間接喫煙(受動喫煙)~タバコを吸わないのに吸っている~

2017/3/15

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

喫煙者がタバコを吸ったとき流れる煙(副流煙)は、周囲の人にも影響を与えます。タバコを吸わない人がその副流煙を吸うことを間接喫煙(受動喫煙)といいます。タバコの煙の害は、喫煙者はもちろん非喫煙者にも有害です。実は、どちらかというと、間接喫煙(受動喫煙)のほうがとても有害なのです。

間接喫煙(受動喫煙)の危険性

定期的に副流煙を吸う人は、肺がんや心臓病といった喫煙者と同じような病気を発症する危険性があります。副流煙は、4,000以上の刺激物、毒素および発がん性物質を含む毒性の強い物質です。ほとんどの副流煙は目に見えず無臭なので、どんなに注意していても周辺にいる人は有毒物質を吸いこんでしまいます。
窓やドアを開けたり、別室でタバコを吸ってもタバコを吸ってから2~3時間は煙が空気中に残っています。たとえタバコを吸う部屋を1カ所にしていても、ほかの部屋に広がる可能性は残っているのです。
妊娠中に間接喫煙(受動喫煙)に曝されると胎児も影響を受けます。早産や流産、低出生体重児として生まれたり、乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性が高まります。
また、タバコの煙がたちこめる家に住む子どもは、呼吸障害や喘息、アレルギー症状を発症する確率が高くなります。

子どもへの影響

間接喫煙(受動喫煙)が子どもにとって有害な理由は、子どもは気道や肺、免疫システムが十分に発達していないからです。その結果、以下のような疾患にかかりやすくなります。
・喘息
・肺炎や気管支炎のような胸部感染症
・髄膜炎
・耳の感染症
・咳(せき)や風邪
特に密閉された車内でとても影響を受けやすく、窓を開けていたとしても副流煙のレベルは危険濃度になることがあります。

煙のでない電子タバコではどうでしょう?

電子タバコは、タバコの煙が発生しないので普通のタバコで生じる間接喫煙(受動喫煙)のリスクはありません。しかし電子タバコにもニコチンは含まれており、大気中にごくわずかなニコチンを放出するという報告もあります。現時点で電子タバコは限定的であるものの周囲の人への間接喫煙(受動喫煙)の危険性は、普通のタバコより少ないことがわかっています。

おわりに

平成15年5月1日施行された「健康増進法」で間接喫煙(受動喫煙)の防止が定められ、遊技場、スポーツ施設、式場、その他の店舗、交通機関、各種施設の待合所・待合席、応接室、会議室、休憩室、洗面所、廊下、階段、出入口など多くの公共施設では「禁煙」となり、喫煙スペースが別に設けられるようになりました。喫煙者を含む多くの人々が、タバコの害について知ることが「副流煙」から身を守ることにつながります。

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