となります。オニオンリングのように、ガスの原因となる食品を組み合わせた料理は、極力控えてください。また、キャベツのコールスローサラダは付け合せ程度に食べるなど、量を調整しましょう。