生活に支障をきたす膀胱炎のつらい症状、急性膀胱炎って何!?

2017/5/18

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

さっきトイレに行ったばかりなのにまた行きたい、何度もトイレに行きたくなる、排尿時に痛みがある。多くの女性が膀胱炎(尿路感染症、またはUTI)でつらい思いをしています。

そんなつらい、不快な症状を起こす膀胱炎って何でしょう? ここでは、膀胱炎についてまとめました。あまりにもトイレが近いなと思ったらもしかしたら膀胱炎かもしれません。

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急性膀胱炎って何!?

頻繁にお手洗いへ行ったり、排尿時に刺すような、ひりひりとした痛みを感じたり。これらの症状は膀胱炎の症状です。非常につらい不快なものばかりですが、膀胱炎を治すための効果的な治療法があります。合併症のない膀胱炎は、治療をすれば問題なく治る場合が多いのです。

この記事は、急性膀胱炎(膀胱感染症とも呼ばれる。尿路感染症(UTI)の一種)に関して書いています。間質性膀胱炎といった慢性の膀胱疾患に関するものではありません。

急性膀胱炎って予防できるの?

残念ながら、膀胱炎を確実に予防できる方法はありません。予防できる可能性がある方法としては、水分を多くとる、排便後のお尻の拭き方を変えるなど自分で気をつけられることもいくつかあります。

急性膀胱炎のつらい症状は?

膀胱炎は、頻繁に尿が出ます。これは、刺すような痛みやひりひりした痛みと関連している可能性があります。頻繁にトイレに行く必要があるだけでなく、排尿がとても不快かもしれません。

多くの場合、膀胱がほぼ完全に空になると痛みが悪化します。唐突に尿意をもよおし、すぐにトイレに行かなければなりませんが、ほとんどの場合、少量の尿しか出なくなります。尿意を止めるのがとても難しく、非常に苦痛を伴う人もいます。

尿は濁っていて、臭いがあります。尿の中に血が混じっているかもしれません。

痛みは時に、腹部全体または背中の上部に広がります。重度の膀胱炎は、睡眠を妨げるだけでなく、不快感やだるさ、いらつきを感じさせることがあります。

急性膀胱炎の原因は?

合併症のない膀胱炎は、膀胱を覆う粘膜の炎症で、通常、細菌が尿道に入り、膀胱に移動し増殖すると発症します。

急性膀胱炎のリスクが高いのは女性?

他の人よりも膀胱感染症や再発性尿路感染症にかかりやすい人がいます。女性はそのリスクが高いのです。最大の理由は体のつくりにあります。女性の方が尿道が短く、細菌が膀胱にたどり着くまでの距離も短いからです。

最も膀胱炎を含む尿路感染症になりやすい女性には次のような人がいます。

性行為の回数が多い

性行為の回数が多いと、性行為によって細菌が尿道に入る可能性が高くなります。

特定の避妊具の使用

ある特定の避妊用具を使用する女性は膀胱炎になる可能性が高いです。殺精子剤を含む避妊具はさらにその危険性を高めます。

妊娠している

妊娠中のホルモンの変化は、膀胱感染症のリスクを高めます。

月経が止まっている

閉経した女性に見られるホルモン値の変化はたいてい尿路感染症と関連しています。

男性と女性に共通するその他の危険要素には次のものがあります。

尿の流れが妨害される

膀胱に結石がある場合や、男性で前立腺肥大などの状態になると起こります。

免疫システムが弱まる

免疫システムが弱まると膀胱炎になりやすくなります。糖尿病やHIV感染、がん治療など、特定の状況下で起こります。

長期にわたる膀胱カテーテルなどの使用

膀胱カテーテルなどの管は慢性病を患っている人や高齢者にとって必要ですが、長期の使用は細菌感染のみでなく膀胱組織が損傷したり、脆弱になったりすることがあります。

上記の素因となる健康問題を持っていない男性には膀胱炎はまれです。

おわりに:膀胱炎のつらい症状、スグに医師の診察を

頻尿や排尿時の痛みなど、膀胱炎には独特の症状があります。そんなつらい症状が出ると生活にも支障をきたします。電車に長く乗れない、映画館で最後まで映画が観られないなど、つらいし不便なものです。

急性膀胱炎であれば、医師の治療によりほぼ完治することができます。あなたが思っているより、膀胱炎になる女性は多いのです。恥ずかしがることはありません。膀胱炎かと思ったら泌尿器科を受診しましょう。

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